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46 全然隠れていないお忍び

よう、俺はベルン――ベルンハルト・グラウハイムだ。


俺は確か、一応観光地ではあるが、

下町どころか再開発地区の入り口とも言える寂れた通りの飲食店で働いている。

俺は、フロアスタッフ兼用心棒。

愛妻のマルタは経理責任者として、今では事務長を務めている。

可愛い娘のソレイアも、親友のリナ殿と共に暮らし、

帝国学園に通わせて貰っている。

騎士団を辞めた時は色々と思う事もあったが、

今はそれ以上に家族といられて、楽しく幸せな暮らしをしていたはずだ。


店主であるヴァルナ殿が転移者であって、

色々と不思議というか、

あのまま騎士団にいれば味わえなかった事に巻き込まれているが、

それはそれで貴重な体験でもあった。


話でしか聞いた事のない物に触れ、体験もできた。

エマ殿にDVDとかいう魔道具で『音楽の響き』という物語を見せて貰った時は、

ソレイアとリナ殿につられて「ドレミ」を一緒に歌ったものだ。


それに、つい慣れて当たり前になっているが、

周りの人達も縁を結びたくても結べないような、

とんでもない人ばかりだ。


本当に充実した日々だった。

それがいけなかったのか。


ああ、あれか。

姫様とミレディ様が『星戦争』という昔話の二話目を鑑賞されていて、

てっきり四・五・六を先に見られたものだと思い、

主人公の騎士が未来の暗黒卿で、

しかも双子の父親だと言ってしまったからか。


――いや、絶対それだ。


間もなく来られる。

直接拝謁するのは騎士の受勲式以来だ。

後は警備任務中に遠くからお見掛けした程度。


ソレイアやリナ殿が帝国学園へ行っている時間で本当に良かった。

こんな情けない姿を見せる訳にはいかないからな。


ランチタイムも終わり、夕方までの休憩時間。

手の空いた者達が店の入り口付近に集まっていた。


姫様とミレディ様は不在だ。

帝国学園での仕事を優先するよう言われているらしい。


ヴァルナ殿は、本気で姫様を子爵令嬢だと思っているし。

一度頭の中を見てみたい。

リナ殿が、


「妖精さんがね、店長さんの頭の中は、

 お花畑にお菓子の家が建っているって言ってたよ」

「私もお菓子の家ほしいなぁ」


と言っていたが、本当かもしれん。



姫様の手の者達は平静を保っているが、明らかに挙動不審だ。


商業ギルドの面々は、「普段通りで良い」という姫様の言葉に従い、

それぞれの事務所に籠っている。


ハルヴィンダ殿も親方達の後ろに隠れている。


ムラマサ親方は商いで不在。


落ち着いているのはマルタと親方達だけだ。


「ほら、来られましたよ」


マルタの声に思考から引き戻される。


先触れだろう。

姫様のお付きの、

皆から爺やと呼ばれているホルトス殿が入り口の扉を開けて入ってきた。

