01 初めての竜狩り
戦闘多めです。
「まじか」
あれか、負けイベントか。飛竜ってそこそこ強い設定にしたんだけど。もしかして弱い? 弱くなってる?
そんな事を考えている私を見つめながら、威嚇してくる飛竜。
人より少し大きいくらいのサイズだけど、威圧感が凄い。
あ、向かって来た。飛ばないんだ。
手斧を構える。狙うは眼!
大きく口を開け、勢い良く突っ込んでくる飛竜を掠るように屈んで避ける。攻撃することは出来なかった。
飛竜は其の儘、本棚に突っ込んだ。首が挟まっている。チャンス!
飛ばれると面倒だから、翼を狙おう。
勢い良く走り、まだもがいている飛竜に向かう。
勢い其の儘飛び上がり、前脚の付け眼に向かって振り下ろす。甲高い音がする。切り落とせ無かったし、傷すら付かない。痛がってそうだが。
「やっぱり、眼か皮膜を狙うか」
他に柔らかそうなのは、口腔内ぐらいだが狙いずらい。
本棚を壊して自由に動ける様になった飛竜は、此方を恨めしそうに見ている。やはり、痛かった様だ。
ただ突っ込むのは、得策じゃ無い。意識を逸らせないだろうか。なんか投げれる物………。
本があった。其処らに散らばっている。ダメージは皆無だがこれで良いだろう。
とにかく投げまくる。うざがっている。
それに耐えられなかったのか、空を飛んだ。
いやあれは………。
ある程度の高さを確保すると、翼を折り畳み回転しながら急降下してくる。まるでミサイルの様だ。
地面に近付くと、地面を這う様に方向転換し、此方に向かって来た。
走って避けようとしたが、少し掠ってしまった。左手が弾け飛ぶ。
飛竜はまた上に上がり、今度は後ろ足を構え速度を上げた。キックしてくるつもりか。
そして突っ込んできた。今度は避けられた。
地面にクレーターが出来ている。ミサイルというのもあながち間違いじゃなさそうだ。
降り立った隙を狙い、斧を投げる。
皮膜に当たった。斧は、其の儘身体に向かい派手な音を立て地面に落ちる。
斧を投げると同時に走り出していた私は、飛竜が斧に気を取られている隙に、顔の前に辿り着く。
そして飛竜が此方に顔を向けた瞬間、左手の無い左腕を眼に突っ込む。左手の仇!
少し掻き回して、腕を抜く。少し痛かったが、相手の比では無いだろう。
暴れている飛竜を避けながら、落ちた斧を拾う。
痛みが落ち着いたのか、飛龍の動きが落ち着く。そして、此方に向かって唸ってきた。奴さん相当お冠らしい。
そんな飛竜を他所に、潰した眼の方に走り込み、もう一度眼を狙う。
眼が見えていないからか、痛みが続いているのかは分からないが、さっきから動きが鈍い。顔に行くのは簡単だった。
そして潰した眼を眼掛けて斧を捩じ込む。脳まで届け斧の刃!
そんな事は無く、頭蓋骨に阻まれた。斧は突き刺す為の形状をしていないから、仕方が無い。
其の儘抜くのは癪なので、眼窩の内側から骨を叩き割り、顔に大きな切り傷を付ける。
傷を抉れば、ダメージが入りそうだ。
翼を使って、此方に攻撃しようとして来たので、仕方無く顔から離れる。もう片方も潰そうかな。
思い立ったが吉日、早速行動に移そう。
潰した方の眼からこっそり近付く。さっきから私を見失っている様だ。私を探しているのか、周りを見渡している。相当な間抜けなのか、思考ルーチンがそうなっているのか。
何にせよ、好都合だ。頃合いを見て走り出す。
走る音に気付いたのか、こちらを見る飛龍。
噛みつこうとする飛竜を飛び越え、向きを反転。潰していない眼を、斧で切りつける。これで両眼は見えない。煮るも、焼くも、切るも、殺すも自由だ。
飛竜は滅茶苦茶に暴れているが、避けるのは簡単だ。暴れれば暴れるほど、動きは緩慢になっていく。
反対側の傷跡に向かい、こっちも滅茶苦茶に切りつける。死にかけているのか、抵抗は無いに等しい。
切りつけていると、飛竜は動かなくなってしまった。
もう一息にやってしまおう。と言ってもどうやれば良いのか分からない。ショットガンでもあれば良いのだが。
どうしようかと、しばし考え込んでいると、
【技能:戦士 斧 初歩を習得しました】
【技能:投擲 斧 初歩を習得しました】
【魔石:飛竜 を獲得しました】
【鱗:飛竜 を獲得しました】
【ステータスポイントを 50 獲得しました】
【硬貨:3000 を獲得しました。硬貨合計は 4000 です】
『倒した様だな。驚いた。死ぬとばかり思っていたからな』
アナウンスと共に失礼な事を言いながら、本棚が降りて来た。
いつの間にか死んでいたらしい。
「失礼ですね」
『すまない。実際、倒せるものはそう多くは無いからな。母数が多いから総数は相当居るのだが』
1〜2年前のゲームだしそんな物だろう。
『では、城の街へ送ろう。すぐに着く』
早い。もう少し待ってくれても、良いんじゃないかな。
「じゃあお願い」
『承った。そう言えば君、名前は』
名前か……。そう言えば、初代ISSが墜落処分されたってニュースでやってたな。流石に老朽化が進んでいたらしいからな。よし決めた。
「アイシス」
『そうか、良い名だ。ではさらばだ』
受けなかったらしい。
Q:飛竜は何で動き止めたの?
A:脳震盪でも起こしたんじゃ無い?




