第六十花「秋風に揺れるコードと、次の一歩」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 十月・放課後・部室
「もう、十月かぁ……」
窓の外には、少しだけ色づき始めた木々。
風が吹くたびに、葉が揺れている。
「早いものね」
芽草ちゃんが静かに言う。
「夏が終わったと思ったら、もう秋よ」
「ほんとだね……」
◆
「最近、エラー減ってきました」
睡蓮さんが画面を見ながら言う。
「安定してきています」
「やった!」
◆
「絵も、だいぶ揃ってきた」
翔ちゃんがスケッチを並べる。
「キャラの統一感、出てきた」
「すごい……!」
◆
「音も、季節に合わせて調整中です」
菫ちゃんがイヤホンを外しながら言う。
「秋っぽい雰囲気、意識してます」
「いいね!」
◆
「バグ報告、少なくなりました」
リリィちゃんがノートを見せる。
「前より安定してます」
「おお……!」
◆
「つまり」
芽草ちゃんがまとめるように言う。
「完成に近づいてるってことね」
「……うん」
私は少しだけうなずく。
「ほんとに、ここまで来たんだ」
◆
「でも」
芽草ちゃんが続ける。
「ここからが一番大事よ」
「え?」
◆
「細かい調整で、作品の印象は大きく変わるわ」
「プレイヤーがどう感じるか、最後まで見ないといけない」
「なるほど……」
◆
「ねぇ」
私はふと思う。
「完成したら、どうなるんだろ」
一瞬、静かになる。
「……公開」
睡蓮さん。
「……評価」
翔ちゃん。
「……反応」
菫ちゃん。
「……修正点、確認」
リリィちゃん。
◆
「ふふっ」
芽草ちゃんが笑う。
「忙しくなるわね」
「だね!」
◆
「でもさ」
私は机に手を置く。
「なんか怖いけど……楽しみでもある」
「ええ」
芽草ちゃんが頷く。
「それが“作品を出す”ってことよ」
◆
窓の外で、風が吹く。
葉が一枚、舞い落ちる。
「秋だね」
「ええ」
「……静か」
「いい季節です」
「音も映えそう」
「ちょっと、寂しいけど……好きです」
◆
「よし!」
私は立ち上がる。
「今日もやろう!」
「ええ」
「……うん」
「了解」
「作業、続けます」
「はい……!」
◆
カタカタと響く音。
秋の風と混ざる静かな時間。
少しずつ完成へ近づいていく。
◆
――季節が変わるたび、作品も育っていく。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




