人核者
※こちらは、一般人による完全オリジナルシリーズです。
文脈がおかしい部分もあるかと思います。ご了承いただける方のみ、この世界をお楽しみください。
それでは、行こう、観測者。
蒼穹の空を、ともに見届けて欲しい。
化け物…!!人核者め…!!!ー
ーその罪を…償え!!!!ー
「…はっ!!」
がば、と飛び起きる。清潔感のある治療室。
ーー目を覚ます。
そこは、蒼穹の医療室。まだ空は夜明け前で暗かった。
「はぁ…!はぁ…!」
浅い呼吸。冷や汗が頬を伝う。
"己の犯した罪"、それを忘れさせない、そんな悪夢。
ずっと、ずっと、ここに来てからそんな夢を見る。
「……っ、」
頭を抱えて、煩悶した。
───午前10:23。
ぷしゅー…と扉の開く音。
指揮官「やぁ、こんにちは。」
聞こえてきたのは、穏やかな声。
見覚えのある白銀の髪と、長いコート。
にこ、と微笑んだ指揮官が入室する。
「…指揮官さん、こんにちは。」
蒼穹に運ばれてから数日後、まだ完治というわけには行かないが、会話が出来るほどには回復した。
指揮官「だいぶ回復してきたようだな。よかったよ。」
そう言いながら、ベッドの横に置かれていた椅子に座る。
指揮官「最近はどうだ。具合や、睡眠に支障はないか?」
ぴく…と微かに指先が揺れた。
「……いえ。少し、寝付けないぐらい、です。」
指揮官「…そうか。眠れないのも、仕方ないのかもしれないな。無理をせず、休める時に休んでおくんだよ。」
「…はい。」
そして、手に持っているボードとペンを持ち、
指揮官「さて、これから君の身元を確認させてもらうよ。固くならなくていい。僕が今から聞く質問に答えてくれたら、それでいい。」
安心させるような口調でそう言った。
指揮官「まず、君の名前を教えて欲しい。」
「ハヤテ、です。」
指揮官「うん、ありがとう、ハヤテ。僕は霧楼。よろしくね。」
ハヤテ「…あ、えと、よろしくおねがいします。キリル、さん。」
名前を呼ばれた時、指揮官はふわ、と笑った。
…なんか、少し照れ臭くてくすぐったい。
霧桜「年齢は?」
ハヤテ「…14、です。」
霧桜「ご両親は?」
ハヤテ「小さい頃に、2人とも亡くなってます。」
霧桜「あ…すまない、答えづらかったか。」
ハヤテ「いえいえ!いいんです。両親の記憶、ほぼなくて。」
お互い、あわあわとした表情で、そんな姿がおかしくて、
「…ふはっ、」
つい笑ってしまった。
その後も、質問に答えていった。指揮官がカリカリとボードに記録していく音が、心地いい。
霧楼「さて、次は、君がどこから来たか、なんだが…」
ハヤテ「…!」
血の気が引く感覚。フラッシュバックする、あの言葉。
-化け物!-
手が震えて、呼吸が浅くなる。
その時、手に温もりを感じた。
震えた手に重ねられた手。はっとして顔を上げる。
指揮官は、ハヤテの変化を見逃さなかった。
霧桜「…色々あったようだね。大丈夫、少しずつでいい。ここでは、君の行った事を責める者はいないよ。」
…酷く優しい顔。
後悔が、絡まった糸のように複雑になって気持ち悪い感覚が、ゆっくり解かれていくように、軽くなる。
ぽろぽろと涙が流れる。
ハヤテ「…ぁ……す…みま、せ…っ…、」
霧桜「謝る事じゃない。君のその涙は、きっと悪いものじゃない。」
ふ、と張り詰めた思いが全て、涙として流れ出る。その間、指揮官はただ静かに、タオルを手元に置いて、そこに居てくれた。
暖かかった。
ひとしきり泣いた後、ゆっくり、話し始めた。
地上で、人間の集落で暮らしていた事。
人核者という理由で、様々な声を聞いた事。
話し終わるまで、指揮官は静かに耳を傾けていた。
霧桜「うん、そうだったのか。話してくれてありがとう。」
優しく頭を撫でてくれた。…子供扱いのようで少し恥ずかしい。
すると、指揮官の表情が、少し真剣になる。
