11ー6
こうして、ぐったりとしたファレスさんの身体に刻まれた黒魔術の証を消すことができたのでした。
ですが、大変なことが残っていますので、ファレスさんは一旦地下牢に閉じ込めておくこととなりました。
さて、大変なこととは王妃様の分娩です。
ファレスさんたちの攻撃から王妃様を守ってきたつもりでありましたが、それでもストレスは最大級だったことに違いはなくて。
王妃様はシャノン様を出産することになりました。
ここは、男性陣は国王陛下だけで、わたくしとケリーさん以外はお医者様と看護師さんのみとなります。
例外としてケルベロスはパピーの姿に戻してもらい、側におります。
王妃様が苦しそうなうめき声をあげて、力を込めます。
わたくしたちも、自分たちにできるだけの祈りを王妃様とシャノン様に届けます。
そうして何時間過ぎたでしょう?
空腹を感じる余裕もないまま、ついにシャノン様がお生まれになりました。
泣き出した時の感動は、いつでも思い出せます。
わたくしはシャノン様を抱っこさせてもらっております。
かわいい。なんとおかわいらしいのでごじいましょう。
そしてとても愛おしいのです。
「はじめまして、シャノン様」
わたくしが言葉をかけますと、シャノン様はふっと泣き止みました。
わたくしの背中を、ケリーさんが優しくなでます。
「今日からあなたがシャノン様付きの侍女長ですよ」
「はいっ。がんばりますわっ」
こうして、無事にシャノン様が誕生したのでした。
この感動を日記にしたためるのが思いの外早くて、自分でも驚いております。
ですがシャノン様、これからよろしくお願いいたしますね。
皆様から愛される王女様、シャノン様。そんな予感がしております。
と、思っておりましたら。
ジョゼフ国王陛下によって完全修復されたお部屋のあらゆる物が浮き始めました。
「あ〜いっ!!」
どうやらシャノン様の魔法のようです。
わたくしはすぐにシャノン様を胸に抱き、魔力を中和させようと努めます。
ところが、シャノン様はこの世界と魔法が大好きなようで、次々とあたらしい魔法を繰り出してきます。
王妃様は出産でぐったりしておりますし、困っていたところへ、あの殿方が入ってまいりました。
「俺様、イカサマ、ジェイン様。はじめまして王女様。おいたはいけませんよ?」
もうっ!! いきなり王妃様に気障なセリフを吐かないでくださいつ!!
つづく
※いつも読んでくださり、ありがとうございます。今回から、一日二話更新となります。ご了承ください。




