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[GEAR HEAD]  作者: 地位分沢口
第二区画
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50/50

車列

 ――車列——


 カチャ

 カチ

 カチャ

鵺部隊員の一人が重機関砲のマガジンに銃弾を詰め、祈りの言葉を呟いている。

「我が死後に貴女の苦痛が癒えますように…」

住宅街での戦闘は終了し、セイウチたちは皆、制圧されていった。鵺部隊の後ろに続いていた、二人の整備兵は共に、重機関砲とわたしの骨格の整備をしてくれている。

「クリームパイも顔も浮かばれますよ。こっちの運用者はクリームパイとか――

 

整備兵の言葉を遮り、鵺部隊員が二人ほどドスの効いた声で整備兵の声を遮る。

「「断じてない」」

まるで風が斬られたような声だ

カンカン

指揮隊長がわたしの骨格をリズムよく叩いた

「よくやった運用者」

それを見た部隊員の一人が端末で地図情報を見ながら指揮隊長を戒めるように咎める

「整備中ですよ隊長」

指揮隊長は栄養食を食べながらその部隊員に太々しく応える

「うるせーよ」

「随分な威厳を醸してるじゃねぇか

 隊長さんよ」

 中隊長が指揮隊長をニヤリ見つめて

 揶揄うように呟いた。指揮隊長は中隊長の腹を見て、眉を上に上げ、言い放つ

 「あんたはメタボで弾丸弾けそうだよな」

指揮隊長の悪態に中隊長は意表をつかれたのか声を荒げる

 「言うじゃねぇかッ!?」

カァンッ

 住宅街にぽつりと鈍い音が小さく、だが鋭い音が鳴り響いた

「いてぇッ!」

 北極星中隊の兵の一人がセイウチの頭部を蹴っている

「ざぁまぁねぇよスクラップども

 地獄でよろしくしてな」

サッカーをするように、

無数の虫を潰すように頭部を蹴り続けた

「こいつらなんて叫んでた?」

 また頭部を蹴る、もう一人参加した。

「あぁ〜ままぁぼくちんたちおめしの替え方わすれちゃったよぉ〜」

 二人の中隊員は笑っている、頭部を蹴りながら、子供がおもちゃで遊ぶように。それを尻目に指揮隊長が少し声色を低くして呟いた。

「中隊長どの随分と

中隊の教育が行き届いてるんだな」

中隊長は携行している水筒をぐびぐびと飲みながら指揮隊長に白い息を混じらせながら話す。

「あぁ?一体なにすればいいんだ?この中隊は崩れかけてんだよ補給もねぇスクラップはカミカゼしかけてくるしよ。あげくはミートどもだ、俺たちがちょいと行儀よくなったところであいつらが殺しにくることに変わりはねぇ。いまさらあいつらの汚ねぇ

 ケツ拭いたってな。もうそういう時はすぎてんだよ。はぁ…倉浜め」

中隊長は水筒をしまい、指揮隊長に話し続ける

「これから図書館まで行く。市民管理館のあるエリアの橋を渡る、てめぇらキメラ部隊もついてこいそこの骨太も乗れる輸送車がある」

中隊長は指を指して、大型の輸送車を見せた

カァンッ!カァンッ!カァンッ!

「ざまぁねっよ!ざまぁねぇよスクラップッ!」

 頭部を蹴っていた中隊の兵がさらに勢いをつけて、一心不乱に蹴り始めている。中隊長はその音が、癇に障ったのか頭部を蹴り続けている兵に怒鳴る

「おいッッ!!うるせぇぞッッ!!」

 カァンッ!カァンッ!カァンッ!

「くそがよ!スクラップッ!」

まわりの兵士が止めだした

「おいッ!もうやめとけ!」

 中隊長が蹴り続けている兵士の元へ

 ボスッッ

 蹴っていた兵士の腹を殴った

「うぅぅぅあぁぁぁ……」

 殴られた兵士は泣いている


 なぜ泣いてしまうんだ

 

 

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