軍服
—軍服—
軍服のギアヘッドは先程と違い格式のある
話し方で話し続ける
「この区画になんのようがあるかわからないが」
「まともなものならすぐに
ここから立ち去った方が賢明だ」
「目と耳がまだ存分に機能するのなら
それを十分に使い階段へ戻れ」
「私は何度も階段に戻ろうとした、だが」
「何かが、私の脳かそれか、場所の魔力」
「何かが階段を消した」
換気扇に横たわりながら
軍服のギアヘッドは話し続ける。
その間も地下街は怒号が響き続けていた
「あの魔物に銃弾は効かなかった
私はピストルでやつの頭部を打ち抜こうとしたが」
「結果はご覧のとおりだ」
軍服のギアヘッドは両手を広げ
足の破損を強調した
「そして何よりあの忌々しい“アサリ“ども」
「奴らに見つかればパーツをばらされる」
「この地下街の者は
どれだけ叫んでも殴り続けても
まるで疲労していない
何かに取り憑かれたように」
「私が来た時からこの惨状に成り果てている」
義体を商店街の出口へ向ける
長居できない、先へ――
「待て、貴殿の目標はスパークカードか?」
「貴殿もギアヘッドという呪いに囚われているのか」
「いいか電気屋を目指せ」
「そこには“エンジニア“がいる」
「彼ならば――
ビィん ぼぉん ばぁん ボォン
「あぁぁぁぁぁぁ…あれぇ…」
ビィん ぼぉん ばぁん ボォン
「いたぁねええぇじゃぁぁぁんくがぁ…」