その先には、質素に見えるが造りの確かな馬車が見える。


砕暴具――サイボーグと呼ばれる馬型魔導具に引かれた特注品だ。

あれでは、お忍びにならないのでは。


「おお、久しいのう。あの馬車はワシとトレースの合作じゃ」


スミズル親方が髭を撫でながら懐かしそうに言う。


「最近メンテナンスしとらんが、大丈夫かのう」


トレース親方も頷いた。

流石は“親方”の称号持ちだ。

慣れているのか、堂々としている。


思い出せ。

式典警護の時を。

最近まで第六騎士団とはいえ騎士として任務をこなしていただろう。

親方達を除けば、礼儀作法を知っているのはおそらく俺だけだ。

姫様の手の者達は任務上、迂闊な事はすまい。


先程まで最低限の練習もした。

ここは俺が手本を示さんと。

しかし店主はヴァルナ殿だ。

最初に応対するのもヴァルナ殿。


不安しかない。


ホルトス殿が静かに口を開く。


「皆さま、本日は奥方様もお忍びで来られております」

「また、今後こちらに顔をお出しになられるお二方も、今は隠居された身です」

「毎回畏まっては、逆に無礼というもの」

「どうか気になさらず。姫様やミレディ様と同じように接してください」

「奥方様達も、そう望まれております」


ホルトス殿。

そう言われて、はいそうですかとは言えんぞ。

ほら、余計な事を言うから。

ヴァルナ殿が肩の力を抜いたぞ。


駄目だからな、ヴァルナ殿。

注意しようとしたその時。


馬車が止まった。


「ああ、貴族の方が来るなら、

 いちいち入り口に馬車を停められたら他のお客様の迷惑だな」

「貴賓客用のロビーが必要かな」


見ろ。

ホルトス殿。

早速ヴァルナ殿が変な方向に考え始めたぞ。


苦笑しながらホルトス殿が外へ出る。


変装した近衛騎士達が護衛位置につき、馬車の扉が開かれた。


そして――。

最初に降りてきたのは、


リオニー・アルス・フェルセア・ガイアースブルク前侯爵夫人。


三代続けて侯爵位を得た名門中の名門。

帝国の雷鷹と恐れられた先代侯爵その人。


次に降りてきたのは、


アルマデッタ・ヴァル・セイレス・ミョルニル前公爵夫人。


建国時代を駆け抜けたミョルニル王国王族の血筋。


そして最後に降りられたのは――


我らが帝国の月。

マリー・モナート・ソルヴェイン・ドンネル・アステリア皇后陛下。


三人共に雷撃の使い手。

建国戦争期には


『ディー・ドライ・ドンナーリーリエン(三輪の雷百合)』


と恐れられた存在だ。


怒りに触れたら、この店ごと吹き飛ぶ。

本当に。


皇后陛下を先頭に、一行が店へ入ってくる。

俺は頭を下げた。

皆もそれに倣う。

ヴァルナ殿。

練習した通りだ。

先に話しかけてはいけない。

向こうから許可が出るまで顔を上げてもいけないし、

声を出してもいけないぞ――。


「だぁはっは、久しいのうマリー」


えっ、スミズル親方?

