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55/77

55 乙女ゲームが始まりそうです

おっーほっほっほっほ。


皆様、初めまして。

西園寺 春香でございます。


アステリア帝国、西園寺公爵家令嬢にして、西園寺財閥の娘でございます。

ええ、ええ。

ご推察の通り、転生者でしてよ。



はぁ~。


私は日本でOLをしていたと思うんですけどね。

普通の大学を出て、普通に就職して、普通に生きていたはずなのに。

特に変な事はしていないはずですし、

ちょっとゲームや二次小説が好きな普通のOLでした。


転生トラックにも轢かれていませんし、過労で倒れた訳でもありません。

ある日起きたら、知らない天井でしたのよ。


もっとも、生まれたばかりだったらしく、あまり目は見えていませんでしたけど。


ですが、耳は聞こえましたわ。


断片的ではありますが、周囲の会話から情報が入ってきました。

ここは日本ではなく――後で分かった事ですが――アステリア帝国という国で、

西園寺公爵家の子供の一人として生まれた事が分かりました。


赤子なので睡魔と戦いながらも、私は気付きました。


これは、転生物ですわ。

しかも、貴族。

階級は公爵家。


なぜ横文字の国に日本語の家名なのかという疑問はありましたが、

それよりも先に思ったのです。


――勝った。


使用人達も沢山いそうですし、お金に困っている様子もありません。

もし王侯貴族社会なら、公爵家は上から数えた方が早い身分です。

これで勝ち組でなくて何と言うのでしょう。


慌てるな、春香。


そう、私の名前は春香というらしいです。

母親らしき人と父親らしき人が、そう呼んでいました。


どちらも美形。


これはどちらに似ても美人は間違いなしですわ。

政変か何か起こらない限り、問題ありませんわね。


おっーほっほっ――ごほっ、ごほっ!


赤ん坊なのに、なぜか高笑いをしようとして失敗し、盛大にむせました。

苦しかったですわ。


おかしいですわね。


前世では、そんな笑い方をした事などなかったのに。


それから私は必死で情報を集めました。

乳母らしき者や使用人達の会話。

時々やって来る両親らしき人達の言葉。

聞き逃すまいと耳を澄ませ続けました。


どうやらこの世界は、剣と魔術と科学の世界らしいです。


剣は分かります。

魔術?

魔法ではないのですか。

そして科学。

なにそれ。

剣と魔術と一緒に成立するのですか。

そう思いました。


むむむ。


科学があるとなると、テンプレのオセロやトランプ、

マヨネーズ革命は怪しくなってきましたわね。

他に何かありませんでしたかしら。


異世界知識チート。

何か出来る事はないかしら。


そんな事を考えながら過ごしていると、

目も少しずつ見えるようになってきました。

これで情報収集もはかどりますわ。


そう思った矢先。

とんでもない情報を手に入れてしまったのです。

私が寝かされていたベビーベッドの天蓋。

そこに文字が書かれていました。


しかも――日本語で。



これを読めているという事は、君は日本人だね。

私は、西園寺家初代当主、

西園寺 正輝である。

そう。

君と同じ、日本人だ。

そう驚く必要はない。

この世界には大勢の転生者や転移者がいる。

珍しい事ではない。

……



と、かなり長い初代様からの言葉と、

何代かの当主の言葉が書かれていました。


西園寺家には、代々沢山の転生者が生まれてくる事。

もうすでに、

オセロ。

トランプ。

甜菜による砂糖製造。

それらは初代様がやって、財を稼いだ事。


その他のテンプレも、すでに他の者達がやっており、

余程の未来技術でもない限り、知識チートは無理な事。


この世界でチートしすぎると、

神々から天罰を食らう事。


などなど。

一族の成り立ちから、今まで歩んできた歴史。

そして、この世界で生きていく上での注意事項が書かれていました。


私は、止まりました。

なにそれ。

知識チートできないの?

