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まおまおたうんず!!  作者: 蒲焼き戦線ドハザーモン


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6/7

まおまおの意味

 「タイガー、タイガー」


 「んー、今日はちゃんと早めに起こしてくれたか?」


 「いや、今日休み」


 パリパリ何かを食べる音。


 「お前人間とか食ってねぇよな!?」


 ガバッと本能的に起き上がる。


 「なんだ」


 見ると、俺の残したポテチを動画を見ながら食べていた。


 ただのジジイじゃねぇか。


 「なんだ、レイ」


 「ん?見てよ」


 レイの見ている動画は、町中でプロが素人の喧嘩自慢と戦ってみたという動画だ。


 「お前もドパ民?」


 「いいや?

 人間って愚かだなぁって」


 ──ぎくッ。


 「へ、へぇ」


 そろーりそろーり。

 俺は静かに部屋から出ていこうとすると、小さい体が俺の方を向く。


 「ドパガキタイガくんは見ないの?」


 「やめろ、今ディスられて恥ずいんだから」


 「ハハーン、タイガはコレが好きなんだ?」


 したり顔で顎に銃ジャスチャーで置いてる。


 「あぁ、そうだよ」


 そう言って俺は部屋から出て、朝の支度。

 終わったらそのまま朝食と、夕方から塾なので、俺は急いで課題を終わらせねばならん。


 「タイガは大変だなぁ」


 朝食後、パソコンを見ながら俺のノートをチラ見しては可哀想な物を見る目で言われてしまう。


 「レイは勉強なんてするのか?」


 「しないよ?」


 「だろうな」


 塾のテキストをペラっとめくる。


 「だってボク、最初から頭いいから」


 思わず手が止まる。


 「何?」


 「悪魔だよ?

 最初から頭が良いに決まってるじゃん」


 「⋯⋯なんて羨ましい生き物なの!?」


 こっちは毎日勉強してはその日の復習をして生きてるのに。


 「だから人間観察をするんだよ。

 どうやって乗り越えたり、どうやって人生と向き合うのかを」


 あ、素人の喧嘩自慢がぶっ倒れた。


 「強いって良いことなのかなぁ?」


 ちっせぇのに。

 ぬいぐるみみたいに可愛らしい背中だが、中身を知っていると怖さもある。


 だが、こんな大悪魔様がそんなことを言うとは少し意外だ。


 「良い事だろ」


 「なんで?」


 「なんでって。

 

 まぁ、自分を守れるし、何より人として格みたいなもんが高く見えるって加点ポイントだろ?」


 だが、コイツは傾げたまま納得していない。


 「今の俺を見てるだろ?

 まぁ、虐められてるところを見たことがないから分かんないだろうけど」


 「そうだね。

 イジメられてるんだ?」


 「理由は知らないけどな。

 このヤンキーはマシだ。


 真正面で挑んでくる。

 昔ながらの不良って感じ」


 「そうなの?」


 「今は、SNSとか使って、陰湿に、自分が不良とみなされていないところからチクチク攻撃してくるだけで何も真っ直ぐじゃない。


 それに透けて見えるのがキモいんだよ。


 自分はやってませんと言いながら、周りの誰かにやらせて蜥蜴の尻尾切りみたいに動かして。


 でもやりたい事はやって、欲しいものは手に入れる。


 ⋯⋯それが物凄い気持ち悪いよ」


 「ふーん。

 そうなんだ」


 ポテチがなくなったと催促してくる。

 コイツに燃費があるとは思わんかった!


 「お前なぁ⋯⋯」


 「大丈夫、今だけだよ!」


 笑って持ってこいとドヤ顔のコイツに、俺は戸惑う。


 「今だけって?」


 「ふふん、大丈夫って事! 

 貰ってきてよ!」


 「偉そうに⋯⋯。

 あ、偉いのか」


 帰ってくると、レイはまた別の動画を見ている。


 「ほい」


 「わぁー!

