第六十六花「評価と、まだ見ぬ改善点」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 放課後・部室
「ふぅ……」
私は椅子に深く座り込んだ。
「思ったより、反応すごかったね」
「ええ」
芽草ちゃんがノートをめくる。
「感想、かなり集まってるわ」
◆
机の上には、感想メモの山。
『キャラがかわいい』
『音が心地いい』
『ストーリーが優しい』
『もう少し難易度がほしい』
「……おお」
私は目を丸くする。
◆
「改善点もはっきりしてきましたね」
睡蓮さんが静かに言う。
「動作は安定していますが、テンポにばらつきがあります」
「なるほど……」
◆
「音の長さも、場面によって調整の余地ありです」
菫ちゃんがメモを見ながら続ける。
「特に感情シーン」
「うんうん……」
◆
「バグは少ないですが」
リリィちゃんが少しだけ手を上げる。
「一部ルートで、選択肢の表示タイミングがずれていました」
「さすがリリィちゃん……!」
◆
「まとめると」
芽草ちゃんが整理する。
「完成度は高い」
「でも、もっと良くできる」
◆
「つまり……」
私はゆっくり言う。
「“完成したけど完成じゃない”ってこと?」
「そういうことね」
芽草ちゃんが微笑む。
◆
「いいね、それ」
私は少し笑う。
「なんか、ワクワクする」
◆
その時――
「皆さん」
風信子 桃花先生の声。
部室の扉にもたれながら、先生は静かに言った。
◆
「評価が出たのよ」
「え?」
一瞬、空気が変わる。
「校内での評価……かなり高いわ」
◆
「ほんとですか!?」
私は思わず立ち上がる。
「ええ」
先生は頷く。
「“学生がここまで作れるのか”って驚いている生徒も多い」
◆
「……やった」
翔ちゃんが小さく呟く。
「……嬉しいです」
睡蓮さんも少しだけ表情が柔らかい。
「よかった……」
菫ちゃん。
「……ふふ」
リリィちゃんは少し照れている。
◆
「でもね」
先生が続ける。
「ここからよ」
「え?」
◆
「評価が高いということは」
「次を期待されるということでもある」
◆
その言葉に、部室が少し静かになる。
「……次」
私は呟く。
◆
芽草ちゃんが静かに頷く。
「ええ」
「ここで終わらせるには、もったいないわね」
◆
「もっと……」
私は机を見つめる。
「もっと面白くできる」
「もっと驚かせられる」
◆
「そういうこと」
先生が優しく言う。
「あなたたちはもう、“作れる側”に入ってるのよ」
◆
その言葉が、
じんわり胸に残る。
「……うん」
私は小さく頷いた。
◆
「よし」
芽草ちゃんが立ち上がる。
「次のアップデート、始めましょうか」
「おー!」
私は笑う。
◆
――まだまだ、伸びる。
――まだまだ、強くなる。
◆
部室に、再び熱が戻る
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