嘘でしょう。

私の異世界知識チート人生、

開始五分で終了したのですが。


なに、天罰って。

私、神様に会ってないんですけど。


何か特殊な能力はないのですか。


そんな風に唖然としている私に気づいたのでしょう。

世話をしてくれている人が、

慌てて両親を呼んできました。


父親らしき人が、私の顔を覗き込みます。


「春香、これが読めるのかい」


私は父親らしき人を見て、

つい目をそらしてしまいました。


「そうか、春香は転生者かぁ」

「久しぶりじゃないか」


そう言って、父親らしき人は優しく笑い、

私の頭を撫でてくれました。


「なら、私の声も理解できているだろう。パパだよ」

「ようこそ、我が家へ」


父親らしき人は、パパだったそうです。


「春香ちゃん、ママですよ」


こちらも、ママだったそうです。


別に、私が転生者だからといって、

両親や他の人達の態度は特に変わりませんでした。

ちゃんと愛してくれました。


まだ喋れないので上手く伝えられませんが、

前世の年齢を思うと、

今更甘えるのも、

赤子とはいえ赤子扱いされるのも恥ずかしくて仕方ありません。


それでも、両親からの質問に目で答えて、

前世では二十代後半だったと伝えました。


すると、驚くべき事が分かりました。

なんと、この世界では種族が交じり合っていて、

我が家も例にもれず、その血が混ざっているそうです。


初代様の奥様が人魚だったらしく、

それ以降も人魚族の配偶者がいたとの事。

そして、ママも人魚族だそうです。


なので、一族の寿命は二百年から三百年。

二十代後半なんて、まだ子供との事でした。


ビックリ玉手箱ですわ。


「中身が大人なら、夜泣きとか、排泄の時とか教えてもらえるから楽ね」


と言われて、微妙な気持ちになりました。


一人で歩けるようになったら、

神殿で鑑定を受けるそうです。

人魚族の血が濃ければ、

人魚に変身できて、水中を自由に泳げるらしいのです。


めちゃくちゃ楽しみですわ。

知識チートはできないけど、

それはそれで、その能力は凄いです。


人魚姫ですわ。

リトル人魚姫ですわ。


西洋の方ですわよね。


日本版だからといって、

捕まって不老長寿だと食べられたりしませんわよね。



三歳の時、

『天秤の女神』様の神殿で鑑定の儀を受けたところ、

見事に《人魚化》のスキルを持っていました。


あと、転生者や転移者は、

強力なジョブやスキルを持っている事が多いとの事でしたので、

期待していたのですが。


《編みぐるみマスター》


というジョブでした。

何よそれ。

ジョブなの?

趣味ではなくて?


まあ、一緒に鑑定の儀を受けた他の貴族達が、

それはもう変なジョブを貰っていたので、

まだマシかと思ってしまいました。


あと、髪型をセットできるくらい髪が伸びた時に、

侍女のマリアに髪型を整えてもらったのですが。

なぜか、ドリルでした。


金髪ドリル。


嫌な予感がして、他の髪型を頼んでも、

ポニーテールにしても、

三つ編みにしても、

なぜか最後は金髪ドリルになるのです。


これは、もしかして。

あの笑い声からして、


私、悪役令嬢なのでは。


前世の記憶を思い出せ。

思い出すのよ、春香。

アステリア帝国。

西園寺公爵家。

そんな名前が出てくる乙女ゲームや小説、アニメがあったかしら。


……記憶にない。


気のせいよね。

同年代の王族が一人いるらしいけど、

西園寺公爵家は中央とは距離を置いているらしいし、

優秀な第一皇女や第一皇子がいるらしいから問題ないよね。


両親も、帝都にいるおじい様も、


「政略結婚なんぞ、せんでええ。我が家は恋愛結婚じゃ」


と言ってくれているし。



それから、六歳になり、

帝都の帝国学園小学部に入学する事になりました。

地方貴族は、本来なら中学部からでいいそうですが、

公爵家として、小学部から通うらしいです。

両親は泣いていましたが、

これも高貴なる者の義務と言っていました。


そして、入学を控えた直前。

帝都から、とんでもない話が入ってきました。


“第一皇子殿下、卒業式婚約破棄、ざまぁ返り討ち事件”


である。

まじですの?


