11ー7
シャノン様は魔法の影響か、下の歯が少しだけ生えております。金色のクセのある髪もふわふわしていて愛らしく、翡翠色の瞳は人生を謳歌するつもり満々なようです。
そんなシャノン様ですが、魔法のコントロールはさすがにまだできていないようでして。
特別お呼びだてしておりませんのにあらわれたジェイン様には、通じるものがあるのでしょうか?
目と目で会話しているようです。
もう見えていらっしゃるのでしょうか?
「魔力測定の結果だが、今のところ標準より少し高いだけの安全圏だ」
このような時ですのに、国王陛下はシャノン様の魔力測定をしておりました。
そして、王妃様の宝石箱に近寄りますと、箱の中から美しい装飾の小さな腕輪を取り出しました。
「これはそなたへのはじめてのプレゼントだ、シャノン様。我が愛しい娘よ」
陛下がシャノン様のお小さい陶器のような白い腕に腕輪を通しますと、浮遊していたものが落ち着きました。
「これも一応は魔力制御装置だ。あまり付けているとストレスになるが、今はジュリアが弱っているのでな。少し眠りたまえ、我が娘よ」
陛下がお優しくシャノン様に触れますと、すやすやと穏やかに眠り始めました。
「これでよし、と。今日中はケリーとリリーにこの場を任せても構わんか?」
「もちろんでございます、陛下」
ケリーさんにつづいて頭を下げます。
こう見えましてもわたくし、妹のリサが生まれた時に、お母様のお手伝いをした経験があります。
魔法に関しては戸惑うことが多いですが、こうして眠っていらっしゃるシャノン様を見ているだけで、とてもしあわせな気持ちに包まれます。
国王陛下は公務にお戻りになりまして。ジョシュア様はジェイン様に連れられてお部屋へとお戻りになります。
万が一を考えて、お医者様と看護師さんには付いていてもらい、束の間の平安をまどろみます。
「リリー、交代で休みましょう? 今はあなたが休んでいいわよ」
「ありがとうございます、ケリーさん。わたくしお部屋からノートとペンを持ってきますので、しばらくお願いいたしますっ」
そう、そのノートは、家から持ってきたばかりの真新しい日記帳です。この日記帳は、わたくしの趣味がこうじて紙以外は手作りなのですっ!!
お気に入りの万年筆を携えて、いそいそと王妃様のお部屋に戻ろうとしましたが、はて。
ここで急にファレスさんの今後について不安になってきました。
黒魔術はここくらげ島では禁止されております。それなのに黒魔術を使い、魔王まで降臨させてしまったとあれば、つらい罰が待っているはずです。
死罪はないでしょうけれど、それでもそれに近い罰を受けることになりそうです。
……が。今はシャノン様のことで頭が一杯ですぅ〜!!
つづく




