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7ー4

 そんな風にして気まずい雰囲気の中、ジェイン様がパピーを連れて戻ってまいりました。


 ああ、パピー。今すぐあなたに抱きつきたい。そしてわたくしの顔をその毛に埋めて息をしたいのです。


「パピーは浄化魔法で綺麗にしてあります。後は、短時間で色々と覚えましたよ。多少やんちゃなところもありますが、とても頭がいい子です」

「そりゃそうだよ。お座りとお手とお代りは僕が仕込んだのだもの」


 これにはジョシュア様も黙っておりません。


「僕、将来は大きな犬を飼うことにしているんだ」

「パピーはかなり大きく育つと思いますよ?」


 なにかしら。ジェイン様の一言、一言がとても胸に響くのです。


「それではいよいよわたくしにもパピーを抱かせてくれないかしら?」

「はい、どうぞ王妃様」


 ジェイン様は王妃様へとパピーを手渡します。リードを外しているのに、パピーはとても落ち着いております。


「さぁ、お楽しみの時間よ」


 うふふっと笑われた王妃様はあやしげな目でわたくしを見ております。どうかしたのでしょうか。


「あら、王妃様。誘惑にお負けになって、投影魔法をお使いになるのですわね?」


 投影魔法? ケリーさん、それはどういう魔法なのですか、と聞くよりも先に、パピーに手をかざした王妃様の目の前に、スクリーンのような物があらわれました。


「それじゃあいくわよ。ふっふふぅ〜ん」


 ごきげんな王妃様の目の前にあらわれたスクリーンに、わたくしのドアップが映りました。


 ……これは?


「わたくしの投影魔法は、音こそ聞こえないけれど、手をかざした者の視点がはっきり映るというものなの。つまりこれは、パピーが今日見てきたものを映しているってわけ」

「ぎゃあ〜!! そんなもの、映さないでくださいっ!!」


 必死になってパピーを取り返そうとしますが、王妃様はお腹にさわるわと言って拒みます。


「ジェイン様も嫌でしょう?」

「わたしは別にかまいませんよ。遅かれ早かれ、皆様にバレるのですから、思い切って見てもらった方が尾ひれがつかないだけ、ましでしょう?」


 ……。


「わかりました。わたくし、ジェイン様とはお付き合いできません」


 わたくしがきっぱり発言しますと、ジェイン様ががくりと肩を落とします。


「そんなっ。このタイミングで断らなくてもいいじゃないですか。それとも他に好きな人がいるのですか?」

「あ〜っと、はい。地元で好きな人がいて、わすれられないのです」


 嘘ついちゃいましたけど、かまいませんよねぇ〜!?


「では、わたしがその男のことをわすれさせてあげますよ」

「無理です。ジェイン様のような浮気者とは比べものにならないくらい真面目な人なのです」

「ひょっとしてケンタのことですか? おさななじみの」


 うわ〜、先読みなさらないでください〜。そして投影魔法はつづいているのです。辞めてください〜!!


     つづく

 

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