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Bloom Code ―太陽女学院ゲーム開発部―  作者: れんP
一学期編

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第五花「ボーイッシュ少女と四人目の部員!」

私は染井 芳乃(ソメイヨシノ)

太陽女学院の新入生!


 


今は城津 芽草(シロツメクサ)ちゃんと星咲 睡蓮(ホシザキスイレン)さんと一緒に、ゲーム開発部の部室の場所を確認するために部室棟へ来ています。


 


「えっと、部室棟の……ここだ!」


 


扉の前で立ち止まり、ゆっくりとドアを開ける。


 


「……わぁ〜!」


 


思わず声が漏れた。


 


中は想像していたよりずっと広くて、窓からはやわらかな光が差し込んでいる。机や椅子はまだ少ないけれど、これから何かが始まる場所としては、十分すぎるくらい素敵だった。


 


「中は結構広いわね」


芽草ちゃんが腕を組みながら頷く。


 


「えぇ、それに日当たりも良くて美しいですね」


睡蓮さんも穏やかに微笑む。


 


「うん!ここでゲーム作るんだ……!」


 


胸の奥が、わくわくでいっぱいになる。


 


だけど――


 


「……新しい部員、見つけないとだよね」


 


現実に戻ると、ちょっとだけ不安も顔を出した。


 


 



 


次の日。


 


「う〜ん……新しい部員、なかなか見つからないよ〜……」


 


廊下を歩きながら、私はため息をついた。


 


掲示板に張り紙もしたし、声もかけてるけど、なかなかうまくいかない。


 


そのとき――


 


「……ん?」


 


ふと、見慣れない教室に目が留まる。


 


「あれ?ここ空いてたっけ……あ」


 


そっと中をのぞくと、教室の隅にひとりの少女がいた。


 


短めの髪に、どこか中性的な雰囲気。

机に向かって、なにかに集中している。


 


「なにか書いてる……?」


 


気になって、思わず声をかけてしまった。


 


「なにかよう?」


 


振り向いたその目は、少しだけ警戒しているようだった。


 


「あっ、えっと……気になって……」


 


しどろもどろになりながら答えると、


 


「そう」


 


とだけ短く返される。


 


でも、帰ろうとはしなかった。


 


「何書いてるの?」


 


勇気を出して聞いてみると、少女は少しだけ迷ったあと――


 


「ん」


 


と、スケッチブックを差し出してくれた。


 


「わぁ!!上手!!」


 


そこに描かれていたのは、まるで今にも動き出しそうなキャラクターの絵。


線も、表情も、すごく生きている。


 


「……ありがと……」


 


少女は少し照れくさそうに視線を逸らした。


 


「どうしてここで描いてるの?教室とかじゃダメなの?」


 


「恥ずかしいし……それに、あんまりうまくないし」


 


「えぇ〜!?そんなことないと思うけど……」


 


本当にそう思った。

この絵を見て、そう思わない人なんていないはず。


 


そのとき、少女がぽつりと呟いた。


 


「……糸刃 翔(イトバ ショウ)


 


「え?」


 


「糸刃翔……私の名前」


 


「あ……!」


 


私は思わず笑顔になる。


 


「私は染井 芳乃!よろしくね!」


 


そして――勢いのまま、言葉が飛び出した。


 


「ねぇ!ゲーム開発部に入らない?」


 


「ゲーム開発部?」


 


翔ちゃんは少し驚いた顔をする。


 


「私、ゲームなんて作れないよ?」


 


「ううん、そうじゃなくて!」


 


私は首をぶんぶん振る。


 


「翔ちゃんの絵を、ゲームのキャラクターにしたいの!」


 


「私の……絵を?」


 


その言葉に、翔ちゃんの目が少しだけ揺れた。


 


「うん!絶対いいゲームになると思うの!どうかな?」


 


 


少しの沈黙。


 


 


翔ちゃんはスケッチブックを見つめて――


 


それから、ゆっくりと顔を上げた。


 


 



 


数分後。


 


部室にて。


 


「新しく、ゲーム開発部の部員になった、糸刃 翔ちゃんです!」


 


私は元気よく紹介した。


 


「い、糸刃翔……です……」


 


「城津 芽草よ」


 


「星咲 睡蓮です」


 


「よ、よろしく……」


 


少し緊張している翔ちゃんに、二人は優しく微笑む。


 


「翔ちゃんの絵って、とっても上手なんだ!」


 


「まあ」


 


「それは見てみたいわね」


 


「こ、これです……」


 


翔ちゃんが差し出したスケッチブックを見て――


 


「まあ、お上手」


 


「えぇ、ひと目見ただけでわかるわ」


 


二人ともすぐにその実力を認めた。


 


「うんうん!やっぱりそうだよね!」


 


嬉しくて、つい声が弾む。


 


そのとき――


 


ガラッ。


 


部室の扉が開いた。


 


「あら、そろったみたいね」


 


「先生!」


 


私は勢いよく振り返る。


 


「これで、いけますか?」


 


少しだけ緊張しながら聞くと、先生はにっこり笑った。


 


「えぇ、もちろん。あとは顧問がいれば、大会に出るときに申請ができるわよ」


 


「っ……はい!」


 


あと一歩。


 


でも、確実に前に進んでいる。


 


「顧問を見つけるついでに、道具も準備しなきゃね」


 


「それでしたら、こちらで用意しましょう」


 


「いいの?ありがとう!」


 


「お友だちのためですもの」


 


その言葉に、翔ちゃんがはっとしたように顔を上げる。


 


「もちろんあなたも、お友だちですよ」


 


「ッ……!!」


 


一瞬、驚いたような顔。


 


そして――ほんの少しだけ、嬉しそうに笑った。


 


「ふふっ」


 


芽草ちゃんが優しく笑う。


 


私はぐっと拳を握った。


 


「うん!みんなで育てよう!」


 


「そして大会に!」


 


「「「お〜〜〜!!!」」」


 


 


こうして、ゲーム開発部は四人になった。


 


まだ小さな、小さな部活。


 


でも――


 


ここから、きっと大きな何かが生まれる。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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