第五十四花「ちょっとした寄り道と、アイスの時間」
私は染井 芳乃!
城津 芽草ちゃんと星咲 睡蓮さんと糸刃 翔ちゃんと花森 菫ちゃんと顧問の風信子 桃花先生と黒百合 リリィちゃんといっしょに太陽女学院でゲーム開発部をしています!
私と芽草ちゃんはシナリオ、睡蓮さんはプログラム、翔ちゃんはイラスト、菫ちゃんはサウンド、リリィちゃんはデバッガーで、頑張っています!
◆ 放課後・部室
「……今日は、どうする?」
私は椅子に座りながら聞いた。
「進めてもいいけど」
芽草ちゃんが少し考える。
「少し外に出るのもいいわね」
「外?」
「気分転換よ」
◆
「賛成です」
睡蓮さんがすぐに頷く。
「長時間同じ環境だと効率が落ちますから」
「……外、いい」
翔ちゃんも小さく言う。
「アイス、食べたい」
「アイス!?」
「いいねそれ!」
「……私も、ちょっと気になる」
リリィちゃんが小さく手を挙げる。
「甘いもの……好きです」
「じゃあ決まりね」
芽草ちゃんが微笑む。
◆ 学園近くの通り
「うわぁ……なんか久しぶりにこういう感じ」
制服のまま、みんなで歩く。
部活の外で集まるのって、
ちょっと新鮮。
「普段はすぐ部室ですものね」
「たまには、いいわ」
◆
「ここ」
翔ちゃんが指さす。
小さなアイス屋さん。
「おお〜!」
「種類、多い……!」
「どれにしよう……」
◆
「私はこれにするわ」
芽草ちゃんは落ち着いた色のものを選ぶ。
「抹茶味」
「大人……!」
「芳乃ちゃんは?」
「えっと……これ!」
私は明るい色のアイスを指さす。
「トロピカルミックス!」
「……らしい」
翔ちゃんがぽつり。
「えへへ〜」
◆
「私はシンプルに」
睡蓮さんはバニラを選ぶ。
「基本を知るのは大事ですから」
「なるほど……?」
◆
「……これ」
翔ちゃんはチョコ系。
「安定」
「私は……これにします!」
菫ちゃんは少し華やかな見た目のもの。
「見た目も大事ですから」
「デザイン意識高い……!」
◆
「えっと……」
リリィちゃんは迷っている。
「どれもおいしそうで……」
「おすすめは?」
「うーん……」
「じゃあ、これどう?」
私は優しい色のアイスを指さす。
「これ、食べやすそう」
「……じゃあ、それで」
◆
「いただきます!」
みんなで一口。
「……おいしい!」
「ええ」
「……いい」
「甘い……!」
「おいしいです!」
「……幸せ」
自然と笑顔になる。
◆
「こういう時間も、必要ね」
芽草ちゃんがぽつりと言う。
「ずっと作業だけじゃ、視野が狭くなる」
「たしかに」
「アイデアも浮かびやすくなるかも」
「……今の景色、使えそう」
「音のイメージも広がります」
「観察ポイント、多いです……!」
結局、
みんな“作ること”に繋がってる。
◆
「ねぇ」
私はアイスを食べながら言う。
「次のゲームにさ」
「こういう“日常”も入れたいね」
「いいわね」
「……好き」
「共感、得られそうです」
「音も映えます」
「細かい描写、任せてください……!」
◆
夕焼けが少しずつ広がる。
アイスを食べ終わる頃には、
空の色も変わっていた。
◆
「そろそろ帰りましょうか」
「うん!」
「……また来たい」
「ええ」
歩き出す。
少しだけ軽くなった足取り。
◆
ただの寄り道。
でも、
大事な時間。
◆
――こういう日が、作品を育てる。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




