第五十九花「放課後の小さなご褒美」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 放課後・部室
「……できた!」
私は勢いよく顔を上げた。
「シナリオの修正、全部終わった!」
「お疲れ様」
芽草ちゃんが静かに微笑む。
「いいペースね」
◆
「確認しますね」
睡蓮さんが画面を操作する。
カチ、カチ……
「……問題ありません」
「やったぁ〜!」
◆
「……良くなってる」
翔ちゃんが小さく頷く。
「表情、想像しやすい」
「ほんと!?」
「……うん」
◆
「音も合わせてみました」
菫ちゃんが再生ボタンを押す。
――優しい音楽が流れる。
少し切なくて、でも温かい旋律。
「……すごい」
「ぴったり……」
「雰囲気、出てる」
◆
「……バグも、大丈夫です」
リリィちゃんがメモを見ながら言う。
「このシーン、問題ありませんでした」
「ありがとう!」
◆
「いい流れね」
芽草ちゃんが全体を見る。
「ここまで来たら、かなり完成に近いわ」
「ほんとに……?」
「ええ」
◆
「なんかさ……」
私はぽつりと呟く。
「ここまで来ると、ちょっと寂しいかも」
「寂しい?」
「うん」
「作るの、楽しかったから」
◆
「ふふっ」
芽草ちゃんが笑う。
「まだ終わりじゃないわよ」
「え?」
「完成してからが本番」
「……あ」
◆
「プレイしてもらって、評価されて」
「そこからまた学ぶの」
「そっか……!」
「……終わりじゃない」
翔ちゃんもぽつり。
「続く」
◆
「よし!」
私は手を叩く。
「じゃあ今日はご褒美にしよ!」
「ご褒美?」
「うん!」
◆
「コンビニ寄って、何か買って帰ろう!」
「いいわね」
「……賛成」
「甘いもの、食べたいです」
「音楽聴きながら食べたい」
「わ、私も……!」
◆
◆ 学校帰り・コンビニ
「わぁ〜いっぱいある!」
「迷うわね」
「……これ」
「期間限定って書いてある……」
「こっちも気になる……!」
◆
「決めた!」
私はお菓子を手に取る。
「これにする!」
「私はこれ」
「……同じの」
「私はこれにします」
「これ、音楽聴きながら合いそう」
「わ、私はこれ……!」
◆
◆ 帰り道
「いただきまーす!」
袋を開ける音。
「おいしい〜!」
「ふふっ」
「……甘い」
「いいですね」
「幸せな音」
「ほ、ほんとに……!」
◆
「こういうのもいいね」
私は空を見上げる。
少し赤く染まった夕焼け。
「ええ」
「……いい」
「大事な時間です」
「心、落ち着く」
「はい……!」
◆
「また頑張ろうね」
「ええ」
◆
帰り道。
お菓子を食べながら、
笑いながら、
少し遠回り。
◆
――頑張ったあとのご褒美は、少し特別。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




