確認したくない!
起きると目の前に美少女の…の形をした弟が居た。
一瞬だけ罪悪感に襲われたが男なんだコイツ。酒に潰れて一緒に寝ても問題は無いんだ。
時間が見れるものを探すと弟のスマホ画面が目に入る。電池が切れそうにもロックされない、不用心なスマホ。
「配信は…切れてるな」
躊躇無く手に取り、ついでに時間を確認する。
「……『いふ』?」
アカウント名を呟く。そういえばコイツの名前聞いてなかったな。興味なかったし。
「お兄さん…?」
「おはよう いふ」
「…はっ!また寝落ちしてた!みんなごめんね…ってアレ?」
「スマホあっつ!?」
「ボクの!勝手に見たの!?」
ふすまを覗くどころか、勝手に入って一緒に寝るまで酒飲んで勝手にスマホを見た。鶴もビックリだろうな。
「いじわる……!」
いふは走って部屋を出た。まぁしょうがない。一旦洗濯物でも干すか。
「おえぇ……」
トイレから聞こえる呻き声。あんなに酒飲んで急に走ったらそうなるよな。わかる。
「お兄さん……水流れないんだけど…」
「やっべ水道止められたかも」
「最悪……」
洗濯物妙に乾いてるのもそういう事か。俺はいふの姉に電話して、何とかして貰った。
「僕はいふ!名乗ったからお兄さんも!」
「俺はそのままでも……」
「教えないと変なあだ名つけるよ」
「好きに呼べ それが俺の名だ」
「『もちもちほっぺの高級プリン』!」
「名前!?名前なのかそれ!?」
「縮めてもちもちプリンね!」
「もういいよそれで…」
「じゃあ行こっか!お兄さん!」
「……おう」
すぐに水道は復帰しない。近くの銭湯に出向く事になった。
「銭湯初めて!入り方教えてね!」
「それは叶わねぇな」
「何で!?」
「お前が入ってる間 俺はコインランドリーで晩酌するからだ」
「もっと何で!?」
例え男だとしても裸を見せるつもりも無いし見たくもない。知らないからこそ可愛く見えるんだ。シュレディンガーもそう言っていた。
「一人じゃ心配だよ…」
「角刈りに聞けば?」
「それは絶対嫌」
「無念…」
「何で居るの!?!?」
角刈りメガネは常に見ている。そう、あなたの後ろにも。




