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4ー2

 放火犯がファレスさんなわけがないと言いつつも、急ぎ避難しなければなりません。


 わたくしとケリーさんは王妃様を両手で抱えるようにして部屋から出て行きます。


「あなたたちには言っておかなければならないことがあります」


 王妃様は、他に話を聞いている人がいないのを確認して話し始めました。


「ジョゼフ国王陛下は、くらげ島で魔女狩りをするつもりでおります」


 なんて? それでは、わたくしたちは狩られてしまうのでしょうか?


「そうは言っても、魔力測定器が振り切るほどの魔力を持つ者にかぎります。もし振り切ったとしても、他の者に魔力を渡すかすれば、大丈夫なのです。ですがもし、それを拒むことがあれば、レモンティ国のレモンの滝で処刑されてしまうのです。これがどういうことかわかりますか?」


 そんな、この一大事にそのような話をなされても、答えようがありません。


「陛下は王女を処刑するかもしれないのです」

「そうならないためにも、リリーにはがんばってもらうつもりです。ねぇ、リリー」


 ケリーさんに話を振られて、わたくしははい、と返事をするのが精一杯です。


 わたくしの魔力を中和させる能力次第で、王女様の命がかかっているだなんて。


 そんなこと、がんばるに決まっているではありませんか。


「王妃様、わたくしはできるかぎり精一杯努めます。ですからどうか、お心をお鎮めください」


 わたくしたちは王妃様を守りながらジョゼフ国王陛下とジョシュア様とも合流しました。


 途中、西塔の煙が流れてきたため、陛下の魔法でドーム状の空間を確保してもらいつつ、外庭に出ました。


「あなた。どうなっているのでしょう?」

「わからん。誰かが謀反を起こしたとしか思えないな」


 王妃様と国王陛下の会話を聞きながら、わたくしたちは西塔から登る炎と煙に目をやります。


 まだほんの七歳であらせられるジョシュア様が、王妃様の手をきゅっと握りしめたのを見た時には泣きそうになってしまいました。


「西塔は現在使われていないのだ」

 

 国王陛下はそう言うと、トランシーバーでジェイン様と連絡を取ります。


『こちらジェイン。炎はまだ消える気配がありません』


 ジェイン様は前線で火消しをしているようです。


 もし、このまま火が消えなかったら……。言い知れぬ不安に押しつぶされそうになります。


 と!そこで王妃様がお腹を抱えてうめきました。


「王妃様っ!?」


 このストレスのせいで、王女様にも影響があるのかもしれません。ですが今は、少しだけ我慢していてください、とわたくしは念を込めて王妃様のお腹をさすりました。


     つづく

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