〜第3話〜魔王、女戦士をお手伝いに
オーティズが剣に魔力を込め、赤く光る。ラミアは低く剣先をオーティズに向ける。
そしてお互いが息を合わせて飛び込んだ。
キィン!!
「だから、オーティズさん、ダメですって」
「「っ!?」」
ぶつかったのは2人の剣どうしではなかった。
オーティズの剣はレオンが左手に持った園芸用のはさみに、ラミアのレイピアはレオンが右手に持ったじょうろに受けとめられていた。
2人は後ろに飛びのく。レオンはラミアに頭を下げた。
「すみませんラミアさん。オーティズさんは基本的にはいい人なんですが、いきなり剣で斬りかかる悪い癖がありまして」
「レオン様、何を言っておられます。この女は刺客です」
「……しかく?何ですかそれ?『四角』ではないですよね」
「レオン様を殺しにきた者です」
「……ははははは、そんなぁ」
「何笑っておられるのですか。そうでなければレイピアをぶら下げた人間の女がゾゾリマの城の中庭にいることに説明がつきません」
「いやラミアさんは、花が好きなんですよ」
「……え?」
「僕のつくった花園が気になって、花を持って帰ろうとしたんですよ」
「レオン様、何を言っておられるのですか。百歩譲ってそうだとしても、この女は花泥棒です。処罰の対象でしょう」
「……そうですね、ではラミアさん」
レオンはくるっとラミアの方を向く。
「罰としてしばらく、この花園で花の手入れを手伝っていただけないでしょうか」
「なっ!!」
声をあげたのはオーティズだった。
「レオン様、何をバカなことを……、刺客かもしれない人間の女を正式にゾゾリマの城で召しかかえるなど言語道断……」
「はい、かしこまりました」
「!?」
オーティズが息を飲むと、ラミアが深く頭を下げていた。
「そうですか。よかったです。これからよろしくお願いいたしますラミアさん」
「……人間の女……、貴様いったいどういうつもりだ?」
オーティズの問いに、ラミアは答えようとせず、彼女はそれ以降一言も発しなかった。