やっぱり乙女ゲームなの、この世界。

しかも私、公爵家で高笑い、金髪ドリル。

これは、続編ですわ。

続編の悪役令嬢ですわ。


どうしましょう。

編みぐるみばかりして、

編みぐるみのお店を作ってもらって、

何もしていませんわ。

ざまぁの用意もしていませんわ。

取り巻き令嬢もいませんわ。

どうしましょう。

でも、婚約もしていませんし、

デビュタントにも出ていませんし、

問題ありませんよね。



ふう。

杞憂でした。

無事に入学してみると、

同年代の皇族は入学する予定がないようですし、

油断はできませんが、とりあえず助かりましたわ。


しかし、このクラス分け。

確か成績順のはずですが、

小学部低学年はそこまで差がないので、

実家の派閥によると聞いていました。


そして私は、Bクラス。


私以外、みんな庶民の方々ですわ。

元日本人として差別するつもりはありませんし、

この方が落ち着きますわ。


Aクラスなんか、

我が西園寺財閥のライバルであり、

西部に我が領地の港に匹敵する貿易港を持つ

カスパール侯爵家の令嬢を中心に、

貴族派。

復権派。

旧超帝国派。

そんな大物派閥の子女が集まっていて、

まさに伏魔殿ですわ。


Cクラスは、派閥争いに興味のない家や庶民の方々が多いとか。

それに比べてBクラスは気楽でよくってよ。


おっーほっほっほっほ。


何ですの、皆様。

そんなにお引きになって。

別に私、皆様を馬鹿にしたり、いじめたりしませんわよ。


おっーほっほっほっほ。



そこからは、特に大きな問題もなく過ごしました。

たまに、カスパール侯爵家令嬢などがマウントを取りに来ましたが、

しょせん子供の遊び。

中身が大人な私が、軽く返り討ちにしてあげましたわ。


クラスの皆様にスキル《編みぐるみ》を披露したら、

一躍人気者になりました。

休み時間などは、仲良く一緒に編みぐるみを作っていますわよ。



変化があったのは、四年生の時でした。


まず、高等部に“転移勇者”クラスができました。

なんでも、大量に高校生が転移してきたそうです。

この世界の常識と、生きていく術を教える為に、

監視を兼ねての入学だそうですが。


転移者の監視と聞いて、恐ろしくなりました。

色々聞いています。

過去の転生者、転移者の所業。

そして、その影響を。


私も、管理監視されるのでしょうか。


そんな風に怯える私に、おじい様が言ってくださいました。


「公爵家が責任を持って、

 管理監視していると帝国政府に言っておる。文句は言わせん」

「可愛い孫娘を、そんな目に合わせるものか」


おじい様。

大好きですわ。


次に、Bクラスに編入生が入ってきました。

基本、留学生や帰国された方以外は許されない編入生です。


ソレイア・グラウハイムさん。

リナ・ウォルフガングさん。


きゃーーー。

ケモ耳ですわ、ケモ耳。


ごほん。

失礼。


おじい様から、

このお二人は庶民の方らしいのですが、

推薦人に皇族や高位貴族を始め、

帝国の有力者の名前が連なっているとの事で、

失礼がないようにと言われていました。


大丈夫ですわ。


中身は大人ですもの。

クラス唯一の貴族として、

皆様の代表としてお迎えしましたわ。


推薦人に帝国の有力者の名前が連なっているから、

どんな方かと思っていましたが、

二人とも明るく元気いっぱいの普通の娘でした。

あっという間にクラスに打ち解けて、

勉学の方も問題ありません。

礼儀礼節も最初こそ苦戦していましたが、

他の皆さんもそうですけど、

あっという間に習得していましたわ。

子供の脳や適応力って凄いですわね。


私、少々苦戦していましてよ。

ダンスなんて、難しいですわ。


しかし、ソレイアさん、リナさん。

私が笑い出すと、両隣に来て、

一緒に笑うのは止めていただけませんか。

せっかく仲良くなった皆さんまで、

引くどころか一緒に笑い出すので。


「「「「おっーほっほっほっほ」」」」


先生。

なんでもありませんわ。

授業を始めてくださいな。



ソレイアさんとリナさんは同じ所に住んでいて、

