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王妃様のお部屋には、お医者様と国王陛下、それにジョシュア様、それにジェイン様がいらっしゃいました。
「うむ。今のところ落ち着いているようです。王妃様、気分はいかがですか?」
「少しばかり喉が渇きましたが、平気です」
それと聞いて、ケリーさんは水さしで王妃様にお水を飲ませてあげました。
「それにしてもファレスが黒魔術に興じていたとは。見抜けなかった我の責任だな」
陛下は苦虫を噛み潰したようなお顔でうつむきます。
「単なる美男子好きの侍女だと思っておりましたから。ちょっかいを出したわたしの責任でもあります」
ジェイン様はそう言うと、頭を深く下げました。
たしかにジェイン様が罪作りなのはわかりましたが、そのせいで王妃様を殺害しようとしたのはいただけません。
「ロイヤルミルクティ国内で、ファレスを指名手配しよう。だが黒魔術か。まぎらわしいことになってきたな」
通常、わたくしたちが取得できるのは普通の白魔法なのですが、黒魔術に密通しているのは特殊な才能となります。
かわいそうですが、被害がカピバラと西塔だけですんでよかったです。
「ケリーさんは、ファレスさんが王妃様を毒殺しようとしていたことに気づいていたのですか?」
「まさか。でも、どこか見抜けない部分はあったにはあった。だからこそ、王妃様の毒味係を買って出たのです。けれど、まさか黒魔術を取得するほど闇が深いとは。人間は底がしれませんね」
今、ファレスさんのことを思うとかなしくて仕方ありませんが、すでに西塔は浄化魔法で清められているとのことです。
「これを期に、西塔を従者たちの部屋に改装しようと思うのだが、どうだ? ジェイン」
陛下はジェイン様に相談を持ちかけますと、ジェイン様はすぐにそれはいいお考えです、と答えた。
「従者の家族も一緒に住めるとなおいいのではないかと思います」
おお。そうするとわたくしの家族も西塔で住めるのでしょうか?
いや、それはあまりにも図々しいですわね。
「ともかく、城とジュリアの部屋などの警備を厳重にしよう。身重の身体でその都度避難させていたら、大事になりかねないからな」
さすがは国王陛下です。きちんと王妃様のことを思っていらっしゃるのですね。素敵ですわ。
わたくしもいつか、そんな素敵な殿方にお会いしたいものです。
この日は王妃様を休ませることで、一日が終わったのでした。
つづく




