第六十三花「届ける準備と、はじめての一歩」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 翌日・放課後・部室
「よーし!」
私は勢いよく机に手をついた。
「完成したゲームを……どうやって届けるか考えよう!」
「ようやくその段階ね」
芽草ちゃんが微笑む。
◆
「方法はいくつかあります」
睡蓮さんがタブレットを操作する。
「校内での試遊会、配布用データの作成、外部コンテストへの応募……」
「いっぱいあるね……!」
◆
「まずは」
リリィちゃんが小さく言う。
「身近な人に遊んでもらうのがいいと思います……」
「反応、見やすい」
「たしかに!」
◆
「じゃあ……校内で試遊会!」
私は手を挙げる。
「昼休みとか、放課後に来てもらう感じ!」
「いい案ね」
芽草ちゃんが頷く。
◆
「ポスターも必要ですね」
翔ちゃんがスケッチブックを開く。
「目を引くやつ」
「おお……!」
◆
「音のデモも用意します」
菫ちゃんが静かに言う。
「興味を引くには大事」
「さすが!」
◆
「では、配布用のビルドも作成します」
睡蓮さんがキーボードを叩く。
「不具合が出ないよう、安定版を」
「お願いします!」
◆
「……私、チェック、増やします」
リリィちゃんがノートをぎゅっと握る。
「人が触ると、予想外の動き、出るかもなので……」
「頼もしい……!」
◆
「よし!」
私はぐるっとみんなを見る。
「それぞれ準備、開始だー!」
「ええ」
「……うん」
「がんばります」
「やります……!」
◆
数日後――
◆ 部室
「できた!」
翔ちゃんがポスターを掲げる。
そこには、
可愛らしいキャラクターと、
柔らかい色合いで描かれたタイトル。
「わぁぁ……!」
私は目を輝かせる。
「めっちゃいい!!」
◆
「シンプルで伝わるわね」
芽草ちゃんも満足そうに頷く。
◆
「こちら、配布用データです」
睡蓮さんがUSBを差し出す。
「動作確認も済んでいます」
「完璧……!」
◆
「音も、調整終わりました」
菫ちゃん。
「試遊用は少し短めにしてます」
「いいね!」
◆
「……バグ、今のところなしです」
リリィちゃんが少し誇らしげに言う。
「どのルートも確認済みです」
「すごい……ありがとう!」
◆
「よし……」
私は深呼吸する。
「じゃあ――貼りに行こう!」
◆ 廊下・掲示板前
ペタッ
ポスターを貼る。
「……なんか」
私は少しだけ緊張する。
「いよいよって感じ」
「ええ」
芽草ちゃんが隣に立つ。
「ここからが本番よ」
◆
「誰か、来てくれるかな……」
私はぽつりと呟く。
「きっと来るわ」
「だって」
「いいものを作ったんだから」
◆
その時――
「……あの」
後ろから声がした。
振り向くと、
掲示板を見ていた生徒が一人。
「これ……」
「ゲーム、ですか?」
◆
「はい!」
私は思わず前に出る。
「私たちが作ったゲームです!」
「……ちょっと、やってみてもいいですか?」
◆
「もちろん!」
私は笑顔で答える。
◆
芽草ちゃんが小さく微笑む。
「……来たわね」
◆
小さな一歩。
でも確かな、
“誰かに届く瞬間”。
◆
――物語は、ここから広がっていく。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




