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12ー3

シャノン様を制限する魔力が解き放たれて、わたくしの胸に下がるネックレスと、王妃様の胸に下がるネックレスを光を通じて一本の線のようにつながります。


「では、我も力を解き放とう」


 国王陛下はそう言いますと、マントにカフス、ピアスや指輪をしなやかなしぐさではずしました。


 ひょっとしたら、これらすべてが魔力制御装置なのでしょうか?


 そして、国王陛下もわたくしのネックレスから王妃様のネックレスに力を込めて送っております。


 微力ながら、わたくしも中和能力を送り込みます。


 ですが、王妃様はより一層苦しそうにうめいております。


 布団越しですのに、王妃様のお腹がボコボコと暴れているのが目に見えます。


「ジュリアを食い破るつもりらしいが、そうはいかん。魔王は消滅すべしっ!!」


 国王陛下に答えるように、王妃様は本日二回目の陣痛にたえております。


 できるものならば、わたくしが代わってさしあげたいくらいです。


 そうして王妃様がもがき苦しんでいる中、浄化魔法とワープが同時にあらわれて、ジェイン様が戻ってまいりました。


「手は洗っておりますし、浄化魔法もかけております。助太刀してもよろしいでしょうか?」

「頼む、ジェイン。このままではジュリアがもたん」


 そこでまた、ジェイン様がわたくしにお顔を近づけてきましたので、意を決してジェイン様に口づけました。


 その力は、わたくしの体の中を巡り、ネックレスへと注ぎ込まれてゆきます。


 やがて、わたくしのネックレスの石が割れて、すべての光が王妃様のネックレスの石をも割って、王妃様のお腹を明るく照らします。


 しだいにうごめいていたお腹が静まり、そして王妃様は最後の力を振り絞って、赤ちゃんを生み出しました。


 すぐに泣き出した赤ちゃんへと、シャノン様は手を伸ばします。


 男の赤ちゃんは、シャノン様の手を握って泣きました。


「魔王は祓われたようだな」

「本当ですか!?」


 白い髪に金色の瞳、白い肌の男の子は、国王陛下に抱かれて泣き止みました。


「決めたぞ。この子の名前はジェイクだ」


 ジェイク様。とっても素敵なお名前です。


「ここにいる皆は、これらのことを秘密にしておいてもらえないだろうか? 一度魔王として宿った者が生まれたと知れれば、暴動が起こるかもしれん」

「もちろんでございます、国王陛下」


 わたくしは深々と頭を下げますと、皆様も同じように頭を下げていらっしゃったのでした。


     つづく

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