怪力男
—怪力男—
眼前を覆いつくすほどの巨体が、
濁流のような勢いで
体当たりをしかけてくる、
ドン!
ドン!!
ズゥオン!!
巨体は足に力を入れた、飛びかかってくる
「「「「ガァァァァギアァァァァァア!!!!!」」」
横へ飛び上がるように避ける
シュッ
バァン!
無理な義体の使い方をさせられた
ギリッ
ギリッ
義足の滑りが悪い…
「「「ガァッガァァァァァァギイイイイ!!!」」」
体色は白い
身体は足がゾウのようになっている
腕は筋肉が、というより
腕そのものが肥大化している
頭部は小さい、そして頭の頭頂部に口があり
頭を半分に割りながらそれは叫び続ける。
“怪力男”
グラ
「「ガァァアァァァァァギィィ」」!!!!
怪力男が机を持ち上げた
ビュンッ!!
避けられない
ギリィッ
義足がッ
ガァッンッ!!
鉄製の机は胴体に直撃した、
義体ごと吹き飛ぶ
ゴロッゴロッ
バァンッ!!
壁際に激突した。
「「「ガァァァァォァァァァァァ
ギォォォォォォ!!!」」」
義足の動きが悪い…
怪力男がまたタックルを、間に合わ――
チリン……
鈴の音が脳内に鳴り響いた、
公園で聴いた音
「「我が霊力によりて
二つの理を回転させる」」
「「「亀」と「蛇」の理によりて」」
「「かしこみ、かしこみぃもうす……」」
「「式神」」
「「玄武」」
バダバタバタ!!
書類や机、棚が下へ…
怪力男もそれとともに落ちていく、天井の方へ…
「「アァァァァナァァァ!!!」」
「バッシャアン!!」
落ちた場所にヒビが入った
ヒビが入った“天井“は右へ流れる
空間が回転している
ゴロゴロ…
車輪が回転するように
義体は宙にぶら下がっている、
何かが義体を縛り“床“の見えない
支柱に繋げている、縄と大岩のような…
「アルルルゥイギイィァァ……」
怪力男は下で回転した
地面と逆方向に歩きながら自分の位置を維持している。
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「でっでって〜♩」
「うぃ〜…♩」
妖幻は鼻歌を歌い、
寝転びながら巻物を伸ばし
読み耽っていた、
シャツが少し盛り上がっている、腹の腫瘍は前よりも
大きくなっていた。