霧桜「じゃあ…ここからは、答えたくなければ、答えなくていい。君に、なにがあったのか、教えて欲しいんだ。」
心臓が、と締め付けられるような感覚。ぎゅ…とシーツを握った手は、汗が滲んで、震えている。指揮官は、俺から目を離さなかった。落ち着くまで待って、深呼吸をする。そして、声をつまらせながら、話した。
--決して集落から離れた場所ではない力仕事。瓦礫を退かし、物資を調達。
ハヤテは親も住まいもなかった。なので、住み込みで働いていた。年齢もあり、力も少なく、よく監督に叱られた。人核者でありながら、誰よりも役に立たないと。
ここの集落の人間は、人核者を良く思わない者が大半だった。
「感情が乱れれば暴走し、害をなす。
そんな危険な者を集落に置くな、追放しろ」
という考えが多い場所だった。
しかし、能力さえ目覚めれば、人より並外れた能力が得られる。
ハヤテ「…監督は、それを期待して置いててくれたんです。」
霧桜「…。」
ハヤテ「そんな中、1人だけ、俺に優しく接してくれた人が居たんです。」
そして、友人の事を話した。
ハヤテ「俺の友人は、仕事も早くて、周りの人にも気に入られてたんです。それだけじゃなくて、人核者である俺にも、優しく接してくれた。」
-君が人核者だから、なんてのは関係ないよ。ハヤテはハヤテ。君は誰よりも優しくて、誰よりも強い。こんなに頑張ってる君を笑う奴の方がおかしいんだ。-
そう言って、ぽんぽんと肩を叩いてくれた。
ハヤテ「…あいつがいてくれたから、辛くても、頑張れたんです。」
顔が少し綻ぶ。しかし、一気に顔色が暗くなった。
ハヤテ「…あの日は、」
近頃、謎の影が見える、との噂が立っていた。
そして、その影が現れた次の日、物資が荒らされている。害獣か…対策を…そんな話で持ちきりだった。
ハヤテは友人と共に配置された場所で、仕事をしていた。
その日は曇っていて暗かった。
ふと、奥の瓦礫に、何かの影が見えた。
なんだ…?そう思って、近づいて、少し覗いた。
バッ!
その影が、ハヤテに向かって凄まじい勢いで飛んできた。
突然の事で、訳が分からなかった。
ドン…
体に衝撃が走り、鈍い音が響く。
ハヤテ「…ぅ、え…?」
ハヤテは…目の前の影とは、別のものに押された。
ふと、前を見ると、
ーそこには、倒れて血を流す友人の姿と、得体の知れない、化け物が居た。
そこで全てを悟った。
庇ったんだ。友人が、俺を庇った。
ハヤテ『…ぁ…ぁあ…!』
化け物は、ハヤテに向かってゆっくり近づく。
ハヤテ『…あ、…や…め…近づくな…!!や…めろ…!!』
動けない。足がすくんで、身体が震えて、どうして。どうして俺は動けないんだ。
人核者でありながら、能力すら目覚めない。
ただの、非力で…無力な…
ハヤテ『…嫌…だ…!』
嫌だ。嫌だ 嫌だ 嫌だ。
こんなにも無力な状態で終わりたくない。
人核者なんだろ…俺は!
ハヤテ『人核者なんだろ!!!俺の意思に応えろよ!!!』
そう叫び、手元にあった瓦礫を化け物に向かって投げる。
ガン!
その音と共に、化け物が一瞬怯んだ。
ハヤテ『俺の…友達に!近づくなぁぁ!!!』
ドクン…と、鼓動が強まった。胸のあたりが、全身が、熱い。不思議な感覚に包まれる。
守る…!
その意思に応えるように身体が動く。
己の体よりも、大きな瓦礫に手がかかった。
ガラガラ…!
と、大きな瓦礫が持ち上がる。
ハヤテ『うああ"あ"あ"あ"あ"!!!!!』
力の限り、化け物に目掛けて投げつけた。
その力は、人間を遥かに超えるほどのものだった。
ドガァァン!!
とてつもない速度で向かってくる瓦礫は、化け物へ激突する。その重量に耐えられず、轟音とともに廃墟の壁へ叩きつけられた。
ーギァァアエエェエエエ!!!!!ー
重い瓦礫が上へ被さり、動けずに叫び声を上げる。
ハヤテ『…はぁ、!…はぁ、!』
肩で呼吸をする。胸のあたりの熱い感覚は、次第に消えていった。
(…今の…力は…なんだ……?)
