【第二十話】『行雲流水』
『・・ん⁉️』
『おお❗️目覚めたか来問❗️』
『・・縁❗️大丈夫なのか⁉️』
『ハッハ❗️まずは自分の心配をしろ❗️
俺はこの通り、問題ないッ❗️』
寝起きに暑苦しい筋肉とポージングはキツイな!
『・・音無先生は⁉️』
『私がどうしたの?』
振り返ると、音無先生は椅子に座り机に頬杖をついて、横目でこちらを見ていた。
『もう、2人とも早く帰ってくれないと、私も帰れないのよ?
今何時だと思ってるの?』
いつもの音無先生だけど、何か変わった気がする。
・・って、今何時?
ヤバっ、もう20時過ぎてるじゃん❗️
『自宅には電話してあるから、早く帰りなさいよ!』
『おうっ、姉さんも早く帰れよ❗️』
『それはアナタ達次第❗️』
ん?なんだ?
色々と置いてかれた感がすごいし、何か忘れてないか?
とりあえず保健室を出た。
『なあ、縁、僕達は・・』
『来問ッ❗️今日はもう遅い❗️
その話は明日改めて話そうッ❗️』
『あっ・・ああ』
なんか勢いのまま縁と別れた。
ちょっと、このモヤモヤを抱えて家には帰れないな。
自転車で下校ルートの途中にある橋で海の方を眺めていた。
『今日はホント、ご苦労様だったねぇ❗️』
やはり来たな、サングラスの男!
『音無先生はどうなったんですか?』
『さっき調べた結果、無事に記憶は修復されていたよ。ホント2人には目いっぱい助けてもらっちゃったね♪』
『それなら良かった・・』
僕たちが命がけで頑張った甲斐があったんだな。ホントに良かった・・
ん?よく考えてみたらマジで命がけだなんて1ミリも聞いてなかったんだが、その辺はどうしてくれるんだ?報酬とかあるのか?
『さらに信じがたい事実がもう一個ある』
『・・何です?面倒ごとはもう勘弁ですよ?』
『音無萌音、彼女は記憶解析システムの接続から外れた。
つまり来問くん、君と同じく記憶を改ざんされない体質になったという事だ。』
『僕と・・同じ・・』
『だからといって、君のように止まった世界を認識することはできないんだけどね。』
それは、音無先生にとっては良いことなんだろうか?
『あーっ❗️もう❗️抜け駆けは酷いですよ❗️
私を仲間外れにして話進めるなんて信じられない❗️』
あ。
忘れていたのは本井さんのことだった!
今回の件で、僕と縁にとって最重要責任者。
『ハハッ!始末書に始末書の上乗せで泣いてるかと思ったけど、元気そうで何よりだね、さっちゃん♪』
『余計なお世話ですッ❗️そしてその呼び方、やめてください!』
『じゃあ、後の説明は任せたよ♪』
またしても自由気ままにサングラスの男は去っていった。
『全く・・いつもいつもカッコつけてばかりでカッコ悪い❗️』
本井さんはいつもの感じだ。
『来問くん、今回は助けてくれて本当にありがとう❗️
おかげで音無先生の記憶は「元に」戻ったわ。
まあ、これから色々とあるかも知れないけど、記憶障害に悩む事はもう無いから安心して。
今度2人にはお礼しなきゃね。』
そっか、これで本当のミッションコンプリートだな。
やっとモヤモヤが晴れた。
モヤモヤと言えばだ、この際だから聞いてみよう。
『本井さん、前から聞きたいと思っていたんですが、彼は誰なんですか?』
『彼?』
『あの、サングラスかけた人です。』
『法網のこと?』
『へぇ、法網って名前なんですね、あの人。』
『えっ⁉️
あの人、今まで自己紹介もしてなかったの?
ホント最低❗️』
『あ〜・・そうです、はは。』
『彼の名は「規矩 法網」。
一応、私の先輩。嫌いですけど。』
本井さん、紹介しながら嫌悪感あからさまに出さないで・・?
なんかルールに厳しそうな名前なんだけど・・あのテンションがそれを帳消しにしてる感じだな。
ついでだ、久々に質問ラッシュと行きますか!
『あなた方は一体何者なんです?』
『・・そうね。
今回のことで大分助けてもらったし、今更隠すのは失礼よね。
彼と私は「チャネラー」よ。
改めてよろしくね♪』
チャネラー?
それだけじゃ全ッ然わからないんですけどッ!?




