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Bloom Code ―太陽女学院ゲーム開発部―  作者: れんP
一学期編

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第四花「健康診断と身体測定!」

私は、染井 芳乃(ソメイヨシノ)


今日は――健康診断と身体測定の日!


この太陽女学院では、クラスごとに順番が決まっていて、

今日は私たちのクラスと、いくつかのクラスが一緒に受ける日なの。


 


「緊張してるの?」


 


隣を歩く芽草(メクサ)ちゃんが、少しだけ覗き込むように聞いてくる。


 


「うん……」


 


正直にうなずく。


 


「別に痛いことはないって分かってるんだけど……なんか、こう……落ち着かなくて」


 


そう言いながら、無意識に自分の髪に触れる。

桜の花びらが、少しだけしおれ気味だ。


 


「緊張しなくても、すぐ終わりますよ」


 


やわらかな声が後ろから届く。


振り向くと、そこには星咲 睡蓮(ホシザキスイレン)さん。


 


「私は隣のクラスですから、芳乃さんと芽草さんのクラスのあとになりますが」


 


相変わらず落ち着いた様子で、優雅に微笑んでいる。


 


「さすがに慣れてる感じだね……」


 


思わずそう呟くと、


 


「えぇ、何度か家で経験していますので」


 


と、さらりと返された。


 


(すごいなぁ……)


 


そんなことを思っているうちに、私たちは更衣室の前にたどり着いた。


 


 


「それじゃあ、着替えましょうか」


 


芽草ちゃんに言われて、私はこくんと頷く。


 


更衣室の中は、同じクラスの子たちで少し賑やかだった。

みんな制服から検査用の軽い服装に着替えている。


 


(なんか……ちょっとドキドキする)


 


こういうの、あまり慣れていない。


 


「芳乃ちゃん、リラックス」


 


芽草ちゃんが、小さく声をかけてくれる。


 


「う、うん……」


 


深呼吸をひとつ。


 


そのとき――


 


ガチャッ。


 


更衣室の扉が開く音。


 


一瞬だけ、そちらに視線が向く。


 


入ってきたのは――短く整えられた髪。

動きやすそうな軽やかな雰囲気の、どこかボーイッシュな印象の女の子だった。


 


無駄のない動きでロッカーに向かい、さっと着替えを始める。


 


(なんか……かっこいい人だな……)


 


自然と、そんな感想が浮かぶ。


 


その子は誰とも話すことなく、淡々と準備を終えると――

ふっとこちらに視線を向けた。


 


一瞬、目が合う。


 


でもすぐに逸らされて、そのまま更衣室を出ていった。


 


 


「……?」


 


なぜか、少しだけ気になった。


 


でも、その理由は分からないまま。


 


 


「行きましょう、芳乃ちゃん」


 


「う、うん!」


 


芽草ちゃんに呼ばれて、私は意識を戻す。


 


 


 


更衣室を出ると、そのまま保健室へと案内された。


 


「次の方〜」


 


先生の声に呼ばれて、順番に検査を受けていく。


 


身長、体重、視力。


それから、緑人特有のエネルギー循環のチェックや、葉や花の状態の確認。


 


「少し緊張してるわね。深呼吸して」


 


保健の先生に優しく言われて、私はこくんと頷く。


 


(大丈夫、大丈夫……)


 


ゆっくりと息を吸って、吐いて。


 


そのうち、少しずつ落ち着いてきた。


 


 


「はい、次」


 


検査は思っていたよりもあっさり終わっていく。


 


 


「……終わったぁ」


 


最後の項目を終えたとき、思わず力が抜けた。


 


「ほら、言った通りすぐ終わったでしょ?」


 


芽草ちゃんが小さく笑う。


 


「うん……ほんとだね」


 


気づけば、さっきまでしおれていた桜の花びらも、少し元気を取り戻していた。


 


 


保健室を出ると、廊下にはまだ他のクラスの生徒たちが並んでいる。


 


その中に――


 


さっき更衣室で見かけた、あの子の姿があった。


 


壁にもたれかかるように立っていて、腕を組んでいる。

どこか無愛想で、でも――不思議と目を引く。


 


(あ……)


 


また、目が合いそうになって。


 


今度は、私の方が先に逸らしてしまった。


 


 


胸の奥が、ほんの少しだけざわつく。


 


理由は分からないけど――


 


(なんか……気になるな)


 


 


その感覚は、まだ小さな種みたいで。


 


これからどうなるのかなんて、全然分からない。


 


 


でもきっと――


 


何かが、始まりかけている。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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