帝国学園のすぐ側にあり、

素敵な庭園があるとの事で、

手の空いているクラスのみんなとお邪魔する事になりました。


場所は、帝都に来た時に見学した、

クリスタルの山の麓にあった、

観光案内所みたいな飲食店。


“ヘイム”。


という変わった名前でした。

中に入って、店主らしきドワーフの方に挨拶して中に入りましたわ。


「春香ちゃん、店長さんはヒュマ族だよ」


と、リナさんに教えてもらいました。


「ドワーフ族は、あっち」


と教えてもらった方を見ると、

ドワーフの方と、

どこかで見た事があるような、ないような方がいました。

ですが、まさか第一皇女殿下がこのような所で、

しかもこんな時間からお酒なんて飲んでいるはずがありませんわ。


なぜかある日本庭園を抜けて庭園に行くと、

色とりどりの花が咲き乱れていて、

とても綺麗でしたわ。

奥に行くと小動物が沢山いて、

ネコカフェならぬ、小動物カフェですわ。

でも、お茶やお菓子がありませんわね。


ここは私が持参するべきかしらと思っていたら、


ドワーフ。

もとい、店主さんが、

紅茶とチョコレートケーキを持ってきてくれました。


コーヒー党の私ですが、

紅茶を飲んだ時は、

紅茶とはこんなにも美味しい物なのかと驚きました。

これは、紅茶も侮ってはいけませんわね。

チョコレートケーキは、それなりでしたわ。


お茶の後は、更に奥へ冒険に出かけようとしました。

ですが、このお店“ヘイム”になぜかいる執事のキューブ様が現れて、


「これ以上奥は危険ですから、行かないように」


と言われました。

普段なら、


「迷子になんてなりませんわ」


と反発するところですが、

キューブ様のお言葉ですもの。

従わなければ。

代わりに、色んなお話をしてくれましたわ。


その間、私は無意識にスキル《編みぐるみマスター》を発動して、

キューブ様の編みぐるみを縫っていました。

後で、クラスの女子生徒から欲しいと言われて大変でしたわ。


まあ、その後もキューブ様目当て半分で、

女子生徒を中心に遊びに行きました。

でも、本当に素敵な庭園と可愛い小動物、


そしてお美しいキューブ様。


それに、庭園で走り回って汗をかき、

お風呂をお借りしたのですが。

なんですの、このお風呂。

日本の高級スパ顔負けですわ。

こんなの、雑誌でしか見たことがありません。


お風呂用品も化粧品も日本製ですし、

もしかしてあのドワーフ店主さんも、


転移者か何かなのではありませんの。


これは、おばあ様が進めていらっしゃる

南国ビーチリゾート作戦のホテルに仕入れたいですわ。

売ってくださらないかしら。


一緒にお風呂に入っていた、第一皇女殿下から、


そう。

やっぱり第一皇女殿下だったのですわ。

あの飲兵衛。


「これは、高度な政治判断が必要とされる案件じゃ」


と言われて諦めましたが。

そのドワーフ店主さんと親しい方々だと思うのですが、

お店の皆さんや、

一般庶民であるクラスメイトも普通に使っていますけど。

いいのかしら。

第一皇女殿下を始め、数名の方々で独占しているような気もしますが。

高度な政治判断とやらは、

いったいどこへ行ったのでしょうか。



その後も楽しい学園生活でしたのに。

なんですか、あの変態ナルシストは。


“転移勇者”クラスの竹田とかいう奴。


いくら可愛いケモ耳とはいえ、

ハルヴィンダさんだけでなく、

まだ小学四年生ですわよ。

リナさんにまで。


ロリコン。


女の敵ですわ。


ハルヴィンダさんに真っ二つにされた時は、すきっとしましたのに。

その後の全裸での奇行。


元日本人として恥ずかしかったですわ。


その後の祝賀パーティーでも、

今度はソレイアさんや私を嫌らしい目で見てくるし。

これは、おじい様にお願いして、

私だけではなくクラスのみんなにも護衛を付けなくては。



それから数日後。

更に日常を揺るがすイベントが起きました。

Bクラスに、また編入生が来たのです。

今度は男子生徒が一人。

自己紹介で名乗ったのは、


”アレキサンドリア・スリジ・ソルヴェイン・アステリア”