はっと我に返り、すぐに友人に振り返る。
ハヤテ『…おい!!』
急いで駆け寄って、必死に声をかけた。
ハヤテ『おい!返事をしてくれよ!なぁ!』
友人からは、何も反応がない。
どくどくと、腰から流れる大量の血。
血の気が引く。
着ていた服を破り、患部を抑える。
血が…止まらない。温もりが逃げていく。
ゴロゴロと雷がなり、雨が降り始めた。
ハヤテ『嫌だ…嫌だ!誰か!!誰か来てくれ!!死にかけているんだ!!俺の…!!友達が…!!頼む!!助けてくれ!!誰か!!来てくれぇぇ!!!!』
必死に、叫ぶ。騒ぎを聞いた人達が来た。
監督も、来ていた。
-…ロイ?ロイ!!!-
監督が駆け寄る。その他の人達も、俺を構わず彼を囲んだ。
呼吸が浅くなる。
このままだと、友人は死ぬのだろうか。
必死に抑えていた手を見る。
友人の血で真っ赤に濡れていた。
死ぬ。
たった一人の友人が。
恐怖で鼓動がはやる。呼吸が、浅くなる。
ハヤテ『は…早く、助け…ー!』
-お前が、やったのか?-
時が、止まった。
叩きつけるような雨の音が、聞こえない。
その耳に聞こえたのは、…冷たく鋭い、監督の声だった。
-…お前だろ、人核者…!お前が、やったんだろう…!ロイを!!!殺したんだろう!!!
ハヤテ『…は?』
-そうだろう!何か言ったらどうだ!その血で汚れた身体で!どう言い訳する!-
ハヤテ『ち…ちが、う…違う!俺じゃないんだ…!突然、化け物が現れて、!』
-嘘をつくな!化け物は…お前だ!!人核者!!-
周りの人間達全員が、ハヤテを見て責め立てる。
化け物。人殺し。
そんな言葉がハヤテに向かって投げられる。
恐怖で顔が引き攣った顔。
怒りで感情を抑えられない顔ばかりだった。
ハヤテ『違うって言ってんだろ!!化け物が!今そこに、』
そう見やった先。ハヤテが飛ばした瓦礫の下の化け物は、忽然と、居なくなっていた。
-やはり化け物だったか…!醜い種族が!!-
ハヤテ『違う!俺は化け物じゃ、!』
-こんな事になるなら、早めに始末するべきだったんだ!-
ハヤテ『え…?なにを、言って…?』
-人核者が!!人の恩義すら忘れて人殺しまで!!!お前ら種族が!!人間を名乗るな!!汚らわしい!!!化け物があああ!!!!!-
涙を流し、怒り狂った表情でハヤテを見る監督。
-人核者め!その罪を償え!-
殺せ。殺せ。
至る所から聞こえる。
そこで、全てを察した。
己に向かって、振り下ろされる斧。
ここは、この世界は、
ハヤテ『ま…ま、…て、話をー!』
────地獄だと。
雨が、叩きつけるように酷く降りしきる。
立ち尽くしている1人の少年。
身体中には、血。しかしそれは、己のものでは無い。
真っ赤な手が、雨によって洗い流される。
あたり1面には、
大量の"死体"が転がっていた。
見渡す限り、見慣れた顔。既に、生の気配は、途絶えている。
ぱしゃ…ぱしゃ…
ゆっくり…歩き出した。逃げなければ。遠くへ。遠くへ。この…地獄から。
そうして、無我夢中に逃げた。失った友人から、己の犯した罪から。全て。
空は、黒く暗く、歪んでいた。--
ハヤテ「そうして、気づいたら、我を失って…それで…」
霧桜「…。」
言葉を、失った。こんなにも辛い経験をしてきた、たった14歳の少年。ぐ…と拳を握る。
霧桜「……辛かったな、ずっと。」
伝えられる言葉は、それだけだった。それだけでも、充分だった。
ハヤテ「…っ!……つ、ら…かった…っ、ずっと……、ずっと……!!!」
震える小さな背中。そこに課せられた大きな罪。今にも押し潰されそうだった。
優しく引き寄せ、抱きしめた。
言葉の何一つ、出てこない。ただひたすら。抱きしめ続ける。
ハヤテは驚いたが、指揮官の温もりを、じわじわと感じ始める。
また1つ、また1つと、ぽろぽろと涙を流した。
縋り付くように声を上げて。
それは、たった一人の少年のように。
部屋中に響く声。
気分が落ち着き、次第に泣き止んだ。とんとん、と、背中を優しく叩いていると、すぅ…すぅ…と、規則正しい寝息が聞こえてきた。静かに、ベッドへと寝かせる。