 ありがとう!タイガ!」


 イイ感じにこき使われてる人間。

 まぁ生き恥だな。


 「はいはい。

 楽しめよ」


 







 そして昼前。

 

 「終わったー」


 疲れた。

 もうやりたくない。

 てか塾に行きたくない!


 「ねぇタイガ!見て!」


 レイがスマホを指してる。


 「なんだ?」


 まぁアプリ関連だろうけど。


 「ゴブリンが繁殖したよ!」


 「おおっ!マジだ!」


 ──初めての繁殖!


 「お、なんか貰えるっぽいな」


 「うん!

 魔物が繁殖したり、最初の繁殖に成功すると繁殖ボーナスが付くんだよ!」


 「なるほどな!?」


 ──ボーナスにつきまおまおポイントを3ポイント獲得!


 「多いのか少ないのかわかんねぇな」


 「多いよ!

 基本的には1がほとんどだから」


 「おー、なるほどなぁ」


 そういや拠点ってなんだ?


 「レイ、この拠点ってなんだ?」


 「あー、これはね。

 まだ内緒」


 「内緒!?嘘でしょ!?

 俺とお前の仲じゃん!」


 「だからじゃん!

 絶対知らない方がイイって!」


 「良い意味で?」


 「もちろん!いい意味で!」


 キラッキラな瞳してやがるな、コイツ。


 「分かった。

 それじゃ、まおまお⋯⋯」


 そこで俺は気がつく。


 「これってもしかして、魔物しか置けねぇ!?」


 「え?今気が付いたの?

 タイガってやっぱり馬鹿なんだ」


 「え?

 まおまおたうんずじゃ分からねぇだろ?」


 「そ、そうだネェ」


 苦笑い頂きましたぁ!

 ⋯⋯っ、悪魔に馬鹿にされる人間って。


 くそ!恥は一瞬、成長は一生や!


 「ええい!

 今このポイントは何に使うべき?」


 そう言うとレイが真剣に考えてくれている。


 「一先ずタイガの事は把握してるから、その傾向で行くと魔物を繁殖させていくのと並行で新しい魔物を配置していくのが良いかな」


 「俺の傾向?」


 「うん。

 言ったでしょ?

 タイガには楽しい事がいっぱいだって」


 真剣なレイの顔付きに思わず俺もどうしたらいいのか分からず適当こくしかなかった。


 「悪魔の癖にちゃんと考えんなよ」


 「うわ、タイガ素直じゃない!」


 「どん引くなよ!」


 「ほら見て、またゴブリンが繁殖したよ!」


 「ヤリ過ぎだろ」


 ──2日で四体のゴブリンが誕生!


 「へぇー、ちゃんと生活してるやん」


 ドット絵ながら、彼らの生活住居がしっかり見える。


 何をやっているのか、彼らの一日が見て取れる。


 「こいつら人間みてぇ」


 「まぁ、知能が大幅に低い人間みたいな感じだしね」


 しっかり雄と雌のゴブリンが役割をこなしてる。


 人間よりもしっかりと。


 「あっ!」


 ゴブリンがどうやら食事をしようと狩りに向かった。


 しかしうさぎに逃げられてしまう。


 「「あぁ⋯⋯」」


 んっ。

 思わずコイツと反応が一緒で目が合う。


 「「ぷっははははは!」」


 なんだ?

 久しぶりにこんな笑った気がする。


 「見た今の?」


 「あぁ、ウサギ逃したな」

 

 すげぇリアルだなぁ。

 だがゴブリンは諦めずにトライしてる。


 「違う違う、しっかり足音隠せ⋯⋯」


 ドン、と。

 しっかりドタバタしながら狩れないゴブリン。


 「「あぁ⋯⋯!」」


 そんなこんな時計を見上げると。


 「うわ、もう15時だ!」


 「もう?」


 「クソ、とりあえず行くぞ!レイ!

 まおまおたうんずは帰ったら"また"やろう!」


 「⋯⋯ふふ、うんっ!」


 ──なんで笑ったんだ?

 アイツもそんな顔するんやな。

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