表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/84

7ー3

 そんな国王陛下と王妃様だけしか知らない情報をうっかり話されてしまった王妃様は、ここだけの秘密よ、とウィンクして見せるのでした。


「ねぇ、母上。めかけってなに?」


 はっ。ここにはまだほんの七歳のジョシュア様がいらっしゃるのでした。


 ですが、王妃様はあわてません。毅然とした態度でジョシュア様に話しかけます。


「あなたが大人になればわかることよ。だけど、そうね。できれば奥さん以外の女性を好きになるのは辞めておいた方がいいわね」


 そうおっしゃった王妃様は、まだお小さいジョシュア様の頬を両手で挟んでもみしだきます。


「お母上、痛いです」

「そうよ。浮気されると女はみんな心が痛むものよ。こういうのは子供のうちから教えておかなくちゃいけないものねっ」


 それで、と王妃様はわたくしに向き直りました。


「ファーストキスはまだなの?」

「ま、まだです」

「リリー、顔真っ赤」


 ジョシュア様に指摘されるまでもなく、顔が熱いのでなんとなくわかっておりますとも。


「あらまぁ。本当におぼこなのね、リリーは」


 そのような当たり前のことを王妃様に言われてしまったのでは、もう返す言葉がありません。


「そうねぇ。ジェインもああ見えて悪い男じゃないし。付き合ってみたらどうかしら?」


 わたくしは王妃様の言葉に喉がつまってしまいました。


 そんな、今がお買い得ですよ、的なことを言われましても、わたくしの気持ちはまったくはっきりしておりません。


「とにかく。付き合ってみなければわからないことって多いと思うの。そうでしょう? ケリー」

「はい、王妃様」


 そうして肩身の狭い思いをしていますところで、ジョシュア様がとことことわたくしに歩み寄って参ります。


 どうかなされましたか?


「ジェインがうわきしたら、僕がリリーと結婚してあげるよ」


 おやまぁ、と王妃様とケリーさんがあきれたようにわたくしを見つめます。


「それではリリーはジョシュアの未来のお嫁さん候補ね」


 ほほほほほと、朗らかに笑う王妃様ですが。そんなっ。わたくしごときがそんなことあってはなりません。


「ともかく、一度は真剣にジェインのことを考えてあげて。せっかくだから、道化を卒業してもいいと思っているの」


 だって、ジェインって万能なのだもの、と王妃様がつづけます。


 わたくしはただ、ジェイン様に対して器用貧乏でいらっしよるのかしらと思っているのですが。いやはや。


     つづく

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