02 妹とお茶会
対談多めです。
「わっ」
目を開けると其処は神殿でした。そんなタイトルのゲームがあった気がする。1000円ぴったしで。
おそらくここは、本棚が言っていた女神様とやらの神殿なのだろう。
それにしても綺麗な神殿だ。清掃が行き届いているし、床も大理石っぽい高そうな石が敷かれている。白と青の清潔感のある内装は、高級ホテルを思わせるほどだ。
「よくこの世界にお越しくださりました、召喚者様」
神殿の内装を眺めていると、神官の様な格好をした
綺麗な女性が話しかけて来た。綺麗な人に話しかけられて、悪い気はしない。
「この街の地図をお渡しします」
そう言って巻かれた紙を、渡される。そういえば、腕が戻っている。やったね。
「ありがとうございます」
「いえ、お礼には及びません。召喚者様達のお手伝いをさせていただくのが、神官としての使命ですので」
神官で当たっていたらしい。まだ若そうなのに、ご苦労な事だ。
そう言えば、妹と待ち合わせをしていたはず。忘れていた。集合時間は決めていないが、早く行くに越したことはないだろう。
「すいません。stoneっていうお店知りませんか」
「その店でしたら、神殿を出てすぐ右手にございます」
「ありがとうございます」
「いえいえ」
案外、近くにある様だ。近くて好都合だ。早速、stoneに向かおう。
「召喚者様に、女神様の祝福が在らん事を」
神殿を出る時、神官にそう言われた。綺麗な人に(以下略。
神殿を出て少し歩くと、洒落た雰囲気の外観のお店があった。吊り看板にはstoneと筆記体で書いてある。
待ち合わせはこの店だろう。
そう言えば、店に着いて気付いたが、妹の名前も顔も知らない。まさか本名其の儘とは考え難いし、顔が現実のままな事を祈るしかない。
意を決して店に入ると、イケメンな店員が声をかけて来た。眼福。
「葉下様でしょうか」
あいつ、名字言いやがった。店員にこんな事頼めるぐらいだから、常連なのだろう。そんな場所で、苗字晒してるんだけど、あいつ。
そこそこ珍しい苗字だし、私社長だから調べれば名前出るんだけど。顔もリアル其の儘だから、身バレするんだけど。
まあイケメン店員の声は小さいし、私の考え過ぎだとも思うんだけど。だけど!
後で説教だな。
「はい、そうです」
「ルイ様がお待ちです。お席へ案内いたします」
「お願いします」
カフェーというよりバーの様な店内を進みながら、奥のテラス席へと案内される。
其処には、とても大きなとんがり帽子が目を引く、何処か黒い印象を受ける少女が座っていた。カップを両手で持ってふーふー冷ましている。頭の上にはルイという文字が見える。
「こちらのお席です」
「ありがとうございます」
イケメン店員は中へと下がって行った。眼福が消えた。
少女はこちらに気付いたのか、私を見て笑顔を浮かべてた。
「おね…アイシスやっと来たね。遅かったよー」
「何で苗字出したの」
「ひぇっ」
私の本気度を感じたのか、妹…ルイは小さく悲鳴を上げる。
「ごめんなさい」
言い訳をしないあたり、本気で謝っている。
「もうしない?」
「しません」
「宜しい。今回は、許してあげる」
「本当にごめんね〜」
「でも、後で説教ね」
「そんな〜」
そう言うとルイは、リアル其の儘の顔で不貞腐れる。
かと思うと、すぐに元気を取り戻しこちらに話しかけてくる。
「アイシスは飛竜倒せた?」
「倒したよ」
「すごいね〜。私倒せなかったんだよ〜」
そう言ってカップに口をつける。
「何飲んでるの」
「ん〜? ココア」
「メニュー表は、あるの?」
「あるよー」
そう言うと、テーブルの下から薄い冊子を取り出す。薄い本じゃなさそうだ。
「これだよ」
そして私に渡す。
「店員さんは?」
「其処のベル鳴らせば来るよ」
ルイが指差した先には、小さなハンドベルがあった。
注文は決まったので、ベルを鳴らす。
鳴らして少しした後、さっきのイケメン店員が来た。
「ご注文は」
「エスプレッソ一つ」
「畏まりました」
そして、店の奥へと下がって行った。
「わかんないことあったら何でも聞いてね」
「じゃあ、ステータスの上げ方は」
「硬貨使ってあげるよ」
ソウルライクみたいな感じか。
確か、硬貨は生物が持つ魔力が具現化した物だったはず。消費需要があるから、硬貨として成り立っている設定だ。
「初心者が弟子入りできる鍛冶屋は」
「じゃあ、後で連れてくよー」
「ありがとう」
「どういたしまして」
丁度、話に区切りが付いたタイミングで、エスプレッソが運ばれて来た。
「エスプレッソでございます」
「ありがとうございます」
とりあえず一口。美味しい。
「払いは私が持つよー」
「当たり前」
「感謝の言葉をぷりーず」
そう軽口を叩きながら、静かな時間が流れていく。
そうして、互いのカップが空になる頃、ルイが思い出した様に話し始める。
「そういえば、私ギルドオーナーなの」
「あんたが?」
「うん。8人ぐらいだけどね」
「有り得ない」
「言いたいことはわかるよ」
協調性皆無、我が道を突っ走る事15年のこいつが?
「オーナーって言っても、お飾りみたいなもんだし、リーダー的な人は他にいるから」
「やっぱり」
「私が言いたいのは、そのうちの1人と戦ってみない?って事」
話を逸らす様に、少し大きめの声で喋るルイ。
「やだ」
「もう話通してるから拒否権は無いよ」
「何だって!」
少しオーバーリアクションで答える。
嫌とは言ったものの、面白そうではある。
HPや耐久力といったステータスがないから、うまくいけば勝てるかもしれない。
「準備できたら教えてねー」
「じゃあ、鍛冶屋連れてって」
飲み物の代金を(妹が)支払い店を出て、歩き始める。
暫く歩き、少し狭い路地裏を通ると、鉄を打つ音が聞こえてきた。
「ここだよ」
「へぇ、ここが」
the 鍛冶屋みたいな佇まいをしている。
中では、背の低いおっちゃん達が鉄を鍛えている。ドワーフ?
「ミラーさーん、お客さんだよー」
「あんだと! 聞こえねぇよ! もっと大きな声で喋ってくれ!」
「客来てんだよー!」
「ちょっと待ってくれ! すぐ終わる!」
カンカンカンカン鉄を叩いているから、聞こえづらいのは仕方がない。
少し店内で待っていると、
「おう、待たせたな。あんたが客かい?」
推定ドワーフの1人がこっちに話しかけてくる。さっき、ルイと話していたから、この人がミラーさんだろう。
「私のーお姉ちゃんのーアイシスでーす」
何故か間延びした口調で、私の事を紹介するルイ。
「どうも、アイシスです」
「そうか、こいつの姉か。俺はミラーって言うんだ。よろしくな」
そう言って、手を差し出してくるミラーさん。
私も、手を差し出して握手をする。力が強い。
「アイシスは弟子入り希望だよー」
「そうか、じゃあ鍛冶場に入ってくれ」
「私は広場にいるからねー」
そう言ってルイは店から出て行った。
Q:自分で設定作ったにしては知らなさすぎじゃない?
A:あくまで世界観しか作っていません。細かいのは他の人が作ってます。知らないのは他の人が作ったので覚えていないだけです。