俺達が頭を下げたまま固まっている中、

聞こえてきたのは場違いなほど豪快な笑い声だった。


「ほんに久しぶりじゃ。桜の花見の宴以来かのう」


その声に続いたのはトレース親方だ。

まさか。

いや、まさかとは思うが。


「おうおう、アルマもリオニーも久しいのう」

「相変わらず細くて、飯をちゃんと食っとるんか」

「酒ばかり飲んどらんで、肉を食え肉を」


なんで普通に話しているんですか親方。


「スミズル、ワシ等ドワーフ族とは違うんじゃ。それが普通じゃ」

「そうですわよ、スミズル親方。私達親方達と違ってレディですのよ」


アルマ様が扇で口元を隠しながら笑っているのだろう

扇を開く音が聞こえる。


「どこがレディじゃ」

「相変わらず槌を振り回しておるそうじゃないか」

「旦那が愚痴っとったぞ、アルマ」


スミズル親方が大笑いする。


「相変わらずなのはどちらですか」

「本当に口を開けば酒、酒と」


今度はリオニー様の呆れた声が聞こえる。


「なんじゃ、リオニーの事も聞いとるぞ。のうトレース」

「そうじゃな」

「毎日毎日酒を飲んで、

 たしなめに来た息子をその爪で追い返しておるそうじゃないか」

「それにな、ここにはムラマサの奴もおる」

「今は酒を仕入れに出とるから、今度時間のある時に会うと良い」

「じゃが中で暴れるなよ」

「そなたの雷爪拳とムラマサの酔拳だと周りの被害が――」

「あん時は大変じゃった」


親方達とご婦人方が、礼儀作法も何もなく、

頭を下げた俺達の頭上で昔話を始める。


いや。

始めるな。

せめて顔を上げさせてからにしてくれ。


そう思っていると、横から呟きが聞こえる。


「なんと、飲兵衛シックスがエイトに進化するだと」

「あと一人で打線が組めるではないか」


だからヴァルナ殿まで変な事を言い出さないでくれ。

頼むから黙っていてくれ。


その時だった。


「んんっ」


小さな咳払い。

しかし、その一声だけで全員の会話が止まった。

恐らく皇后陛下だ。


「いつまで店の入り口で話しているのですか」

「まったく、世間話なら後になさい」


静かな声だった。

だが、誰一人逆らえない。

流石である。


「怒らんでもよいじゃろうに」

「話に入れて貰えんかったからと言って拗ねるでない」


トレース親方。

それは言ってはいけない。


「拗ねてません」

「相変わらずトレースは……」


そして皇后陛下まで会話に加わり始めた。

いつまでこの姿勢でいればいいのだろう。


いや、帝国と帝室に忠誠を誓う身としてはいくらでも待つ。

待つが。


横を見る。

ヴァルナ殿がプルプル震えている。

駄目だ。

あれは限界が近い。

倒れでもしたら不敬どころか全てが吹き飛ぶ。

その時、


「奥方様も皆様も、いい加減になさいなまし」

「お店の皆様が先ほどからお待ちですよ」


凛とした声が響いた。

この声は。

筆頭女官長殿か。

皇后陛下にこう言える人物など限られている。


「あら、そうでしたわ」


皇后陛下が軽く目を瞬かせる。

忘れていたのか。

本当に忘れていたのか。


「皆の者、大儀である」

「顔を上げる事を許可する」


ありがたい。

本当にありがたい。

だがヴァルナ殿。

まだだ。

一回目は駄目だ。

二回目がある。

そこを間違えるなよ。

案の定、


「皆様、奥方様からのお言葉です」

「どうぞ顔をお上げ下さい」


ホルトス殿が補足してくれた。

助かった。

これでようやく顔を上げられる。


皆が顔を上げたのを確認して、ホルトス殿が一歩前へ出る。


「皆さま、ご紹介させて頂きます。」


その場の空気が改まり、先程まで旧友同士で騒いでいた方々も静かになる。


「中央にいらっしゃるのが、姫様のお母上であらせますマリー様でございます。」

「今回はお忍びの為、家名は伏せさせて頂きますが、

 ご存じの通り子爵夫人でございます。」


そうなのだ。

今回のご来訪に関して、姫様からヴァルナ殿以外の者には事前に通達が出ていた。


「我は子爵家令嬢じゃ。良いな。」


反論は許さん。

そんな目で言われた。

しかも妙に疲れ切った目だった。


「もう疲れた。それでよいのじゃ。」


投げやり感満載であった。

正直、帝国中探してもこんな理由で身分を偽装する皇族はいないと思う。


「続きまして、今後こちらにて行儀見習いと、

 貴族からの対応をして頂きますお二方をご紹介させて頂きます。」


ホルトス殿が続ける。


「皆さまから向かって右側にいらっしゃいますのが――」

「アルマ・フォン・トール様。」

