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12ー2

 ここにいるケリーさんと、地下牢に閉じ込めたはずのファレスさんの魂が入れ替わったというの?


 でも、どうすればいいのかわたくしにはわかりませんわ。


 その間にも、シャノン様は激しく泣きますし、王妃様はとても苦しそうです。


 誰か、ジェイン様、助けて。


 その瞬間、空間が歪みました。


「ようやく僕を呼んでくれる気になったのですね、リリーさん。話は大体聞いていました」


 どうやって、とは聞かないでおきます。それがお城のやり方なのでしょうから。


「助けてください、ジェイン様!! 王妃様はどうなってしまうのですか?」

「それは我が決めるとしよう」


 また空間が歪んで、ジョゼフ国王陛下があらわれました。


「取り敢えず今はやむをえん。ケリー、すまぬな」


 そうして国王陛下は、素早くケリーさんの前に回り込んでみぞおちを殴りつけました。


 ケリーさんはうっとうめくと共に失神してしまいます。


「地下牢のファレスの始末はジェインに任せてもよいか?」

「はっ。お任せください」


 ジェイン様はわたくしにウィンクして見せてからワープしてしまわれました。


 もう、皆様の前ですのにぃっ。


「医師よ、どんな塩梅(あんばい)だ?」

「現在妊娠八ヶ月に入っております。それゆえ、シャノン様が押し出されてしまったのでしょう」

「だが、魔王はジュリアの腹の中に残った。残酷な運命を期待しているのだろうが、そうはいかん。我はジュリアを愛しておる。ジュリアを殺すくらいならば、我が自害しよう」


 ですがそれですと、王妃様が魔王をお生みになることになります。


 どうすればよいのか、まったく先が読めません。


「ジュリア、聞こえるか?」


 国王陛下は王妃様の細い腕を取り、自らの頬にそわせます。


「はい。あなた。わたくしはこの子をわたくしたちの子として生み、育てたいです」


 ふっと国王陛下が王妃様の言葉を聞いて微笑みます。状況が状況でなければ、なんという美しい光景、とうっとりしてしまうほどです。


「そう答えると思ったさ。そなたは頑固だからな、ジュリア。だからこそ、愛しておるのだ」


 命は一度きりしかありません。ですが、王妃様が魔王をお生みになることは国としてゆるされないことでしょう。


 その時。シャノン様のお小さい腕にはめられていた魔力制御装置の腕輪がかちゃりと音を立てて絨毯の上に落ちました。


「ほう。シャノンも弟に会ってみたいか」


 国王陛下? シャノン様? 一体どういうことなのですか?


     つづく



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