遊園地
—遊園地—
道端で脳死したギアヘッドが見える。
手にトランジスタのラジオを握り
録音された放送から老人の言葉を
繰り返し、流していた
「完璧な兵士とはいったい何か…感情を持つ人間か」
「そんなものは不要だ、
人間性を抑える兵士…」
「これが“機械脳”だ…」
ザ……ッ
ノイズが響きラジオは音を出さなくなる
廃車場でそれを聞きながら日光で錆びた義体を輝かせパーツを集めていた
“ファング“
第11ギアヘッド師団にいた時の
コールサインだ。
無数の動かなくなった
ギアヘッドの山から状態の良い腕を見つけ
カチ……カチャ…と膝をつきながら
腕を取り外す。
カチ…カチャン…
日が沈みかけるのに気づき
その場を立ち去る。
錆びた遊園地が見える
そこは同類達のコミュニティだった。
受付に近づく
「オタァーークヮァイラァンカァワックス???」
剥ぎ取った腕を取り出し指を一本、受付にいるギアヘッドに渡す。
ワックスで頭部を拭いてもらう
雑菌を防ぐために。
細菌はギアヘッドの頭部を侵食し
脳に到達することがあった。
受付を抜けアトラクションの
コーヒーカップに目をやる。
闘技場になっていて勝った方が
どのパーツを取るか決めかねていた
地面に倒れたものは
「足の指にしてくれ」と懇願していた
ガシャン!
…倒れたものは腕を無理やり外される。
遊園地の川沿いを歩く
夕陽が反射し頭部を照らしながら
そのまま森に入る
サァザァ…サァザァ
森の木々が風に揺られ
音をだすのを聞きながら
石の階段を上がる。
コツ…コツ…
階段を登り終わると遊園地を一望できる
駐車場に着く。
駐車場のトイレからは光が漏れている、
近づいていくと
女子トイレの扉は板を打ち付けられている
男子トイレの扉を開ける。
ギィィ……
そこは、酒場のようなものだ
タイル状の床に机や椅子が配置されている
壁は拡張工事がされていた。
バックから剥ぎ取った腕を取り出し
指は取り除きストックする。
奥の女子トイレ側の仕切りにいるギアヘッド
「死体取り」に渡す。
「あいよ…」
死体取りは棚を開け緑のカプセルを台に置く
「栄養剤だけで良いか?ファング」
ガラスケースに
入っている青のカプセルを指差す
「はい、はい…いい加減
発声器をつけろよ…」
「何本だ?」
指を三本バックから取り出す
また別の棚を死体取りは開ける
パタン
死体取りは三本の青いカプセルを取り出し台に置いた。
指を三本、受け渡す
死体取りは箱を開ける、中には無数の指が詰められ
バタン……
蓋は閉じられた。