「アルマ・フォン・トールですわ。皆さま御機嫌よう。」


パチリと扇を開き、美しく礼をする。

流石というべきか。

立ち居振る舞い一つ取っても品格が違う。

しかし。

アルマ・フォン・トール様らしいが、爵位はどうしたのだ。

そのままだと騎士階級なのだが。


「続きまして左側にいらっしゃいますのが――」

「リオニー・フォン・ハーケン様。」

「リオニー・フォン・ハーケンよ。リオニーでよろしくってよ。」


こちらも優雅に扇を開く。

だが。

こちらも騎士階級である。

というか、お二方とも。

家紋入りの扇を堂々と使っておられるのですが。

隠す気がないですね。

本当に。

全く。

解っていないのはヴァルナ殿だけですぞ。


「直答を許す。その方がヴァルナか。」


皇后陛下からのお言葉だ。

だがヴァルナ殿。

これも一度目では駄目だぞ。

案の定、身体がぴくりと動く。

危ない。

すかさずホルトス殿が助け舟を出した。


「ヴァルナ殿、どうかお答えください。」


ナイスだ。

あれは絶対に一度目で返事をしようとしていた。

本来なら前口上も必要だが、今ここにいるのはあくまで子爵夫人という設定だ。

そこまで求められない。


「初めまして。」

「私が当店の店主を務めさせて頂いております。」

「ヴァルナ・ヴァーミルストと申します。」


……。

……。

ヴァルナ殿がまともな返事をしているだと。

俺は一瞬耳を疑った。


「本日はご来店頂きまして、恐悦至極にございます。」


本当にどうした。

熱でもあるのか。

てっきり、


「いらっしゃいませ!」

「いつもアンリ先生にお世話になっております!」


くらい言うと思っていたぞ。

予想以上にまともな対応に驚きつつも、俺は静かに様子を見る。


幸い、この場では俺達の方には興味が無いらしい。

通常業務に戻るよう指示が出され、

マルタやハルヴィンダ殿を始め皆が仕事へ戻っていく。


俺もセバス殿と共にフロアへ戻った。

どうやらヴァルナ殿は一行を二階の喫茶スペースへ案内しているようだ。

ホルトス殿も付いている。

ならば大丈夫か。

ここから先は見えない。


いや。

最近は薄っすら見える時もあるが。

『大地母神』様の御使い様が付いているらしいから、最悪なんとかなるだろう。

しかし、こんな時にこそ執事のキューブ殿が側で補佐しなければならないのに、


一体どこへ行ったのか。


できれば早々にお帰り願いたいものだ。


ソレイアやリナ殿が戻る前に。

もし今日、公爵令嬢の嬢ちゃんや友達を連れて来たらどうする。

友達の家へ遊びに来たら皇后陛下がいた。

俺なら泣く。

いや、確かに公爵令嬢と高位貴族だが。

それでも泣く。

間違いなく泣く。


そんな事を考えていると、マルタがやって来た。


「あなた。」

「何だ。」

「あなたも二階へ行って。」

「今、ヴァルナさんの側に誰もいないでしょ。」

「誰か味方がいないと、何かあった時に困るでしょう。」


なるほど。

確かにその通りだ。

普段は仲良くやっている。

だが冷静に考えると、皆姫様や帝国側の人間である。

ハルヴィンダ殿に任せる訳にもいかん。


親方達は……。

あれはどっちだ。

皇后陛下とも仲が良さそうだしな。

良くて中立。

だが何かあれば味方になってくれそうではある。


仕方ない。

行くか。


つい最近まで俺も帝国政府側の人間だったのにな。

今ではヴァルナ殿の方をなんとかしてやらねば、という気持ちの方が強い。


やれやれ。


俺もヴァルナ殿の事は言えんな。



二階へ上がると、丁度ヴァルナ殿が紅茶を淹れているところだった。

湯気の立つティーポットから、ふわりと良い香りが漂ってくる。


あれは大したものだ。

俺はどちらかと言えばコーヒー党だが、それでも美味いと思う。

アンナ殿の話では、帝宮に出しても十分通用する味らしい。

実際、目の前のご婦人方も満足そうに紅茶を口にしている。

どうやらお気に召していただけたようだ。


だが――


一緒に出された菓子には、少しばかり苦笑いを浮かべているな。

申し訳ないが、その辺りはまだ発展途上だ。

マルタや転移勇者の冨樫殿が作る菓子の方が遥かに美味い。

ヴァルナ殿本人も、その辺は自覚しているだろう。

もっとも、本人は料理人であって菓子職人ではないのだから仕方あるまい。

やがて紅茶を飲み終えると、一行は喫茶スペースの奥へ向かった。

例の庭園を見るためだ。


大きな窓の向こうに広がる景色を目にした瞬間、皆が足を止める。

無理もない。

あれは見事だ。


