〜第5話〜お手伝いとなった女戦士の日常その2
「あっオーティズさん、いらしていたんですか」
ラミアとオーティズの会話をレオンが中断した。
オーティズがかしこまる。
「オーティズさん、ラミアさんですが、なかなか手先が器用でして、より一層花たちも綺麗になりました」
「それはよいことで」
それだけを言うとオーティズはその場を去ろうとした。
ラミアとのすれ違いざまにそっと耳打ちした。
「何をたくらんでいるかは知らんが、レオン様に何かしようとしても無駄だ、私は常にお前を見張っている」
そう言って去っていくオーティズをラミアは一瞥もしない。
「ラミアさん。暑くないですか。お茶に氷を入れて冷やしてきたんですよ」
レオンはそう言って水筒を出す。
「……わからない」
「は?」
「魔王レオン、しばらく様子を見たのだが正直お前がわからない」
「ラミアさん、やっと話してくれたね。ほぼ丸3日間何もしゃべってくれないからどうしようかと思った」
「……そう。今のように邪悪な顔をして口先では人のよいことを言う。正直私はお前のことをはかりかねている」
「……そう言われてもなあ。僕は僕自身のことをよくわからないし」
「正直に言う。実は私はすぐにお前のことを殺すつもりだった。たいてい私に会った魔族は敵意をむき出しにして対面してくるので、即座に殺すことができる。しかしだ、魔王レオン、お前に対しては気が向かない。会ってすぐに茶までくれた」
「……?よく分からないけど、はるばる来てくれた人にお茶を振る舞うのはそんなに特別なことではないんじゃないかな」
「……そのもの言い、わからない。殺意を削がれる。流石インボイを1日で征服した魔王だ。私の想定を遥かに越える陰謀家なのだろう」
ラミアは息をついた。
「悪いがもうしばらくここにいさせていただく。私が受けた指令は一週間以内にお前を殺すことだ。3日後にお前の狙いをちゃんと把握してから殺すとしよう」
「……。さっきから『殺す』って何?ミステリー小説か何かの話でもしているの?」
「逆に私を殺す気になったらいつでも殺そうとしてくれ。そうすれば問題なくお前のことを殺せる」
その言葉を最後にラミアは冷たいお茶をがぶ飲みし、また丸一日間何もしゃべらなかった。




