〜第1話〜恥ずかしがり屋の淫魔姫
世界は魔族の住む大陸と人間の住む大陸に分かれている。
さらに魔族が住む魔大陸は6つの国に分かれており、長い間覇を争っていた。
そのうちの1つ、ホーハムの王マヒルは呟いた。
「ゾゾリマの王レオンか……、大変な男が出てきたな」
たった1日でインボイを征服し、さらに魔族の天敵であったジング傭兵団を壊滅させ、かつてオリクサの魔王を殺した魔王喰いを奴隷にしている。
「この男によって魔の六国は統一されるやもしれん……。ならば……、動き出さねばならん」
マヒルは立ち上がった。
ホーハムの魔族はあまり強くない。しかし、ホーハムがそれでも生き残ってこれたのには理由があった。
「クリヤはいるか」
マヒルは娘の部屋の扉をノックした。
「はい、お父様」
現れたのは、青い眼をし、ふっくらとした胸とぷっくりとした尻をもつ美少女だった。
よく育っておる。
マヒルは笑った。
ホーハムの王族の女は『淫魔』とよばれる。誰もが恐ろしいほど性的な魅力をからだに宿している。
ホーハムが生き残ってきた理由はまさにそれで、この淫魔たちが各国の魔族たちを骨抜きにし、そこをついてきた。
マヒルの一人娘クリヤも18歳となり、すっかり性的な身体つきとなった。
「お父様、そういえば私、またホーハムの『淫魔』として成長いたしました」
クリヤは嬉しそうに言う。
「このえっちな小説、なんと3ページ目までめくることが出来ました」
そう言ってニコニコとソフトな官能小説を見せる。
「顔が真っ赤になるのは仕方ありませんが、まだ18歳にしてこんなことが出来てしまう私はなんてえっちなんでしょう。やっぱり『淫魔』の血は争えませんわね」
どうしてこうなった……。
マヒルは腹のなかで苦笑していた。
ホーハムの淫魔として生まれ育ったクリヤは確かに身体つきは恐ろしくいやらしいが、精神の部分が全く追いついてきていない。
いまだに男とあらば、獣人を前にしても顔を真っ赤にして硬直してしまうし、軽く性的な話を聞いただけで鼻血を出して倒れてしまうこともある。
それでいて、自分が性に奥手な自覚がなく、今のように「私はなんてえっちなんでしょう」とよく自惚れている。
「クリヤ、今日はそんな淫魔として成長したお前がようやくホーハムの役に立つときが来たのだ」
「……」
クリヤはキョトンとした顔になってしまう。
「今からお前はゾゾリマに向かい、魔王レオンを骨抜きにするのだ」
「…………えーーーーーーっ!!!!!」
クリヤは顔を真っ赤にして頭を抱えた。