色とりどりの花々。

美しく整えられた緑。

遠くまで続く木々。


まるで絵画の中の景色だった。

楽園とは、ああいう場所を言うのだろう。

だが。


フェアリーガーデンがあるらしいからな。


見た目は楽園だが、中身は危険地帯だ。

御使い様が結界を張ってくださっているらしいが、それでも怖い。


ソレイアやリナ殿、それにクラスメイト達は大丈夫なのだろうか。

まあ、御使い様が見ているなら心配はないか。


しばらく庭園を眺めた後、一行は各々店内の見学を始めた。


トール様もハーケン様も、今後自分達が居座る――

もとい、滞在する場所を特に熱心に見て回っている。


家具の配置。

客層。

従業員の動き。


さりげなく見ているようで、実に細かい。

流石は長年貴族社会で生きてきた方々だ。


一方でヴァルナ殿はと言えば。

ようやく解放されたと思ったのか、露骨にほっとした顔をしていた。


まったく。


気持ちは分かるが、顔に出すな。

そう思った矢先、


「店長ー!」


下の階からハンス殿の声が響く。

どうやら仕込みの時間らしい。

ヴァルナ殿は慌てて返事をすると、そのままキッチンへ向かっていった。

まあ、あれが本業だからな。

店主が厨房に立つのは当然だ。

しかし、流石にこの方々を放っておく訳にもいかんだろう。

俺は目立たない位置に立ちながら様子を見守ることにした。


そのつもりだったのだが――


「ベルン殿。」


不意に声を掛けられる。

振り返るとトール様だった。

結局捕まってしまい、店の普段の様子や従業員のことを聞かれることになる。


まあ問題はない。

店内にはお付きの者もいる。

帝国側の人間もいる。

警備も万全だ。

だから油断していたのかもしれない。


いや。

完全に油断していた。


気付けば――


先ほどまでいたはずの皇后陛下と、

そのお付きの姿が見えなくなっていたことに。

その事実に気付いた瞬間、背筋を嫌な汗が伝った。


師匠のニューワールド講座㊷

貴族って面倒くさい編


「師匠……」

『なんです』

「なんだか疲れました」

『ほう』

「もう貴族嫌です」

「しんどいです」

「めんどくさいです」

『珍しいですね』

「なんですかあれ」

「二回許しが出るまで顔を上げるな」

「勝手に喋るな」

「発言は簡潔にしろ」

「でも失礼があったら怒られる」

「意味が分かりません」

『ああ』

『あれですか』


珍しく鬱憤が溜まっていたのか、

ヴァルナの愚痴はしばらく続いた。


『まあ』

『確かに面倒ですね』

「ですよね!?」

『女神様の前では普通だったのに』

『人間同士であそこまでやるのは』

『正直しんどいです』

「師匠もそう思うんだ」


『ですが』

『意味はあるんですよ』

「あるの?」

『お前達とは違うのだ』

『という演出です』

「演出」

『演出です』

『格の違い』

『権威』

『支配者としての神秘性』

『そういった物を見せるためですね』


『元々』

『王とは』

『部族や集団の相談役』

『あるいは裁判官のような存在でした』

『ですが』

『国家が大きくなり』

『神々から帝権や王権を授かり』

『徐々に神聖化していったのです』


『さらに』

『転移者や転生者が持ち込んだ』

『様々な文化』

『礼法』

『作法』

『宮廷儀礼』

『それらが混ざり合い』

『現在の和洋折衷な礼儀作法になりました』

「なるほど」

『中には』

『どう考えても創作の影響だろう』

『という物もありますが』

「あるんだ……」


「もう嫌でござる」

『急に武士になりましたね』

「子爵家でこれでしょう?」

「もっと上が出てきたら」

「俺、死んじゃいます」


・・・

・・

『知らないとは幸せですね』

「えっ」

『皇族』

『大公爵』

『古王家』

『大神殿』

『その辺りになると』

『礼儀作法だけで本が一冊できます』

「やめて」

『立つ位置』

『歩く歩数』

『頭を下げる角度』

『発言の順番』

『視線の向け方』

『全部決まっています』

「やめてぇぇぇぇ!!」

『ちなみに』

『間違えると周囲が大騒ぎします』

「本人じゃないんかい!」

『本人達は慣れていますから』

『騒ぐのは周りです』

「余計に嫌だ!!」



作者メモ

※本編のおまけ設定です。読み飛ばしても問題ありません。

※本編とは時空が違います。

※本編の都合により、設定が変わる事があります。



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