第六花「ゲーム開発部!活動開始!!!」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃん、星咲 睡蓮さん、糸刃 翔ちゃん――
ついに四人そろって、ゲーム開発部の活動が始まります!
「はい、これで部活として認められて活動できるわよ」
先生が差し出した書類を見て、私は思わず声を上げた。
「ありがとうございます!」
胸がいっぱいになる。
本当に、ここから始まるんだ。
◆
放課後、部室棟。
「よーし!今日から本格的に活動開始だね!」
勢いよく扉を開けて中に入る――と。
「……ん?」
私はその場で固まった。
「……あれ、みんなどうしたの?」
芽草ちゃんと翔ちゃんが、部屋の中を見回しながら立ち尽くしている。
「えっと、これ……」
翔ちゃんが指さす。
「え!?」
そこにあったのは――
ずらりと並ぶ、見たこともないような機材の数々だった。
高性能そうなパソコン、大きなモニター、見慣れない装置、タブレット、音響機材まで。
どう見ても、普通の高校の部室の光景じゃない。
「朝来たら、こうなってたのよ……」
芽草ちゃんが少し呆れたように言う。
「な、なにこれぇ……」
完全に理解が追いつかない。
そのとき――
「……あら?みんな来たのね」
部屋の隅から、落ち着いた声がした。
「睡蓮さん!えっと、これは……?」
振り向くと、いつも通り優雅に微笑む睡蓮さん。
「えぇ、とりあえず、必要そうなものはすべて取り寄せたわ」
「はぇ~……」
思わず間の抜けた声が出る。
「たしか、睡蓮さんのお家ってお金持ちよね」
芽草ちゃんが半ば確信したように言うと、
「えぇ、奮発しちゃった♪」
と、軽やかに返ってきた。
スケールが違う……!
「すごい……どれも最新型!」
翔ちゃんが目を輝かせながら機材を見ている。
「えぇ、間違いないわね」
芽草ちゃんも頷く。
「ねぇ!これ全部使っていいの?」
期待を込めて聞くと――
「えぇ、もちろん。足りないものがあったら言ってください。取り寄せますので」
さらっと、とんでもないことを言った。
「ありがとー!!」
思わず飛び跳ねる。
「これでさっそく作れるね!」
夢だった“ゲーム制作”が、急に現実になった気がした。
「どんなの作る?」
翔ちゃんが少しわくわくした様子で聞いてくる。
「そうねぇ……」
芽草ちゃんが少し考えてから、口を開いた。
「まずは簡単なミニゲームから作って、それからどんどん大きいのにも挑戦すればいいんじゃないかしら」
「なるほど……!」
現実的で、でもちゃんと未来が見える案だ。
「中身は私と芳乃ちゃんに任せて、プログラミングは睡蓮さん、イラストは翔さんに……」
「役割分担ね」
睡蓮さんが頷く。
「……あとは、サウンドかしら」
その一言で、少しだけ空気が止まった。
「サウンド、ですか……」
睡蓮さんが少し考え込む。
「レトロゲームでしたらできますが、本格的なものを作るとなるとサウンド担当が必要ですね」
「そっか……」
私は小さく頷いた。
「また探さなきゃ」
部員集めは、まだ終わっていない。
でも――
「ふふっ、でも焦る必要はないわ」
芽草ちゃんがやわらかく笑う。
「顧問といっしょに、これから探していきましょ」
「……うん!」
今は四人。
でも、この場所には確かに“始まり”がある。
並んだ機材、仲間たちの声、胸の高鳴り。
「よーし!まずはミニゲーム作ろう!!」
誰よりも大きな声で、私は宣言した。
ゲーム開発部――
ついに、本格始動です!
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




