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「ん〜。ミルクとチーズ最高〜!!」
寝言でございます。ええ、歯ぎしり、寝言、いびきに快眠。これぞわたくしの隠れたウィークポイントですが、かわいいものでございましょう?
あらぁ? なにやら、夢が。
『リリー、だぁ〜い好きっ!!』
か、かわいいっ。なんておかわいらしい女の子なのでございましょう。わたくしもあなた様が大好きですわっ。
名前も知らない可愛らしい女の子は、わたくしに満面の笑顔を見せて抱きついてまいりました。
ああ、至上のしあわせ。
「はっ。夢、でしたか」
眠りの途中で目を覚ますことはほとんどありませんが、わたくしはいつか、この夢の女の子と出会える予感がしております。
そうしてしあわせを胸に、また眠りにつくのでございます。
▶ ▶ ▶
「おっはよぅ〜ございますっ!!!」
鶏よりも早く起きるのがわたくしのルーティンなのです。きょうも颯爽と支度を整え、自宅で迎える朝を楽しんでおります。
そうそう。昨日はミルクを手に入れておりますから、フレンチトーストを人数分作っております。
「ふっふふぅ〜ん♪」
今朝もわたくしは絶好調ですわっ。
と。ふいにドアの開く音がしました。
「おはようございます。リリーさん」
「あらぁ、ジェイン様。おはようございます。お早いのですねぇ。あら、もうわたくし、行かなければなりませんか?」
「いいえ。香ばしいにおいにつられて、入ってきたご無礼をおゆるしください」
「お口にあうかわかりませんが、お食べになります?」
「よいのですか?」
「はい。わたくしの分は、あらためて作りますので。よろしければどうぞ」
「ありがとうございます。いただきます。……うん、おいしいっ」
ふふっ。無邪気にフレンチトーストを頬張る色男。最高のシチュエーションですわっ。
「お姉ちゃん、おはよう〜」
「あら、リサ。もう起きたの? おはよう」
リサはかわいらしくも、わたくしに抱きついてきました。まだまだ子供ですのに、普段はクールなリサがこのようにあまえてくるのはとてもうれしいことです。
「お姉ちゃんのフレンチトースト食べるの、これでしばらくおわかれかもしれないから。できたてを食べたくて起きてきちゃった」
「あら、かわいらしいことを言ってくれて。よしよしっ」
わたくしはリサのことをまんべんなくなでてあげます。こうして見ると、まだまだ子供ですわね。
そのうちに両親も起きてきましたから、みんなで早めの朝食に舌鼓を打ちます。
ああ! こんななにげない日常もあとわずか。ですが、あたらしい生活にも慣れてゆかなければなりませんものね。
わたくし、がんばりますわっ。
つづく




