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2ー1

 馬車に揺られながら、わたくしはあることをジェイン様に相談することにしました。わたくしにとっては一大事でも、ジェイン様にとってはなんの意味もないことです。


「ところでジェイン様。城内で少しでもわたくしの自由になる時間はありますでしょうか?」

「もちろんです。城内に住んでもらうだけで、休息も休日も当然ありますし、慣れるまでは三食昼寝付きでもかまいませんよ」

「いえ、そこまでは望んでおりませんが。わたくし、かわいいものが大好きですので、ぬいぐるみやあみぐるみを作るのが趣味なのでございます。なので、それらを制作する時間があると助かると思いまして」

「なるほど、なるほど。そういうことでしたら、最初は王妃様の侍女から始めてもらうことが可能です。口うるさい侍女長もございますが、リリーさんでしたらすぐになじめると思います」

「それは光栄でございますわっ」


 うれしい。わたくしの趣味の時間を持てるだなんてっ。最高ですわっ。


「毛糸や生地などは、こちらから支給しまうのでご安心ください。ほかに必要なものがあれば、直接わたしに言ってください」

「直接、ですか?」

「はい。一日の終わりになにがあったのかの報告を聞きにうかがいます。お茶やお菓子なども差し入れますので、安心してお待ちください」


 あら? それですとわたくし、もしかして一部屋いただけてしまうのでしょうか?


「リリーさんは特別な存在ですので、なにかあってはなりませんから特別室をご用意いたしております。ちなみにわたしと部屋は隣り合っておりますから、不都合がありましたらすぐにまいります」


 まぁまぁまぁまぁ。なんという好待遇なのでしょう。一介の侍女ですのに、とことん贅沢なのですわね。


「ですが、王女様がお生まれになりましたら、同じ部屋で暮らしていただくことになりますので、そこのところはご了承ください」

「はい。わたくしでよろしければ、よろこんでお受けいたしますわ」


 と、そこで。馬車が突然止まって体が前のめりに倒れてしまいました。


「盗賊だな。リリー様はここにいてください。盗賊はわたしが始末してまいります」


 ジェイン様はいさましく剣の柄に手を置くと、颯爽と馬車から出てしまいます。


 わたくしは心配して窓の外をうかがいますが、盗賊の一人が馬車のドアを蹴破って侵入してきました。


 おのれっ。なんたる無礼っ!! そしてわたくしいきなりピンチですわっ!!


     つづく

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