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【第二十七話】『寝耳に水』

本井諭実は顰めっ面をしていた。


『今日のさっちゃんは曇り空だねぇ。昨日はあんなにご機嫌だったのに、何か嫌な事でもあったかい?』


『もう山ほどありますよッ❗️』


『まず、さっちゃんて呼ぶのやめてくださいって何度言ったらわかるんですか❗️

パワハラ+セクハラですよ❗️


そして何で私の尾行してるんですかッ❗️

ストーカーの趣味あるんですか⁉️


さらにさらに、何で待ち合わせがここ、昨日来問くんと来たカフェなんですかッ❗️


信じられない❗️

楽しい思い出が台無しですよ❗️


あと、一点訂正させてもらいますけど、「曇り空」ではなく「ゲリラ雷雨」ですから❗️』


まさにゲリラ雷雨のごとき返し。


『確かにゲリラ雷雨に遭遇した実感があるね、これは。』


『ふんっ❗️』


『本題に入りづらいけど、入っていいかい?』


『さっさと入ってくださいよっ❗️』


僕との時間、そんなにイヤ?


『まあ、何だ、その来問くんなんだけどね。最近になってちょっと気になる事がある。』


『・・何がです?』


『正確に言うと来問くんの周辺事情だ。』


『周辺事情・・そんな遠回しじゃわかりませんよ。いつもみたいに直球で言ってくださいよ』


・・・


『来問くんは、意図的に今の状況に立たされている・・・可能性が浮上した。』


『えっ?』


『まだ確証はない。ただ、最初から気にはなっていたんだ。あの時、来問くん1人だけロックをミスするなんてありえない。

でも当時は、管理課の当直者による操作ミスとの報告でその場は終わっていた。


だが先日、書類を調べてみたらその件について事故報告書が提出されていなかった。』


『どういうことです?』


『その日の担当当直が割り当てられていなかった。さらに、管理課の全員が当時それに気づいていない。』


『・・そんな事・・』


『この状況から、僕らの組織について一度見直す必要があると考えている。


・・・管理課だけでなく、全ての関係部門を警戒しろ、という事だ。』


『こんな重たい話、もっと前に教えてくださいよ・・


せっかく昨日まで稼いだ「学生ライフポイント」がすっからかんです・・』


それ何のポイント?


『すまないね、僕としてもある程度の情報が集まってからじゃないと話したくないんだよ。

大事な後輩に余計な心配かけたくないからねぇ。』


『・・つまり、最近何か情報を掴んだってことですか?』


『昨日、偶然だけど君達が解散した後にね。』



『そこから先は僕が説明しようか?』


『・・⁉️』


『・・?』


『相席してもいい?』


『・・まさか、こんな正面から来るとは想定外だねぇ、「マサシ」くん』


『・・・もしかしてこの子が・・!?』


『そう、彼が昨日会った「マサシ」くんだ。

君はどういう訳か僕らと同じ「チャネラーフラグ」を持っているようだね。』


『ん〜どうなんだろうね。

僕には何の事だかわかんないな!』


ごまかしの常套句だな。


『君は最近、来問くんの周りをうろついてるみたいだけど、目的はなんだい?』


『何それ、僕が何かを企んでる悪者みたいな言い方だなぁ』


『・・あっ❗️君は確か、昨日の学校帰りに来問くんと話してた・・』


『バレてたか・・・お姉ちゃん、可愛いから真の彼女になってくれたら嬉しいな!』



『ハァッ⁉️』


『まあ冗談抜きで、お姉ちゃんが真と付き合ってくれるなら一安心なんだけどな♪』


『ちょちょちょ・・何を言って・・』


さっちゃん、取り乱し過ぎだ。


『チャネラーのさっちゃんが来問くんの彼女になると、どうして君が安心なんだい?

彼女を利用する気かい?』


『ひどいなぁ、普通の話だろ?学生同士でお付き合いするって、学校イベントの代表じゃんか!』


『そうですよ!何でも疑ってかかればいいって話じゃないですよっ!』


こらこらさっちゃん、取り込まれてどうする。


『まあ、僕が今日2人に会いに来たのは、お願いがひとつあってね。』



「縁 夏実」を「来問 真」に近づけるな。



『真のためだから、もちろん協力してくれるよね!あと、真には僕についての話を一切しないこと!』


『もし、聞いてくれないなら、「俺が」動く事になるから、忘れないでね♪』


『じゃあまたね!ゆっくりしていって♪』


マサシはカフェを出ていった。


『やれやれ、完全にこちらが後手のスタートになっちゃったね。』


『まだ状況がよくわからないんですが、来問くんの側にはいるべきだと思いました。』


『今の様子だとマサシくんが直接来問くんに危害を加えるとは考えにくいが、ひとまず帰って情報整理かな。』


『そうですね、私も一旦帰ります』


『ドンッ❗️』


・・❗️


・・⁉️


『お待たせしました、マーベラスパフェです!』

 

『えっ?頼んでないですけど・・』


『はいっ❗️先ほどの男の子からのサービスです❗️ごゆっくりどうぞ❗️』



『え・・」


『さっちゃん・・これ、よく食べたねぇ・・』



『・・ホンット最悪です❗️』

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