霧桜「…おやすみ。今は、ゆっくり休むといい。」
静かにそう言って、部屋を後にした。
コツコツ…と、通路に響く足音。足早に歩くスピードに合わせて、さらりと白銀の髪が揺れた。
【指揮官室】
ウィン…。
静かに開く扉。
奥の椅子に腰掛け、机に腕を立て、頭を抱える。
彼は、その集落にいた時の間、どんな気持ちだったのだろう。
彼の話を聞いて、引っ掛かることがある。
まずひとつ。
どうして、人核者を嫌う人間達が、人核者であるハヤテを集落に置いたのか。
そして、もうひとつ。
なぜ、"ハヤテ自身"の口から、友人の名前が1度も出ていないのか。
考えたくはない。
が、恐らく、その集落の人間達は、それだけで彼を置いていた訳ではないのだろう。
そうでなければ、彼は既に追放されている筈。
きっと、秘密裏に動かしていた、別の目的。
それは、彼、そして自分達が持つ、"核"。
それは、今の混沌とした地上の上では、希少な鉱石と同義。
故に人間の間で取引されるものでもあった。
核は、個人によって異なり、唯一無二の色、形、模様が浮かび上がる。
それを展示品のように保管する者もいるそうだ。それだけでなく、
能力が目覚めると、更に高値で取引される。
まだ人間には、奪った核の能力を運用する技術はない。しかし、目覚める前の薄いその色は鮮やかになり、更に希少性を増すのだ。
きっと、それが狙いだったのかもしれない。
ハヤテの友人は恐らく、彼の言う"監督"の息子。
ハヤテと信頼を持った事をいい事に、利用していたのかもしれない。
能力が目覚めていないハヤテを油断し、招いた結果、といったところだろうか。
霧桜「…あくまで、推測だが。」
コンコン…
扉の叩かれる音。
霧桜「どうぞ。」
入室を許可し、ウィン…と扉が開く。
ノエ「指揮官、現在療養中の人核者についての会議を行うそうです。ブリーフィングルームへ移動を願います。」
霧桜「…了解した。」
立ち上がり、ジャケットを整え、ブリーフィングルームへ向かった。
【ブリーフィングルーム】
霧桜「これより、ブリーフィングを開始する。
本題に入る前に、人核者について、改めて確認をしよう。」
■ 『人核者。』
「核」を持つ者に対して付与される国家登録上の称号。
能力の有無にかかわらず、核の発現そのものが認定基準となる。
蒼穹、中央管制局・人核者管理局(CACC)による認定後、精神安定性・核制御適性などの審査を経て、軍事・医療・技術などの各部門へ配属されることもある。
■『核。』
人の精神・生体反応に由来する“共鳴エネルギー”を媒体とし、特異な干渉作用を発揮する内部因子。
主に「心窩中枢」と呼ばれる箇所に宿る。
(心窩中枢:心窩部に形成された、核を宿す器官。)
約30年前に発見された「共鳴因子」を基に、観測技術の進化と共に定義された。
核を宿す者は「人核者(じんかくしゃ:core holder)」と呼称され、蒼穹内において特殊登録される。
▫核発現の歴史
約30年前、特定地域にて広域共鳴現象が発生。
その影響により、当時の蒼穹国民の一部に、精神干渉・異常活性といった共通症状が出現。
調査により、一部の個体に共鳴エネルギーを蓄積・制御する器官的構造が確認された。
以降、「核(かく:core)」と呼称され、研究および制御法の開発が進められている。
霧桜「人核者の名前は、ハヤテ。年齢は14歳。地上にて、人間の集落で暮らしていた。そこで彼は、エネミーに出会い、その結果核変化を起こし、ノイズ化した。」
■『エネミー ー亡核者ー。』
それは、抜け殻のように、様々な形状をした個体の中央、本来そこに核を保有する心窩中枢にぽっかりと穴が空いた姿をしている。
その正体は、
核を失った人核者の末路。
人核者が生きながらにして核を失うと、人の形を保てなくなり、エネミーへと変貌する。
共鳴エネルギーに強く反応し、人核者を襲う特徴がある。
それはさながら、失った核を求めて彷徨い続ける亡者。
エネミーと化した人核者を救う方法は無く、敵対象として排除する。
