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Bloom Code ―太陽女学院ゲーム開発部―  作者: れんP
二学期編

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第五十五花「雨音と作業日和」



 


私は染井 芳乃(ソメイヨシノ)

城津 芽草(シロツメクサ)ちゃんと星咲 睡蓮(ホシザキスイレン)さんと糸刃 翔(イトバ ショウ)ちゃんと花森 菫(ハナモリ すみれ)ちゃんと顧問の風信子 桃花(ヒヤシンス ももか)先生と黒百合 リリィ(クロユリ りりぃ)ちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!

私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!


 


 


◆ 二学期・放課後・部室


 


ザー……ザー……


 


 


窓の外では、しとしとと雨が降っていた。


 


 


「今日は、けっこう降ってるね」


 


 


私は窓の外を見ながら呟く。


 


 


 


「ええ、帰る頃にはもう少し強くなるかもしれないわね」


 


 


芽草ちゃんが言う。


 


 


 


「……雨、嫌いじゃない」


 


 


翔ちゃんがぽつり。


 


 


 


「集中、できる」


 


 


 


「あ、それちょっとわかるかも」


 


 


 



 


 


「雨音にはリラックス効果がありますからね」


 


 


睡蓮さんが静かに言う。


 


 


 


「一定のリズムが脳に安定をもたらします」


 


 


 


「へぇ〜……」


 


 


 


「音としても、面白いです」


 


 


 


菫ちゃんが窓のほうを見る。


 


 


 


「この音、ゲームにも使えそう」


 


 


 


「環境音としては優秀ね」


 


 


 



 


 


「……録音してみる?」


 


 


 


私はふと思いついて言う。


 


 


 


「え?」


 


 


 


「この雨の音、ゲームで使えたらリアルじゃない?」


 


 


 


 


一瞬の沈黙。


 


 


 


「……いい案」


 


 


 


翔ちゃんが頷く。


 


 


 


「自然音、強い」


 


 


 


「確かに」


 


 


 


菫ちゃんも目を少し輝かせる。


 


 


 


「ちょっと試してみます」


 


 


 


 



 


 


窓を少し開ける。


 


 


 


ザー……


 


 


 


さっきよりはっきりと聞こえる雨音。


 


 


 


「録音開始」


 


 


 


 


部室の中が静かになる。


 


 


 


誰も喋らない。


 


 


 


ただ、雨の音だけが響く。


 


 


 



 


 


「……こんな感じでどうでしょう」


 


 


 


録音を再生する。


 


 


 


「おお……」


 


 


 


「いい」


 


 


 


「落ち着く……」


 


 


 


「雰囲気、出てる」


 


 


 


「……使えそう」


 


 


 


 



 


 


「こういうのも、ゲーム作りだね」


 


 


 


私は少し嬉しくなって言う。


 


 


 


「ええ」


 


 


芽草ちゃんが頷く。


 


 


 


「日常の中にあるものを拾って、作品にする」


 


 


 


「それが“表現”よ」


 


 


 


 



 


 


「じゃあ今日は、このまま作業しよっか」


 


 


 


「ええ」


 


 


 


「……集中」


 


 


 


「はい」


 


 


 


「音、まとめます」


 


 


 


「バグチェックも続けます……!」


 


 


 


 



 


 


雨音の中、


 


 


それぞれが作業に戻る。


 


 


 


カタカタとキーボードの音。


 


 


 


カリカリとペンの音。


 


 


 


そして、外の雨音。


 


 


 


全部が混ざって、


 


 


不思議と心地いい空間になる。


 


 


 



 


 


「……ねぇ」


 


 


 


私は小さく言う。


 


 


 


「こういう日も、いいね」


 


 


 


 


「ええ」


 


 


 


「……好き」


 


 


 


「落ち着きます」


 


 


 


「音、綺麗」


 


 


 


「集中できます……!」


 


 


 


 



 


 


雨の日。


 


 


 


どこにも行かない日。


 


 


 


でも――


 


 


 


ちゃんと進んでいる日。


 


 


 



 


 


「よし、今日はここまでにしましょう」


 


 


 


芽草ちゃんが区切りをつける。


 


 


 


「はーい!」


 


 


 


「……うん」


 


 


 


「はい」


 


 


 


「お疲れ様です」


 


 


 


「帰り、気をつけてくださいね」


 


 


 


 



 


 


外に出ると、


 


 


まだ雨は降っていた。


 


 


 


でもさっきより少しだけ弱くなっている。


 


 


 


 


「傘、ある?」


 


 


 


「大丈夫!」


 


 


 


「……ある」


 


 


 


「はい」


 


 


 


「持ってます」


 


 


 


「わ、私は……あります!」


 


 


 


 



 


 


雨の中、歩き出す。


 


 


 


ぽつ、ぽつ、と水たまりを避けながら。


 


 


 


 


今日の雨音も、


 


 


きっとゲームの中に残る。


 


 


 



 


 


――日常は、素材でできている。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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