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[GEAR HEAD]  作者: 地位分沢口
第一区画
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23/36

巣の上で

—巣の上で—


「どぉこぉだぁぁぁぁ…」


 アサリは一人だけだ


「みつけぇるぞおぉ…」

 音を立てずに待つ

 

  ドォンッ!


  ドォンッ!


  ドォンッ!

 

 階段を上がってくる、

 一歩、一歩、力強く踏む癖


 ガァチャン!!

 部屋に入った


「おおぉぉどぉこだぁよぉぉ――

 ダァン!

 ギシギシギシ!

 ギシギシギシ!

「あぁぁぁ!?」

 シュハルトが額縁の穴から出て

音を立てアサリの注意を引く



 シュッ!

 ガタッ

 あらかじめ物置の襖を開けて

 アサリに素早く近づき、足を蹴る。


 グシャッ!!

「バァァッッ!っっっ――

 もぉっ!?んんんんん!!!」

 粉砕された足の骨が見える、折れた骨が


「んもぉぉぉぉぉぉぉ!!!!???」


 アサリは電気式を落とした

 口を右手で塞ぎ、左手で腹を押さえる

 義足は粉砕された足の箇所を踏み続ける


 ギシッ!

 ギシッ!

 扉からシュハルトが、

シュハルトは手にナイフをもっている


 師団に支給されていた物だ


シュハルトが近づく、アサリは呻き続ける。


「「んんぅぅぅぅぅぅぅ!!!!、」」

 シュハルトが近づき

 ナイフをアサリの左胸に勢いよく刺す。


 ザクッ!

 ザクッ!

 ジュワ…

「っっっっっ!!!んんんんんん!!!!」

 シュハルトは左胸に二回刺し

 ナイフをアサリに当て圧迫し続け

 アサリは口から血を吐き出した。

 こちらの義手にアサリの血が滴る


「ぼぁっ…かぁっっ……」

 ジュゥゥゥ…

「ひゅー…ひゅー…」

ジュゥゥゥ…

「………」


 ボトッ…

 アサリは地面に倒れ、畳に血を滲ませ

 絶命した。


「へっ…へへクソやろう…へへ…」

「あっ…くそ、ぬいぐるみに…」

 シュハルトの腰のぬいぐるみに血が滲む

「ごっごめん…」

 腰のぬいぐるみを

 シュハルトは義手で持ち、

 ぬいぐるみに話しかけていた。


「くっくそ…」

「よし…よし….早く行こうぜ…」


 部屋を出て廊下を進む、出口から逆方向、食卓へ


 ギシギシ…

 ギシギシ…

 ギシギシ…

「いるぅはぁずだぁぞぉぉ……」

 アサリたちはまだこちらを探している

 左は食卓だ、テレビがあり

 柄物が多い、壁が破壊されている

 破壊された壁から外へ出る



 地図を見れば場所はわかるが

視覚が圧迫される、

右上に電気屋があるはずだ。


 右へ進む、

 木造の住宅がずらりと並んでいる。

 家と家が十字路を作っている

 木造建築の迷路だ


 ジャリ…

 ここは商店街の地面と違い砂利の地面だ


 ジャリ…

 ジャリ…


 シュハルトは身をかがめながら進んでいる


「どぉこぉぉなぁのぉぉぁぉ!……」



「ひっ…」

 遠くのアサリの声が

 聞こえてくるとシュハルトが

 反射的に声を小さく出した。


 進み続ける、あと少しのはずだ

 木造の迷路が続く。


 ジャリ…

 ジャリ…

 ジャリ…ジャリジャリジャリ


 近くにいるアサリの足音が近い

 シュハルトの震えが高まっていく


 ジャリジャリジャリ

 ジャリ…ジャリジャリジャリ


「ううぅぅぅぅんんん…????」



「あしおとぉがあれだぁぁ…」


 ここは十字路の真ん中だ、右へ――



「こりゃゃあじゃあんくぽいぞぉぉ……?」

 アサリがわずかな足音で…人間と

 ギアヘッドの足音の違いがわかるのか…


 アサリの声がどんどん近づいてくる

 シュハルトはさらに義体をかがめている


「あぁぁぁこっちからぁきこえるぅぅ…」

 後ろからくる、これ以上は持たない

 シュハルトのかがめている

 義体の肩を両手で掴む、一緒に走り出す



 シュッッ

 ジャッッジャッッ

 ジャッッジャッッ


「「いたぁぁぁぁ

 きこぉぉえるるるるう!!!!

 じゃんんんくううぅぅ!!」」

 アサリの勘は異様だ



「ひっあぁあッッッ!」

 シュハルトは走りながら悲鳴を漏らす


 このまま真っ直ぐに進む


 ジャジャジャ

 カン

 カン

 地面が変わった、

 コンクリートでできた地面に

 この道にあるはずだ


「「うぃぃぃぃぃぃ!!!!」」

 アサリが近づいてくる


 木造の建築の中

 一際大きな建物と建物の間に

 道が続き、電気屋に続くはずだ

 大きな建物に近づく


 タッッ

 タッッ

 タッッ


 間に着いた

 壁ができている…

地図には載っていなかった。

おそらく、有り合わせのもので

改築されている。


 義体では届かない


「くそッ!上に上げろ!

 引っ張ってやるッ!」

 膝をつきシュハルトの義足を

 両手で支え、壁の上にやる


 ギュッ……

 ビュンッ!


「「「まぁぁぁぁ!!てぇぇぇえ!!!」」」

 壁を登らなければ

 シュハルトに義手を…

 

「ひっ…」


 シュハルトが迫り来るアサリの一団を見て

 悲鳴を小さく漏らした


「へっ…へへ」


 シュハルトが笑った?


「へへ…悪く思うなよ…

てめぇの脳のなさがへへっ…

 悪りぃんだよ……へへッ…」



 発声器で震えた声でそう言った後

シュハルトは壁へ飛んだ、

 こちらの義手を掴まずに。

 

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