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[GEAR HEAD]  作者: 地位分沢口
第二区画
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49/50

鉄のシュプレヒコール

—鉄のシュプレヒコール—


装甲師団、仮拠点にて、地下内部はオレンジの照明が微かに空間を灯し、ドラム缶の火が乾いた音を立てていた。この空間はギアヘッドたちで溢れている。一人、黒のスーツを着た人間の女が話す。

「まだ?ロジックは」

ギアヘッドの一人が、その女の問いに応える

「もう暫くだ、神原、貴様はナマモノの分際でその口の利き方を矯正されないことに感謝していろ」

女が素っ気なく応える

「あっそ」

 神原と呼ばれたスーツの女は懐から電脳端末を取り出した。

 カチ

 カチッ

「くそ、妹から連絡が来ない…」

カツンッ

 カツンッ

 カン…

 階段から硬い足音が地下室に弾けるように

 鳴り響く。一人のギアヘッドが降りてきた

「もうやってるか?」

神原と話していたギアヘッドが敬礼のポーズをとった

「ロジック指揮官に敬礼!!」

 他のギアヘッドたちも続いた

「まだはじめておりません!」

 ロジックは地下の壇場らしきところに歩いていく。どこか呆けたような、気力のないような歩き方で壇場に近づく。

 カツッ

 部下のギアヘッドはロジックの横に立ち

 壇場を見つめる大勢のギアヘッドに話し出した。

「「いいかッ!!俺たちぁはッ!!栄光に満ちているッッ!!俺たちはッ図書館制圧へ繰り出すッ!!これよりッ!ロジック指揮官より演説を――

ブン

 ブン

「抉れ、抉れ、抉れ」

 ロジックが俯きながら呟く、義手を上に振りながら。横にいたロジックの部下が

発声器から声を漏らす。虚を疲れたように、

先程とは打って変わり、小さな泡が弾けたように、えらく小さな声で

「あっ」

それを尻目にロジックは続ける。

「抉れ、抉れ、抉れ、我ら鉄の軍勢なり。進め、進め、進めナマども滅ぶまで」

他のギアヘッドが発生器を震わせロジックに合わせ始めた。

 「「抉れ、抉れ、抉れ、我ら鉄の軍勢なり。進め、進め、進めナマども滅ぶまで。抉れッ抉れッ抉れ我ら鉄の軍勢なりッ進めッ進めッ進めッナマども滅ぶまでッ」」

沈黙が続く、圧力を高めるために。さらに力を溜めるように沈黙は続いたやがてロジックは義手を力強く前に出し、声を、シュプレヒコールをこの地下室に響かせた

「「「ウラァァァァァァァアアッッッ!!!!!抉れッ抉れッ抉れ!!我らッ鉄の軍勢なりッ!!進めッ進めッ進め!!ナマども滅ぶまでッ!!抉れッ抉れッ抉れッ!!我らッ鉄の軍勢なりッ!!進めッ進めッ進め!!ナマども滅ぶまでッ!!」」」」

「うるさ…」

ロジックとギアヘッドたちは発声器から怒号を響かせる。地下内部は揺れているような

熱狂に包まれた。神原は腕を組み、半ば顔を引きつらせながら隅で脱力し、装甲師団の怒号を立ち尽くしながら聞いている。シュプレヒコールは鳴り止まない

 「「「「抉れッ抉れッ抉れッ!!我らッ鉄の軍勢なりッ!!進めッ進めッ進め!!ナマども滅ぶまでッ!!抉れッ抉れッ抉れッ!!我らッ鉄の軍勢なりッ!!進めッ進めッ進め!!ナマども滅ぶまでぇッ!!この命ッ!尽きるまでぇぇッッ!!骨が焼け落ちるまでぇッ!!ウラァァァァァァァアアッッッ!!!!!」」」

装甲師団は義手を上に掲げ、雄叫びを上げた。

「おぉぉぉうぉぉぉぉお……」

 ロジックの部下の一人は少し弱い声を

発声器から出し、義手を上げる

「うぉぉ」

 神原は脱力している。


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