第五十七花「秋風と寄り道タイム」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 二学期・放課後・部室
「ふぅ〜……」
私は大きく伸びをする。
「ちょっと疲れたかも……」
「珍しいわね、芳乃ちゃんが弱音なんて」
芽草ちゃんがくすっと笑う。
「だって今日はいっぱい書いたし……」
「確かに、進みましたね」
睡蓮さんが画面を見ながら頷く。
「……がんばった」
翔ちゃんも小さく言う。
◆
「少し、気分転換しませんか?」
菫ちゃんが提案する。
「いいね!」
私はすぐに食いつく。
「どこ行く?」
「近くにカフェがあります」
「カフェ!?」
◆
「いいわね」
芽草ちゃんも頷く。
「たまには外で息抜きも必要よ」
「……行きたい」
「わ、私も……!」
「では決まりですね」
◆
◆ 学園近くのカフェ
カラン、とドアの音。
「いらっしゃいませ」
「わぁ……おしゃれ……」
店内は落ち着いた雰囲気で、ほんのり甘い香りが漂っている。
「落ち着きますね」
「席、空いてるわよ」
◆
それぞれ席につく。
「何頼む?」
メニューを開く。
「えっと……これ美味しそう!」
「芳乃ちゃんは甘いものばかりね」
「だって美味しいもん!」
◆
「私はこれにします」
「……同じので」
「私は……これ……」
「じゃあ私はこれに」
◆
注文を終えて、しばらく。
「こういう時間もいいですね」
睡蓮さんが穏やかに言う。
「ええ」
「作業ばかりだと、煮詰まるもの」
◆
「ねぇ」
私はふと思い出す。
「みんなって、ゲーム以外だと何してるの?」
「……絵」
翔ちゃんが即答する。
「やっぱり!」
◆
「私は音楽です」
菫ちゃん。
「作るのも、聴くのも好き」
「かっこいい……!」
◆
「私は本を読むことが多いわね」
芽草ちゃん。
「知識は武器よ」
「さすが……」
◆
「私は……観察、です」
リリィちゃんが少し恥ずかしそうに言う。
「人とか、行動とか……」
「それ、めっちゃ役立ってるよ!」
「は、はい……!」
◆
「私はプログラムですね」
睡蓮さんが微笑む。
「作るのが楽しいんです」
「みんなすごいなぁ……」
◆
「芳乃ちゃんは?」
「え?」
「私は……ゲーム!」
一瞬の沈黙。
「……知ってる」
「ふふっ」
「その通りですね」
◆
そのとき、注文が運ばれてくる。
「お待たせしました」
「わぁ〜!」
「美味しそう……!」
◆
「いただきます!」
一口。
「おいしい〜!!」
「ふふっ」
「……いい」
「落ち着く味」
「優しいですね」
「……幸せ」
◆
ゆったりと流れる時間。
ゲームの話も、
日常の話も、
全部が混ざる。
◆
「また来たいね」
「ええ」
「……来たい」
「ぜひ」
「はい……!」
◆
店を出る。
外はすっかり夕方。
ひんやりとした秋の風。
「気持ちいいね」
「秋ね」
◆
「よし!」
私は軽く伸びをする。
「明日からまた頑張るぞー!」
「ええ」
「……がんばる」
「はい」
「音、仕上げます」
「バグも……見つけます!」
◆
帰り道。
少し遠回り。
でも、それも悪くない。
◆
――寄り道も、大切な時間。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




