広まる百合疑惑
―――三年生二学期―――
このまま何事もなければいいのに。
そう思い続けて何か月がたったのだろう。
あいかわらず、瑠依は俺の周りをうろちょろしている。
一体何が目的なんだろうか。
それより、桜との結婚はどう思っているのだろう。
瑠依は明るくてひょうきんな性格のため、すぐに友達に囲まれている。
女子からも人気で、告白をしたって人が徐々に増えている。
絶対に振られるのだが、その時決まっていうのが、
『俺、好きな人がいるから』
おそらく、桜・・・なんだろう。
◆
「桜、今日一緒に帰ろっ」
「うん」
俺はずっと聡美といる。
移動するのも、何か理由があって離れなければいけない時じゃないかぎり、ずっと一緒にいる。
そんな生活を毎日続けていたら、どこからか、『蒼井桜はレズ』という噂が流れた・・・。
でもそんなことは一切構わず、そして、二学期になった。
◆
「・・・・・・」
「どうしたの? 麗?」
「・・・何でもない」
何でもないとは言っていたけど、麗の目の先には、水野聡美と仲良く話している蒼井桜の姿があった。
最近近くにいて、感じることは、麗が嫉妬しているということ。
その証拠にいつも、桜の悪口をいう。
瑞稀はそれを聞いているふりをしている。
そんな日が何日も続いて、瑞稀は我慢が出来なくなった。
その日の放課後、瑞稀は麗と一緒に教室に残った。
『ごめんね、咲良』
そう心に思って、ついに麗に秘密を明かしてしまった。




