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新魔王がいい人すぎたせいで世界秩序が崩壊しだす  作者: 進藤尚典
〜第4章〜武神勇者蹂躙
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〜第1話〜ゾゾリマの危機、始まり

「で、タカマとかいう大男から何か糸口はつかめたか?」


 ゾゾリマの宰相アグバは、部下に尋ねた。

 レオンがあのホーハムの淫魔姫と鏡の世界に閉じこめられる騒動があったときだ。

 鏡師のシオミという男は綺麗さっぱりとその場から消え、何も証拠を残さなかった……ように見えた。

 が、壊れた鏡の世界からレオンとクリヤが帰ってきたとき、部屋の中心に横たわる大男がいた。

 レオンとクリヤを鏡の世界で襲い、クリヤにボコボコにされた鏡師シオミの仲間であった。

 大男タカマは、厳しい尋問にあい、色々と話を聞き出せる、はずだった……。


「……いえ」


 部下は首を振る。


「やはり、我が王とホーハムの姫を2人で殺そうとやってきた者だ。大きな使命感を持っているはず。何か白状するくらいなら自害するだろう」


「……いえ、奴はめちゃくちゃ質問に答えてくれますね」


「は?」


 アグバは間抜けな声を出した。


「あいつ、見た目によらずなんと軽い男なんだ。じゃあ、もう謎はほとんど究明されたのではないか?」


「いや……質問には答えてくれるのですが……」


 ここで部下は困った表情をする。


「……あの……あいつはどう聞いても『ごお』としか言葉を発しないんですね」


 タカマはひとつ質問をすると、1分ほど「ごお、ごおおおおおお、ごお、ごおおおおおおおおお、ご、ご、ご、ごおおおおおおおおおおお……」と饒舌に話し続ける。

 何か色々と話してくれているらしいのだが、聞いている方としては何一つわからないのだ。


「…………」


 アグバは絶句した。


「困りますよねコレ。あっちは話す気満々なので拷問にかける意味も全くありませんしね。どうします?」


「……そのまま牢につないでおけ」


 アグバはため息とともに言った。

 徒労感とともに頬杖をついていると、オーティズが前に現れた。


「何か用か?」


「……一応、宰相たるお前にも伝えておこうと思ってな。私はしばらくこの国を離れる」


「……?どこに行くというのだ?」


「少し、グルスの方にな」


「グルス?あんな北国になんの用だ?」


「タカマとかいう男から、少しだが糸口を得ることができた」


「なにっ?何だ?どんなことだ?」


「……それはまだ言えん。まぁこの国も危うい立場にある。そう長くは留守にしないつもりだ」


 オーティズはそれだけを言うと、さらりと踵を返した。

 最後に振り返って言った。


「私がいない間にゾゾリマをほろぼしたら承知せんからな」


 アグバを睨みつけるように言った。

 オーティズの姿が消えてからアグバは地団駄を踏んだ。

 なんだあいつは偉そうに。

 アグバはムカっ腹がたってたまらなかった。


「アグバ様っ!!」


 部下が慌ててやってきた。


「……なんだ?」


 アグバはどうでもよさそうに聞いた。


「……、我が国のマクハの港、そしてウラウの砦が落とされました」


「……………………はあ?!」


 アグバは間抜けな声を出した。

 そして矢継ぎ早に言う。


「お前なあ、冗談をいうにももう少しセンスというものがあるだろうが。いったい誰がこんなに早くマクハの港とウラウの砦が落とせるっていうのだ」


「…………勇者です」


「え?」


「勇者…………オチョアです」


 アグバはその名前を聞き、どん底に落とされた気がした。

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