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Bloom Code ―太陽女学院ゲーム開発部―  作者: れんP
二学期編

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第五十六花「小さな発見と、それぞれのこだわり」



 


私は染井 芳乃(ソメイヨシノ)

城津 芽草(シロツメクサ)ちゃんと星咲 睡蓮(ホシザキスイレン)さんと糸刃 翔(イトバ ショウ)ちゃんと花森 菫(ハナモリ すみれ)ちゃんと顧問の風信子 桃花(ヒヤシンス ももか)先生と黒百合 リリィ(クロユリ りりぃ)ちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!

私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!


 


 


◆ 二学期・放課後・部室


 


「うーん……」


 


 


私はノートを前にして唸っていた。


 


 


 


「どうしたの?」


 


 


芽草ちゃんが顔を上げる。


 


 


 


「ここさ……」


 


 


ノートを見せる。


 


 


 


「このイベント、なんか“普通すぎる”気がして」


 


 


 


「普通、ね」


 


 


 


芽草ちゃんは少しだけ考える。


 


 


 


「悪くはないけど、“印象には残りにくい”かもしれないわね」


 


 


 


「やっぱり?」


 


 


 



 


 


「……ちょっと見ていい?」


 


 


 


翔ちゃんが近づいてくる。


 


 


 


「うん!」


 


 


 


ノートをじっと見る。


 


 


 


「……ここ」


 


 


 


指で一箇所を示す。


 


 


 


「会話、短い」


 


 


 


「あ」


 


 


 


「感情、足りない」


 


 


 


 


「なるほど……!」


 


 


 



 


 


「確かに」


 


 


 


芽草ちゃんも頷く。


 


 


 


「ここはもっと、キャラ同士のやり取りを増やしたほうがいいわね」


 


 


 


「会話で見せるってことかぁ……」


 


 


 



 


 


「音も」


 


 


 


菫ちゃんがぽつりと言う。


 


 


 


「このシーン、静かすぎるかも」


 


 


 


「え?」


 


 


 


「少しだけ環境音入れると、雰囲気出る」


 


 


 


「たしかに……!」


 


 


 



 


 


「プログラム的にも」


 


 


 


睡蓮さんが口を開く。


 


 


 


「演出のテンポを少し変えたほうがいいかもしれません」


 


 


 


「演出?」


 


 


 


「テキストの表示速度や、間の取り方です」


 


 


 


「そんなところまで……!」


 


 


 



 


 


「……あと」


 


 


 


リリィちゃんが小さく手を挙げる。


 


 


 


「プレイヤー目線だと……」


 


 


 


「うん?」


 


 


 


「ここ、選択肢あったほうがいいと思います」


 


 


 


 


「おお……!」


 


 


 


「分岐ポイント、増やす感じ?」


 


 


 


「はい……!」


 


 


 



 


 


「……すごい」


 


 


 


私は思わず呟く。


 


 


 


「一つのシーンなのに、こんなに改善できるところあるんだ」


 


 


 


 


「それぞれの視点があるからよ」


 


 


 


芽草ちゃんが言う。


 


 


 


「シナリオ、演出、音、ビジュアル、システム」


 


 


 


「全部が合わさって“完成”になる」


 


 


 



 


 


「……楽しいね」


 


 


 


私は小さく笑う。


 


 


 


「うん」


 


 


 


「……面白い」


 


 


 


「奥が深いです」


 


 


 


「いい作品になりそう」


 


 


 


「やりがい、あります……!」


 


 


 


 



 


 


「よし!」


 


 


 


私はペンを握る。


 


 


 


「直してみる!」


 


 


 


「ええ」


 


 


 


「……期待」


 


 


 


「仕上がり、楽しみです」


 


 


 


「音も合わせます」


 


 


 


「確認します……!」


 


 


 


 



 


 


カリカリカリ……


 


 


 


さっきよりも、


 


 


少しだけ丁寧に言葉を選ぶ。


 


 


 


 


「……できた!」


 


 


 


「見せて」


 


 


 


 


みんなで確認する。


 


 


 


 


「……いいわね」


 


 


 


「……良くなった」


 


 


 


「自然です」


 


 


 


「雰囲気、出てる」


 


 


 


「違和感、ありません……!」


 


 


 


 



 


 


「やった……!」


 


 


 


私は思わずガッツポーズする。


 


 


 


 


「こういう積み重ねが大事なのよ」


 


 


 


芽草ちゃんが微笑む。


 


 


 


「小さな改善が、大きな差になる」


 


 


 


 



 


 


「なんかさ」


 


 


 


私はふと呟く。


 


 


 


「最初より、ちゃんと“ゲーム作ってる”感じする」


 


 


 


 


「ええ」


 


 


 


「……してる」


 


 


 


「確実に成長してます」


 


 


 


「音も、前より意識してる」


 


 


 


「バグの見方も変わりました……!」


 


 


 


 



 


 


夕日が差し込む部室。


 


 


 


ノートには修正された文章。


 


 


 


画面には調整された演出。


 


 


 


 


小さな変化。


 


 


 


でも確実な前進。


 


 


 



 


 


「今日はこの辺で終わりにしましょう」


 


 


 


「はーい!」


 


 


 


「……うん」


 


 


 


「はい」


 


 


 


「お疲れ様です」


 


 


 


「また明日」


 


 


 


 



 


 


部室を出る。


 


 


 


空は少しずつ秋の色。


 


 


 


 


「明日も頑張ろうね」


 


 


 


「ええ」


 


 


 


 



 


 


――小さなこだわりが、世界を変える。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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