この国の第三皇子殿下です。

取り巻きも、家臣もなく、

ただ一人で。


正真正銘のプリンツ・アレクが立っていました。


あっ。

終わりましたわ。


これって本当に乙女ゲームじゃないですよね。

私、悪役令嬢じゃないですよね。


師匠のニューワールド講座51

財閥編


「師匠」

『なんです』

「この世界にも財閥ってあるんですね」

『ありますよ』

『しかも沢山』

「へぇ」

『この世界の王侯貴族はですね』

『何をするにも金が必要だと理解しています』


『軍隊を維持するにも』

『領地を運営するにも』

『権力を守るにも』


『全部お金です』

「現実的だなぁ」

『過去の地球の一部にあったような』


『金儲けは卑しい』

『商人は身分が低い』


『そういう考えはあまりありません』

『もちろん』

『口では言いますよ』

『ですが裏では皆さん』

『しっかり稼いでいます』

「でしょうね」

『なので』

『貴族と商売は切っても切れません』


『むしろ』

『商売が下手な貴族ほど危険です』

「なんで?」

『財政が破綻するからです』

『そして』

『領民に増税します』

『反乱が起きます』

『潰れます』

「うわぁ」


『逆に』

『優秀な悪徳貴族は違います』

「優秀な悪徳貴族って何」

『領民を大切にします』

「えっ」

『大切にします』

『なぜなら』

『その方が儲かるからです』

「うわぁ」

『領民が豊かになれば』

『税収も増えます』

『市場も活発になります』

『人口も増えます』

『結果として』

『自分が肥え太れます』

「理屈は正しいのが嫌だ」

『だから』

『本当に恐ろしいのは』

『善人を装った悪徳貴族です』

『表面上は善政』

『裏では利権の奪い合い』

『そんな事は珍しくありません』

「魑魅魍魎だなぁ」


『本当に無能な悪徳貴族はもっと悲惨です』

『仲間からも見捨てられます』

『反乱を煽られます』

『気付けば失脚しています』

「味方いないじゃん」

『いません』

『悪人にも能力は必要なのです』

「嫌な世界だ」

『なので皆さん』

『もっと儲けようとして』

『商売に手を出します』


『鉱山』

『運輸』

『酒造』

『金融』

『農業』

『織物』


『何でもやります』

「財閥だ」

『そうです』

『そして』

『生き残った者達が財閥になります』

『大貴族の多くは』

『何らかの巨大事業を持っていますね』

「なるほど」

『特に辺境伯なんて大変ですよ』


『軍隊を維持する』

『領地を守る』

『街を発展させる』

『商売を育てる』

『領民を食べさせる』

『帝国への義務を果たす』


『全部やらないといけません』

「胃が痛そう」

『実際痛いでしょうね』


『だから』

『大貴族に生まれたら勝ち組』

『なんて言うのは転生者な子供だけです』

『責任も義務も桁違いですから』

「じゃあ勝ち組は?」

『男爵家あたりでしょうか』

「えっ」

『義務は少ない』

『商売もできる』

『軍隊維持費も少ない』

『領地経営も比較的楽』

『成功すればかなり裕福です』

「確かに」

『まあ』

『その代わり』

『上からあれこれ言われますけどね』

「結局大変じゃないか」

『この世界に楽な立場なんてありませんよ』


『あるとしたら』

『働かずに食べている誰かさんくらいです』

「師匠の事?」

『違います』

『私は忙しいです』

「絶対違うな」




※財閥はあります。

※貴族はお金が大好きです。

※善人も悪人も資金繰りには勝てません。

※世の中だいたい予算で動いています。

※師匠は経費で動いています。




作者メモ

※本編のおまけ設定です。読み飛ばしても問題ありません。

※本編とは時空が違います。

※本編の都合により、設定が変わる事があります。


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