玄武
—玄武—
怪力男は接地面を維持こそするが
状況を理解できていない、
ただこちらを見て、唸り声で威嚇し転ぶ
バッコン!!
「アァギィィ……」
だがこちらも浮いていること
以外にできることは少ない
空間は右に回転し続ける。
ゴロゴロ…
重力は下側だ、机棚は波のように壁際で
盛り上がる、これは妖幻の仕業だ
“縄“に触れてみる
何かあるはずだ。
「シュルリリリ……」
鳴き声がした、義手で力強く握る
「シュルルル…」
なんの鳴き声かはわからない
あえて呼ぶなら“蛇“だ
少し蛇を揺らす
「シュルルル…」
「カッコン」
“支柱“が動いた、
そのまま義体の腰を使い、左へ
「カッコンッカッコンッ」
滑りの悪いジップラインのように動く
怪力男は未だ理解できていない、
「バッコン!」
「アァァガァ!!」
それはこちらもだ
このまま移動してもやり方がわからない
怪力男にどうすれば釘を刺せる。
両手で蛇を握る
「シュルゥゥゥゥ」
「!」
蛇は突然、伸び始めた、両手を離す。
「シュルルル…」
伸縮が収まったイメージが浮かぶ
ほんの僅かだが…
「「ガァァァァグァァァァ!!!!」」
怪力男が机を投げてくる、
遠距離… 中距離…すぐ避けなければ
「シュルルルルル!」
「カッコン!カッコン!」
右手で蛇を握り、避けようとしたが狙いは正確ではない、
地面の慣性に怪力男は
対応しきれていない。
回転する、左の壁際へ行く
「カッコンカッコン」
怪力男も下でこちらの動きを追い回転する下の壁際の床を叩きつける。
「「バァァァン!!」」
「「バァァァン!!」」
「「バァァァン!!」」
「「ガァァァァギァァァァ!!!!」」
ひたすら怪力男は回転する床を叩く
位置についた
怪力男はこの空間に対応できていない
その特徴はこの位置でさらに分かる。
蛇を絞め殺す勢いで両手で握る
「シュルゥゥゥゥゥゥゥ!!!」
そのまま怪力男の頭上へ、
怪力男が右の拳を
身体全体の力で放つ
「グルン!!」
「ガァッ!」
転んだ、うつ伏せになり右へ流れていく
「ビュルゥ」
縄が解けた、まるで意思を汲んだように
そのまま釘を怪力男の背中に突き刺す
ズシャャャン!!
「「ガァァァァァギイイィォォ!!!!」」
裏返れ。