■『ノイズー壊核者ー。』
ノイズとは、核が制御不能となり、自己破壊に陥った人核者の事。
人核者の核の異常により進行する。
核の異常 :人核者の意思とは関係なく、核が暴走を起こしてしまう状態の事。
主な要因として、
▫感情の暴走 :強烈な怒り、悲しみ、恐怖など、自己制御出来ないほどの感情による核の異常活性化。
▫自己否定/自己崩壊 :自我の破壊により、"人"としての境界が崩壊し、制御を手放す状態。
▫薬物 :適切な管理をされていない薬などによる、核安定の崩壊。
▫ノイズ化抑制剤の断絶 :核を安定化させる薬の断絶
▫外部干渉/核干渉 :他の核からの悪質な共鳴により、制御を奪われる干渉、機械的に核異常を誘発させる干渉。
▫人体実験の失敗 :古い研究施設、非公式の開発区域にて発生した事例。
ノイズ化は、4段階に分けられていて、それぞれの発症、治療方法が異なる。
進行度は、視界に映る世界(空)が変化し、進行が進む度に歪み始める。
▫フェーズ.1
軽度共鳴異常
イライラや恐怖などの、負の感情のコントロールが効かない状態。(空がくすんで見える)
会話などの、心を落ち着かせる方法で対処可能
▫フェーズ.2
中・重度共鳴異常
明確な暴走兆候。攻撃的になり、自身の行動の制御が効かなくなる。(世界が歪み、空が暗くなる/変色する)
安定剤、または拘束により沈静化。
▫フェーズ.3
核暴走
自我を失い、肉体が変化を起こし、核の暴走による破壊衝動に陥る。
(空が禍々しく、醜く歪む)
強制的に沈静化、一時的制圧。後に安定剤を投与。
▫フェーズ.4
ノイズ(壊核者)
回復不能。敵対象として排除。
(闇の世界/醜く禍々しい空)
リト「エネミーと遭遇、その後 核変化、か。感情を奮起させる何かがあったって事だな。」
■『核変化。』
それは、人核者が能力に目覚めることを言う。
▫成長段階で核変化を起こす場合
・主に核と身体が共鳴する瞬間
・身体の成長に伴って変化
・感情の急激な切り替わりによる変化
・その場の環境に合わせた変化
そしてもう1つ、
▫生まれながらにして能力を出現させている場合
この2通りがある。
主に変化の分類として、
▫1.身体構造型
身体の構造そのものが変化し、常人を遥かに超えた身体能力、特異な器官を得る。
▫2.能力覚醒型
火、水、風などの自然エネルギー操作、五感や精神への干渉操作、電子機器に対する直接干渉など、外的作用を発現する。
▫3.環境順応型
温度や重力、本来人体に害のある場での環境に順応する。
生存能力に特化し、戦術環境でも、汎用性がかなり高い。
▫4.感情連動型
感情によってその能力を一時的に発現させる。能力維持が不安定な代わりに、爆発的な能力上昇を引き起こす可能性が最も高い。
▫5.継承、異常型
一般部類に属さず、極めて特殊/異質な能力。3つのタイプに分けられる。
・継承型 :特定の血筋で発現する能力。遺伝により伝達し、受け継がれていく。
・(禁忌)融合型 :複数の核を取り込み、混濁した状態。現在、倫理上危険視され、軍により厳重管理、公式的データには抹消されている。
・身体影響型 :自己への負荷がかかりすぎる故、身体劣化、場合によっては寿命にも影響を与える。
現在の研究によると、基本、この5つの分類で核変化が起きる。
しかし、核変化後、更に独自の能力へと変わるケースも存在する、などの予想も立てられている。
ノエ「この場合だと、身体構造型、感情連動型の可能性が高そうですね。」
霧桜「ああ。しかし、それは彼の身体検査を行ってから、判明するだろう。」
リト「とりあえず、これ以上のノイズ化の再発は、無さそうなんだな?」
霧桜「今のところは。核は安定して、身体を休めている。」
リト「おう、よかった。なにより、子供のノイズ化ほど、見てて堪えるもんはねぇよ。」
椅子を傾け、天井を見上げながら言う。言葉にはしないが、誰よりも心配していたのは、言わずもがなリトだった。
ふ、と微笑みながら、目を瞑って、
霧桜「あぁ、そうだな。」
そう答えた。




