異世界の日常
「…起きたか、タツヤ」
ユウの囁くような小さな声を俺は逃さなかった。
まだネアが直ぐ側にいるような気がしてならない。
きっと監視でもしてるんだろう。
「よかった〜、起きれるね。ケガ大丈夫?見た感じ治ってそうだったから魔法使わなかったけど…」
「ああ、大丈夫そうだ。」
ノアの心配そうな声に安堵する。
同時にもっとこの世界について知る必要があると感じてノアに聞いてみる。
「そういえばノアは魔法が使えるのか?俺が来たときもそんな話をしてたよな?」
「使えるよ。ちょっとだけだけどね。あんまり魔法は得意じゃないんだ。」
「この世界には魔法を使える種族がいてね、エルフもそのなかの一種なんだ。長寿だから凄い魔法使いもいっぱいいるんだ。」
ノアは淡々とているように見えた。
やっぱりか。魔法だとかなんだとか結構ゲームみたいな世界に来たみたいだ。
「俺も使えるのか?」
「うーん…属性みたいなのがあるからな〜」
「僕は魔法は使えましたよ。でもノアさんみたいな回復魔法は使えなかったな。魔法が使えるっていうののなかにも属性があるみたい。」
「魔法は身体に意識を向けると魔力が流れてるのが体感できると思うよ!私はその感覚大好きでよく魔力を高めるためにやってたな〜」
言われたとおり身体に意識を向ける。
深く息を吸い、吐く。
体の内側を見るように体全体へ意識を向ける。
ドクン……ドクン…ドクン、ドクン
だんだん鼓動が速くなる。呼吸が浅くなる。
ハァ、ハァ…
体の中を何かわからない気持ち悪いものが駆け巡る、そんな気がした。
「ノアきついんだけど…ほんとにこれ好きなのか?」
「うーん…タツヤには魔法の適性があんまりないのかも…」
「見た感じ魔力も感じられないな。」
見てわかるなら早く言えよとユウに少し腹を立てる。
「じゃあ俺は何ができんだよ!」
せっかく異世界に来たのに魔法も使えないことにイライラが募る。
「武器使うのうまそうじゃない?私が貸した弓矢めっちゃうまく使ってたし!」
ノアの言葉に俺にも少しの希望が見えた。
せっかくならいい感じの剣とかが欲しいな。
「そういえばこの世界にも敵みたいなのはいるのか?」
純粋な疑問だった。敵がいないならそんなに武器も必要ないからいいものがない可能性もある。
「敵ではないけど魔物がいるよ。そのために僕もノアさんに魔法を少し教えてもらったんだ。」
「タツヤの武器も早く見つけないとね〜街の方に行こうか!」
それからノアに魔物について教えてもらいながら3人で街へ向かって歩いていく。
道はノアが知っているらしい。
少し歩くいてみたが、だんだんと動物たちもいなくなり、静かさが増す。木々が高くなり、光がほとんど差してこない。
本当にノアは道を知ってるのか?
「ノアさん、道合ってますかね?」
ユウも心配になってきたらしい。早口でノアに質問する。
「こっちのほうが近いから!」
そう言って足早に行くノアに追いつくためにスピードを上げる。
息が上がってくる。これは速く歩いたからなはずだ。
「ひっ」
ノアの短い悲鳴だけが俺の耳に届いた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
ノアに何があったのか、その後のタツヤとユウはどんな行動をとるのか。次の話もお楽しみに。




