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7ー1

 わたくしにあてがわれたお部屋から廊下に出ますと、ケリーさんに呼び止められました。


「おや、お早いお帰りで」


 むむっ。ケリーさんに冷やかされております。


「はぁ。ワンちゃんに必要なものを買いに出かけただけですから」

「そんなこと言ってぇ〜。初デートはどうだったの? 楽しかったでしょう?」

「そ、そんなのではありません。からかわないでくださいっ」

「そうは言ってもジェイン様ですもの。あのジェイン様が最近ずいぶん大人しくなったものだって、城内でもちきりよ」

「それは、どういうことなのですか?」


 ケリーさんは自らのお顔の前で人さし指を立ててこう言います。


「ついにジェイン様の本命があらわれたんじゃないかって。しかもそれはリリー、あなたのことなんじゃないかっていう噂よ、噂」


 もぉ〜。どうしてそう噂してくれるのでしょうか。恥ずかしいですし、困ります。


「ともあれあなた、だいぶ表情があかるくなったじゃない。朝なんてひどい顔色をしていたわよ。少しはリラックスできたみたいね」

「そういうことなら、はい」

「どんなことがあったか話して欲しいけど。今は王妃様のお部屋へ行きましょう」

「はい。王妃様の具合はいかがですか?」

「あなたがいない間は苦しそうだったわよ。さすが魔力を中和させるだけの能力があるだけのことはあるのね」


 ここに来るまでは。誰かの魔力を中和させてしまう自分の能力をうとましく感じていたものです。


 それなのに今ではお城の中で重宝されているだなんて、かなり不思議です。


 わたくしたちは、王妃様の部屋へと急ぎました。


 途中、ペットショップで買ってきたパピーによく似たワンちゃんのワッペンをお土産で買ってきたものをケリーさんに渡しました。


「あら?わたしに? 王妃様にはなにかあるの?」

「実はおなじワンちゃんで色違いの首輪をしているものを買ってきたのですよ」

「そう。あなたが付けてあげるといいわ。王妃様もかわいらしいものを好まれますから、きっとよろこんでくれるはずよ」


 そこで、門番に頼んで王妃様のお部屋のドアをノックしました。


「はい、どうぞ」

「王妃様、お待たせしました。今、帰ってきたばかりでって、ジョシュア様っ!?」


 なんと、ぐずぐずと着替えていたせいで、パピーを抱いたジョシュア様が王妃様と一緒にいるではありませんかっ!?


「あら、お帰りなさい。どうだったの? 初デートは?」


 ですからそれはあまり触れられたくない話題なので、ワッペンを差し出すと王妃様はレースのハンカチを取り出して、ワッペンはこのハンカチに付けてくださる、と頼まれたのでした。


     つづく

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