〜第9話〜魔王と鏡の世界の大男
2メートル以上の体躯を持った灰色の皮膚を持った半裸の男が、レオンとクリヤの前に立った。
「ごおおおおおおおおおおおう!!!!」
けたたましい声で吠える男。
「あのおすみません。どなたか知りませんが、この世界が何なのかわかりますか?そして、この世界から出る方法をご存知ないですか?」
レオンは丁寧に聞く。灰色の大男の首がゆっくりと曲がる。
「ごおおおおおおおお!!!!」
大男は腕を振り回しながら向かってくる。椅子や机や燭台をなぎ倒し、激しく向かってくる。
「うわああああああ」
クリヤは涙目になり、扉に手をかける。廊下に出ようとがちゃがちゃノブを動かすが、扉は全く開かない。
「……クリヤさん。さっき散々出ようとしたんですが無理だったんですよ」
苦笑いを浮かべるレオン。きょとんとした顔のクリヤ。振り下ろされる腕。
レオンとクリヤはなんとか身を翻して避ける。
クリヤは涙目で窓に向かうが、窓の外に見える景色は真っ暗。窓も開きそうにない。
「……あのお、落ち着いて話し合いませんか?」
レオンは灰色の大男に微笑みながら語りかけるが、大男は当然振り下ろす腕を緩めようとしなかった。
「おい、タカマ、ルールはどうする?」
急に大男の耳に声が聞こえた。
それは鏡師シオミの声。
「ごおお」
大男は答える。
「そうか【何でもあり】でいいのか。魔王レオンを相手に自信家だなあお前」
ニヤリとした声がすると、部屋の隅に張り紙が現れた。
【何でもあり】
大男の身体から火が噴きだす。
あっという間に部屋が火に包まれた。
「あわわわわわ」
ますますクリヤは焦る。
どうしようとその場所にはへたり込んだ。
その肩を優しく手がかかる。
「クリヤさん、大丈夫ですよ。安心してください」
レオンは一歩前に出る。
「ちょっと危ないんで止めますから」
そう言ってにっこりと笑う。
そして、力をこめ始めた。
「オレステスさん。また技を借ります」
そう言ったレオンの背中から巨大な数本の腕が現れた。




