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掟と罰

何が起きたんだ…?

胸が苦しい、首筋が痛む。

胸を中心に全身に鈍痛が巡り首筋に集まるそんな感じたこともないような気味の悪い痛みが続く。


「はじめまして…タツヤ」


頭に声が響き渡る。聞いたことがない、ノアでもユウでもない声だ。


その声に感情は全く乗っていない。ロボットのような機械的な声がより恐怖をあおる。


クソが…さっさと失せろや


「そのような乱暴な言葉を使ってはなりません。」


その声が響くと同時に傷口をえぐられるようなひどい痛みが襲う。


歯を食いしばって耐えようとするがうまく力がはいらない。


「私はあなたを裁くもの、ネアです。」


「あなたは地獄か転生かの選択の時、転生を選びここへ来ました。しかし、選択肢に地獄があるのにそう簡単に転生して楽しく過ごせるわけがないじゃないですか。」


そう冷たく言われ、全身から汗が噴き出してきた。焦り、緊張、恐怖、怒り。マイナスな感情ばかりがふつふつと込み上げてきて何とも言えない気持ち悪さにのまれる。


「あなたには反省してもらう必要があります。しかし、あなたは言葉だけではだめしょう?だからこのように痛みを与えているのです。」


反省…?俺が?

なんで俺なんだよ!俺をはねたやつはいいのかよ!

俺はそんなことはしてない。…はずだ。


「この期に及んで反省どころか自覚もしていないのか。〇〇からいつも金を巻き上げ、暴力を振るい、あげくの果てに〇〇を自殺に追い込んだ。そうだろう?」



自殺…


あのいつも下を向いていたメガネのことか?


でもあいつは自殺した。自分から死を選んだんだ。俺は何もあいつを刺したわけじゃないだろ?なあ?


「命というのは神から授かった最も大切なものだ。その命を粗末に扱うことは許されない。たとえ直接的でなくとも、命を落とす原因を作ったものには罰が必要だ。」


どこの何の決まりだか知らんが俺が悪いらしい。あいつの顔ももう思い出せない。


ネアの言う通りだとすればこいつの冷たい声も、罰を与える時のうっすらとした笑顔も理由がつくかもしれない。


「これはこの世界の掟だ。」


事の重大さを測りかねていたのかもな。

自分の安易な選択を後悔すると同時にネアの掌の上のような気がして悔しくもある。




「…ただし、これは命を大切にし、他者を思いやり、救う。そういう事ができれば痛みは与えられない。命を粗末に扱ったんだから人を救うことで償え。」


そうか…そうか…。

こいつらは、カミサマは、俺にそれを求めるのか。いいじゃねえか。痛みを感じるくらいならちょっとくらい優しくできるだろ。


地獄よりよっぽどマシだな。


ネアはきっと俺をもっと苦しめたいんだろうな。

命令口調になってまでその思いを殺してるネアはすごく滑稽に見える。




「…起きたか、タツヤ」


ユウの声が聞こえる。ネアの声はもう消えた。


でもまだあの気持ち悪い恐怖感は残り続けている。

そのせいかユウの声にネアと同じような残虐さを感じてならない。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

ユウは何を思ってタツヤに目覚めたタツヤに声をかけたのか。タツヤへ振り注ぐ罰はどんな結末を呼ぶのか。

次も楽しみにしていてください。

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