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新魔王がいい人すぎたせいで世界秩序が崩壊しだす  作者: 進藤尚典
〜第2章〜女戦士蹂躙
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〜第4話〜お手伝いとなった女戦士の日常その1

 魔王レオンが、変な人間の女を奴隷にしたという噂はあっという間にゾゾリマ中を駆け巡った。

 中庭の花園で花の手入れをするラミアという女の様子を宰相のアグバが見にやってきた。


「あの女か」


 腰にレイピアをぶら下げた女が黙々と雑草を抜いている。

 アグバはキヒヒと笑いながらラミアに近づく。


「おい女、お前はいったいどこから連れてこられたのだ」


 ラミアは振り向きすらしない。


「たまにはレオンの相手ばかりせず、私の相手もどうだ?」


 そう言って肩に触ろうとしたアグバの喉元にレイピアが突きつけられた。


「何をする女、奴隷の分際で」


「黙れ、雑魚魔族の分際で」


 間髪を入れずにその言葉が返ってきた。

 アグバは侍従たちを呼んで殺そうと思ったが、レイピアの先に魔力が篭り、女の眼が妖しく赤く光るのを見て、その言葉を飲み込んだ。このままではこの女に刺し殺されると。


「……まぁよい」


 アグバは逃げるように去っていく。

 ラミアは息をつき、レイピアを鞘にしまうと、再び花の手入れに戻った。


「……少し話をしないか」


 ラミアは、また邪魔がと気だるそうに頭を上げた。

 オーティズがそこに立っていた。


「……」


 アグバのときと同じようにラミアは無視をして作業を続ける。


「ジング傭兵団だろ……その紋章」


「っ!?」


 ラミアは思わずオーティズを見上げる。オーティズはレイピアについたツバメの紋章を見ていた。


「魔族とあれば誰それ構わず、手段を選ばずに殲滅する集団……、逆の立場であれば……おおいに共感ができた集団だ」


 ここまで言った瞬間、オーティズの首すじにレイピアがあてられた。

 が、オーティズは笑っていた。

 オーティズの剣もまた、ラミアの首すじにあてられた。


「静かに、殺るときは何も言わずに殺りにくる。ますます立場が違えばおおいに共感ができるやつだ」


 ふたりはお互いの首すじに刃をあてたまま睨みあう。


「数年前、オリクサの魔王が突然死んだことがあってな……」


 オーティズはにやりと言う、ラミアの瞳孔がすぼむ。


「オリクサは当時、今のゾゾリマと同じように力が強大化し、周囲の国を飲み込もうとしていた。その矢先の魔王の死、オリクサはしぼんでいった」


 ラミアの剣先がわずかであるが震えていた。


「世間では病死ということになっていたが、実は違う。オリクサの魔王は殺されたのだ」


 オーティズの剣先に力が篭る。


「『魔王喰い』……にな」


 ラミアは確信した。

 この男は、すべてを知っているのだと。

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