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2ー2

「ぐははははっ。こんなところにおぼこがいやがる」


 盗賊はわたくしを見るなり、いやらしく口をゆがめます。


「それじゃあま、俺様のものになりやがれっ!!」


 盗賊がわたくしの体にのしかかろうとしたまさにその瞬間、スカートをめくって太ももに忍ばせていた短剣を抜き取り、男に突き刺します。


「ぐあっ。よくもやってくれたなっ!?」


 しかし、一撃で始末できなかった模様。わたくしは反対の太ももから長剣を抜き取りかまえます。


「精霊よ、我が剣に力をやどせ」


 そう唱えると、わたくしの剣が緑色に輝きます。


「魔剣、だとぉ!?」

「わたくしに魔力があることは、まだ言っておりませんでしたかしら?」


 おほほと声を上げると左右の剣で男を斬ってやりました。


 男は奇声を上げて馬車から転がり落ちて逃れようとします。


「おのれ、盗賊めっ」


 そこをジェイン様に見つかり、残念ながら盗賊の一人は斬り裂かれてしまいました。


 このわたくしを襲おうなんて真似をするからです。自業自得ですわね。 


 こうしてわたくしとジェイン様は賊を斬り倒し、見事勝利をおさめたのであります!


 ちなみに神父様は持ち前の魔法で攻撃されないよう術をかけておりましたので無事でございます。


 そうです。わたくしたちは無傷で勝利を手に入れたのですわっ!!


「これはまた。リリーさんは、城が嫌だと泣いて困らされる心配はいらないようですね」


 腕が立ちますね、とジェイン様はにっこり笑うのでした。


「こう見えても、お父様から剣の稽古は受けておりましたから。少しくらいの盗賊ならば、やっつける覚悟はできております」

「それは頼もしい。最近の不景気で、盗賊も増えたと噂ですし、城内でなにがあっても、リリーさんがいれば安心ですね」

「まかせてください! でも、本音は少しだけ怖かったのです」


 それと聞くなり、ジェイン様は馬車に乗り込み、わたくしの頭をよしよしとなでてくれました。


 なでるのは日常的ですが、なでられることはめったにありません。なので、とても恥ずかしいです。


「よくがんばりましたね。さぁ、神父様。また賊の襲撃に遭わないうちに、城へ急いでください」

「かしこまりました」


 神父様は返事をすると、また馬車を走らせるのでした。


 あいにくの盗賊出現でしたが、ジェイン様が綺麗に片付けてくださったおかげで、馬車の走行に差し障りがありません。


 やはりジェイン様。ただ者ではありませんね。


     つづく



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