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新魔王がいい人すぎたせいで世界秩序が崩壊しだす  作者: 進藤尚典
〜第4章〜武神勇者蹂躙
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〜第6話〜魔王敗北!?

 レオンは、さすがにその巨大な剣を見て、少しだけ焦りを見せた。

 オチョアはにやりと笑みを見せて【ギャラクゲンジ】という名の巨大な剣をふりかざす。

 レオンはそれを両手で受けとめようとした。


「魔王様、それはやめた方がいいぜ」


 オチョアがさらりとそう言ったので、レオンは「え?」と受けとめるのをやめて身を翻した。

 巨大な剣が地面に突き刺さると同時に、地面がぱかりと割れ、巨大な奈落が出来上がっていた。

 オチョアが綿あめのように軽々とそれを振るっているから、手応えもそれに似たようなものかと思いきや、まるでそうではないらしい。


「すみません。ご忠告ありがとうございます」


 手で受けていたら、地面と一緒に真っ二つになっていたことは確実なので、レオンはぺこりと礼をした。

 オチョアが返礼のつもりか、二撃目をくり出してきたので、さらに身を翻す。

 その剣圧で、疾風が草原を駆け抜ける。さらに三撃目が飛び、レオンはすれすれで避けた。

 驚くべきことに、オチョアの攻撃のスピードは、先ほどの軽い双剣のときとさほど変わっていない。いや、むしろ速くなっているかもしれない。

 レオンはさすがにやり返さなければと、避けながら手を空にかざした。

 暗黒闘気に魔力を混ぜて固める。インボイの魔王オレステスが使っていた技で、彼はそれで拳や口をつくった。

 レオンは今回はそれを刃にした。オチョアのもつものと同じくらい巨大な。

 レオンはそれで、オチョアの刃を受けとめた。刃同士のぶつかり合いは、激しい衝撃を産み、小さな爆発のようなものが起きた。


「へぇ」


 オチョアは嬉しそうに言った。そして息もつかずに次の一撃を出す。

 レオンは闇の大剣で受ける。ギュンと小さな爆発が起こる。

 ふたりの大剣が幾度もぶつかり合う。その度に爆発の煌めきが起こる。


「なんだこの戦いは……」


 じっと戦いを見ていたアグバは脱力しながら見入っていた。

 反面、同じく戦いを見つめているほうきに乗った少女ビョンキは、むっつりと頬杖をかいていた。

 何撃か剣がぶつかったところでオチョアはひと息を入れて、離れた。

 驚くことにレオンの顔は汗でべとべとになっていた。


「なぁ魔王くん」


 オチョアは突然レオンをそう呼んだ。


「君はこの世に産まれてからまだ1年とたっていないらしいねえ、それでこれだけの力をもっているのは驚くべきことだ……。我々人類が君を排除しようとするのもわかるねえ……」


 オチョアは左手で無精ひげをさわる。


「でも……残念ながら、君はその力を全く生かしきれていない……」


 レオンはその言葉を聞き、じっくりとオチョアを見た。


「……惜しい……惜しいなあ」


 オチョアは一歩踏みだす。そして飛び込み大剣を振るった。

 レオンはそれを受けるが、その衝撃に押される。さらに二撃目もふりかざされ、それを受けるが衝撃に押されてしまう。

 オチョアの攻撃が止まらない。レオンは防戦一方になる。


「魔王くん、ダメだって。そうやってガードだけしてるとこっちは攻めに集中できて楽なんだから。少しは反撃しないと」


 オチョアにそう囁かれ、レオンは大剣をオチョアにふりかざす。


「かと言って、そんなに適当に攻撃したら、俺が有利なだけだよ」


 オチョアは右手を大剣から離し、拳を握る。そしてレオンの腹にその拳をねじ込んだ。

 レオンの顔が歪み、口から息がこぼれた。さらにオチョアの拳はレオンの右頬にめり込む。その重たいパンチにレオンは顔から地面に叩き伏せられた。

 暗黒闘気の大剣は消え、ボールのようにバウンドするレオン。オチョアはそこに大剣を振りおろす。

 一時的に意識が飛んでいたレオンだったが、意識を取り戻し、身体を跳ね上げる。間一髪大剣を避けた。

 が、剣の凄まじい風圧がレオンの身体を切り刻み、レオンの身体から血が噴き出した。


「このままでは……レオンの小僧が殺される……」


 アグバは戦慄した。レオンが殺されれば当然自分たちも勇者オチョアに殺される……。終わりである……。

 が、アグバは思い直した。窮地に見える展開で相手を凌駕する力を見せるのが魔王レオンである。現にインボイでのオレステスとの戦いでも、無事葬れると思ったレオンはあっさりとオレステスを逆に屈服させてしまった。だから今回も……


「がんばれえ、レオン様ぁ!!」


 アグバは小さな子どものようにレオンに歓声を送った。最後に小さく「……私が生き残るために」と付け加えた。

 当のレオンはふらふらで何とか立っているという状態であった。そのレオンにオチョアは大剣を向けた。


「さぁ魔王くん、どうする?さっきの闘気の剣は、アイディアは良かったが、あんまり有効ではなかったな。せっかく闘気で自由に色々な武器がつくれるのならば、もっと色々考えるべきだったな」


「……そうですね……うかつでした」


 レオンはうなだれながら言う。


「まぁ、そんなに落ち込むなよ。まだまだ戦おうじゃないか」


 オチョアは大剣を振り上げる。

 そのタイミングに合わせて、レオンは息をすう。そして言った。


「参りました。僕の負けです」


 …………はあ!?

 そこにいた全ての者が、レオンの言葉に固まっていた。

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