5ー3
「へっへっへっ。ファレス様の分まで存分にいたぶってやるぜ」
トカゲ男は長い舌先で剣のように攻撃しながら、同時に炎をも口から放ちます。
いくらドーム状の盾と言っても、わたくしの魔法力ではそんなに長くはもちません。これは絶体絶命っ。
「どぉりゃぁっ!!」
と、ふいにドアが蹴破られました。
「俺様、イカサマ、ジェイン様。呼ばれてないのにジャジャジャ〜ン。よお、イタチ男。よくぞここまて王妃様のことを追いつめやがったなぉ」
「おのれっ! トカゲだっ!!」
「同じようなものだろう? さぁて、遊びは終わりにしような」
そう言うと、ジェイン様は右手に剣、左手にムチを持ってトカゲ男を攻撃します。
「さぁて。ファレスは今、どこにいる? 答えによっちゃあ生かしてやってもよいが?」
「お、おれもわかりませんって。でも、命だけは」
ぴしゃんとムチで叩かれ、剣でバラバラに斬り裂かれたトカゲ男は、再生する間も与えず、ジェイン様によって心臓を貫かれて絶命してしまいました。
「ふん。イカサマだと言ったであろう?」
そう言うとジェイン様は剣に付いた血を払うようにして鞘におさめました。
「遅れて申し訳ございません、王妃様」
「ああ、ジェイン。あなたが来るまではリリーががんばってくれたのよ」
「王妃様、お身体お変わりございませんか?」
ジェイン様はすぐに部屋を修復魔法で整えてくださったので、王妃様をベッドに横になってもらいます。
「ええ、大丈夫。それよりそのブーツ、とても似合うわ。普段から履いてちょうだい」
「い、いえ。そういうわけには」
「ドレスも。最初からあなたにあげるつもりだったのよ?」
「もらっておきなさい、リリーさん」
ジェイン様に言い含められて、わたくしはドレスとブーツをいただくことになりました。
トカゲ男の残骸は、一部をサンプルとしてジェイン様が持って行きました。
はっ。わたくしのお部屋はっ!?
「おやおや、ドアがこんなに壊れているだなんて」
ケリーさんの声です。するとジェイン様は、ドアの修復だけはしなかったのですね。
「ここでもひと悶着あったのよ、ケリー。そっちはどうだったの?」
王妃様に問われて、ケリーさんは力なく首を左右に振りました。
「門番だと思っていた男がイタチに変身してそりゃもう大変でしたよ。でも、ご心配なく。リリーの部屋はきちんと修繕しておきましたからね」
そう言いながら、ケリーさんは王妃様の部屋のドアを修繕したのでした。
つづく




